新着記事
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読書日記
『六つ首村』- 「横溝正史に捧ぐ」は嘘か真か?折原一が仕掛けた最悪で最高の罠【読書日記】
恐ろしいミステリを読んでしまった。 読み終えた今も、頭の中が霧に包まれた北関東の山奥から帰ってこれないでいる。 折原一、御年74歳。 叙述トリックの巨匠が、そのキャリアのすべてを叩きつけたかのような超大作『六つ首村』。 572ページというボリュー... -
海外ミステリー小説
見立て殺人ミステリー小説おすすめ30選 – なぜ殺したのか、ではなく「なぜ見立てたのか?」という魅力
ミステリを読んでいると、ただの殺人事件じゃ物足りなくなる瞬間がある。 犯人は誰? 殺された理由は? トリックは? どれも大事なのだけれど、そこにもうひとつの仕掛けがあると、気分が舞い上がる。 たとえば、死体が童謡になぞらえて並べられていたり、... -
読書日記
本格推理の幽霊はなぜ消えないのか? – 飛鳥部勝則『N・Aの扉 新装版』【読書日記】
2025年7月、『N・Aの扉 新装版』が刊行された。 この知らせを聞いたとき、胸の奥がざわついたのを覚えている。 「本当にあれが戻ってくるのか」──そんな気配が、ミステリファンたちの間にゆっくりと広がっていった。 この作品、もともとは1999年に新潟日報... -
短編集
江戸川乱歩『赤い部屋』- 探偵も密室トリックもない、完全犯罪の話【傑作小説エッセイ】
江戸川乱歩が1925年に『新青年』に発表した短編『赤い部屋』は、いわゆる謎解きのミステリではない。 明智小五郎もいなければ、犯人探しもない。あるのは、「赤」という色彩に閉ざされた奇妙な部屋と、そこで語られる不気味な独白だけだ。 舞台は、ある秘... -
海外ミステリー小説
『オランダ靴の秘密』- 純粋論理型ミステリの最高峰。一足の靴から始まるエラリー・クイーンの設計美【傑作小説エッセイ】
エラリー・クイーンについて語るとき、やっぱり初期の「国名シリーズ」は避けて通れない。 舞台のユニークさ、フェアな手がかり、ミステリとしての構造美、そしてあの名物「読者への挑戦状」。これらすべてが揃っていて、黄金時代ミステリの華やかさとスト... -
短編集
2026年1月に読んで特に面白かった本18冊 – 道尾秀介『I』ほか
2026年1月に読んだ本の中から、特にこれは面白い!と思った18冊をご紹介するぞ。 ・2025年11月に読んで特に面白かった本16冊 – 小川哲『火星の女王』ほか ・2025年10月に読んで特に面白かった本15冊 – 『本好きに捧げる英国ミステリ傑作選』ほか ・2025年9... -
読書日記
ゆっくり歩くこと、ゆっくり読むこと。『本と歩く人』が教えてくれた、もう一つの時間の流れ【読書日記】
ページをめくる指の感触。 少し重たいハードカバーの端っこ。 読みかけの文庫の間に挟んだ栞。 そういう本にまつわる記憶というのは、ふとしたときに蘇るものだ。 カルステン・ヘンの『本と歩く人』を読んで最初に感じたのは、そんな懐かしさだった。でも... -
短編集
『舞踏病』- 老人が踊り出すとき、御手洗潔の推理も踊る【御手洗潔のダンス】
島田荘司といえば、言わずと知れた新本格ミステリの開祖。 その代表作である『占星術殺人事件』や『斜め屋敷の犯罪』など、ぶっ飛んだトリックと壮大な仕掛けで読者を驚かせてきた。 でも、長編だけがすごいわけじゃない。むしろ、彼の本質がぎゅっと詰ま... -
ホラー小説
雨宮酔『夢詣』- 読んだその夜から、あなたも順番待ち
ホラー小説には、大きく分けて二種類あると思う。 一つは、どこか遠くの不気味な世界で起きる超常的な恐怖を描くもの。 もう一つは、もっと身近な日常にひたひたと侵食してくるタイプのやつ。 雨宮酔『夢詣』は、まさにその後者、しかもその中でも一線を画... -
読書日記
そこに「いる」と言った瞬間、怪異は始まってしまう- 京極夏彦『猿』【読書日記】
京極夏彦(きょうごく なつひこ)。 もはや作家というよりジャンルと化したこの名前を、いまさら紹介する必要もないかもしれない。 とはいえ、1994年の『姑獲鳥の夏』でデビューして以来、〈百鬼夜行〉シリーズや〈巷説百物語〉シリーズを筆頭に、日本文学...
