人気記事
-
読書日記
日本SF作家クラブ編『ショートショートなSF』- 星新一の生誕100周年、4000字から広がる50の宇宙【読書日記】
本書は、日本SF作家クラブがお贈りするアンソロジーでは初めての試みです。 参加した作家の数は、総勢五十人。 それぞれが執筆する文字数は、ひとり、たったの四千文字以内。 この一冊には「短い短いSF」が──多種多様で、バラエティに富んだ、色とりどりの... -
短編集
忘れられた巨匠? とんでもない! 今こそ読みたい物語の怪物だ – 『死の10パーセント: フレドリック・ブラウン短編傑作選』
フレドリック・ブラウン。 名前は聞いたことがある。でもちゃんと読んだことはない。 そんな人も多いんじゃないだろうか。 昔のSF作家? ミステリも書いていた? そんな印象のままスルーされがちなこの作家は、実はとんでもない物語の魔術師である。 とい... -
読書日記
『フレドリック・ブラウンSF短編全集1 未来世界から来た男』 – ショートショートの神様が、未来からではなく過去から殴ってくる
短い小説が好きだ。 もっと言うと、短いのにやけに後を引く小説が好きである。 たとえば、ほんの数ページで世界の見え方が反転する。 油断して読んでいたら、最後の一行で足元の床板がすっと抜ける。 しかも、その抜け方が大げさな悲鳴ではなく、妙に乾い... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.64】『傲慢な女』
「鏡よ鏡、この世で一番美しいのはだぁれ?それはもちろん私だわ。うふ」 そうよ、私はこの世の誰よりも美しいの。 でもこの美貌を維持するには、もっともっとお金が必要。 ううん、お金だけじゃないわ。私に釣り合うステキな王子様も必要よね。 マリアは... -
読書日記
小鷹信光『探偵物語』- もうひとりの工藤俊作は、下北沢の片隅で煙草をくゆらせる【読書日記】
探偵という職業には、なぜか妙な魔力がある。 警察ではない。名探偵みたいに華麗な推理を披露するわけでもない。基本的には面倒ごとを嫌がり、金にはうるさく、できれば厄介な事件には関わりたくない顔をしている。 なのに、いざ放っておけないものに出く... -
読書日記
『悪党たちのシチュー』- 腐った政治を、洒落た会話と悪党の手際で煮込んだ危険なご馳走【読書日記】
世の中には、タイトルだけで妙に気になってしまう小説がある。 ロス・トーマス『悪党たちのシチュー』も、まさにそのタイプだ。 悪党。シチュー。もう、ろくでもない匂いしかしない。鍋の中で何が煮えているのか、できれば知りたくない。でも蓋を開けたく... -
読書日記
ホラー映画好き必読の書『男と女とチェーンソー』- 悲鳴と血しぶきの奥で、ホラーの定番を理論へ変える【読書日記】
ホラー映画というジャンルは、どうにも誤解されやすい。 血が出る。人が叫ぶ。 マスクを被った殺人鬼が出る。 逃げる若者たちはなぜか地下室へ行く。どう考えても行かないほうがいいのに、律儀に行く。 観ているこちらは「そっちはダメだって!」と何度も... -
短編集
『ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件』- ボルヘスとビオイが本気でふざけたミステリ講義
ボルヘスとビオイ=カサーレスが組んで探偵小説を書いた──それだけで、ミステリ好きならテンションが上がるに決まっている。 そして生まれたのがこの『ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件』だ。 しかも、ただの探偵ものじゃない。安楽椅子どころか、独... -
国内ミステリー小説
『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』- 紙とプラモデルの専門知識で謎を追うミステリ
紙の銘柄を鑑定する渡部の事務所に、なぜか浮気調査の依頼が来た。 依頼主の女性はどうやら「紙鑑定」を「神探偵」と間違えたらしい。 話を聞いてみると、浮気を疑っている理由は、彼氏が急にプラモデルに凝り始めたこと。 渡部は小遣い稼ぎのつもりで依頼... -
読書日記
フィリップ・ボクソ『死体は語りだす』- 解剖台のミステリ、あるいは死者の証言【読書日記】
死体が語る、という言い方は、いかにもミステリ向きだと思う。 というか、このタイトルを見た時点で、私の中のミステリ魂はかなり前のめりになった。 死体が語る。法医学医が読み解く死者からのメッセージ。 もうこの時点で、事件現場、密室、偽装自殺、毒...
