新着記事
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短編集
『フレドリック・ブラウンSF短編全集2 星ねずみ』- 小さなねずみが宇宙へ飛び、活字機械が世界を書き換える【読書日記】
フレドリック・ブラウンの短編を読むと、毎回脳内に小さな爆竹を投げ込まれたような気分になる。 しかも、その爆竹がやたら精密に作られている。導火線は短い。火花は一瞬。 だが、鳴ったあとに残る煙の形が妙に忘れがたい。本来、短編SFってこういう危な... -
読書日記
米澤穂信『倫敦スコーンの謎』- 甘いお菓子の皿には、苦い論理がきれいに盛られている【読書日記】
日常の謎という言葉には、どこか軽やかな響きがある。 だが〈小市民〉シリーズに限って言えば、その日常は案外やわらかくない。 表面は甘く整えられていても、ひと口かじると、人間の見栄や憧れや意地が顔を出すからだ。 小鳩常悟朗と小佐内ゆきは、小市民... -
読書日記
澤村伊智『ざんどぅまの影』- 比嘉姉妹シリーズの過去に沈む、海水と差別の記憶【読書日記】
澤村伊智の比嘉姉妹シリーズを追ってきた身として、『ざんどぅまの影』には妙な緊張感を覚えた。 なにしろ、比嘉琴子と真琴の物語でありながら、舞台は彼女たちが生まれる前の1981年。主役として前面に立つのは、姉妹の祖母である比嘉勝子だ。 つまりこれ... -
未分類
島田荘司『切り裂きジャック・百年の孤独[改訂完全版]』- ロンドンの霧とベルリンの壁、その暗い線を追いかける【読書日記】
切り裂きジャックという名前には、ミステリ好きの神経を妙にざわつかせるものがある。 未解決事件、霧のロンドン、ホワイトチャペル、猟奇殺人、新聞報道、都市伝説。そんな単語を並べるだけで、暗い路地裏の入口が開いてしまう。 しかもそこへ島田荘司で... -
国内ミステリー小説
『アリス・ミラー城』殺人事件 – 北山猛邦作品で一番好きな城と物理トリック論【傑作ミステリエッセイ】
北山猛邦(きたやま たけくに)の城シリーズには、いくつもの忘れがたい城がある。 時計仕掛けのように世界を狂わせる城もあれば、瑠璃色の幻想をまとった城もある。 どれも妙に美しく、どれもどこか壊れていて、そして当然のように人が死ぬ。 北山作品の... -
海外ミステリー小説
ドロシー・L・セイヤーズ『ピーター・ウィムジイ卿』シリーズ完全ガイド|読む順番とおすすめの話【全作品評価つき】
英国ミステリ黄金時代には、名前を聞くだけで背筋が少し伸びるような作家たちがいる。 アガサ・クリスティ、ジョン・ディクスン・カー、そしてドロシー・L・セイヤーズ。 そのなかでもセイヤーズは、単に巧妙な謎を組み立てた作家というだけでは語り切れな... -
読書日記
加門七海『裂神』- 神とは救いか、それとも祓われた厄の成れの果てか【読書日記】
人というのは、都合の悪いものを外へ追いやるのがうまい生き物だ。 穢れ、厄、災い、祟り。 名前をつけ、祓い、流し、境界の外へ出す。そうすれば、こちら側は清められた気になれる。 めでたしめでたし。……で済めばいいのだが、加門七海のホラーは、そこで... -
読書日記
西式豊『処刑館殺人事件』- ミステリ作家たちが自分の書いた謎に処刑される館へ【読書日記】
ミステリ作家が山奥の館に集められる。 外界との連絡を絶たれる。 そこに処刑道具が並べられている。 そして、ひとりずつ殺されていく。 本格ミステリを愛する者にとって、この状況が好きではない人なんているだろうか。 危険だと分かっている。絶対にろく... -
ホラー小説
餅屋蛾『ダクダデイラ』- ネットの底から、紙の本へ這い上がってくる怪文書ホラーの傑作【読書日記】
インターネットには、たまに本気で見てはいけないものが落ちている。 誰が書いたのか分からない。何のために書かれたのかも分からない。けれど、読んだ瞬間に、画面の向こう側から何かがこちらを見返してきたような気配がある。 掲示板の古いログ、SNSの不... -
短編集
筒井康隆『ジャックポット』- 言葉が暴走し、死の川辺までたどり着く前衛短編集【読書日記】
小説というものは、ふつう何かを伝えるために言葉を使う。 物語を進める。人物を描く。世界を立ち上げる。まあ、だいたいそういうものだと思っている。 ところが筒井康隆『ジャックポット』を開くと、その前提がいきなり足元から外される。 言葉が意味を運...
