人気記事
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自作ショートショート
【自作ショートショートNo.65】『平等な国』
この小さな国ではすべての国民が、そっくり同じ形の家に暮らしている。 違っているのは扉にでかでかと刻まれた番地だけ。 外観だけでは区別がつかないので、この番地で自分の帰る家を見分けているのだ。 幼い子供たちの間では、番地の数字を頼りに友達の家... -
国内ミステリー小説
『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』- 紙とプラモデルの専門知識で謎を追うミステリ
紙の銘柄を鑑定する渡部の事務所に、なぜか浮気調査の依頼が来た。 依頼主の女性はどうやら「紙鑑定」を「神探偵」と間違えたらしい。 話を聞いてみると、浮気を疑っている理由は、彼氏が急にプラモデルに凝り始めたこと。 渡部は小遣い稼ぎのつもりで依頼... -
国内ミステリー小説
『紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪』- 紙とフィギュアの蘊蓄が真相を暴き出す
紙の銘柄、厚み、密度など、紙のことなら何でもござれの紙鑑定士・渡部のもとに、新たな依頼が来た。 小学3年生の女の子からの依頼で、「紙粘土の鑑定をしてほしい」というもの。 紙は紙でも、紙粘土はさすがに専門外。 しかし依頼の目的が、 「可愛がって... -
海外ミステリー小説
『フェアリー・テイル』- ハッピーエンドに向けた、キング50周年の風変わりな贈り物
スティーヴン・キングが50周年の節目に書いたのが、『フェアリー・テイル』だという事実を、まずどう受け止めればいいのか。 ずっとキングのホラーを読んできた身としては、タイトルからして信じられない。 フェアリー・テイル? おとぎ話? あの『ペット... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.63】『死ねない男』
「う、うわあああ」 ふぅ、た、助かった。どうにか雪崩には巻き込まれずに済んだようだ。 「だ、誰か助けてくれー。おーい」 何時間経ったんだろうか。雪崩を避けたはいいものの、俺は崖から転がり落ちてしまっていた。 「おーい、誰かいないかー。俺はこ... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.3】『悪魔にも』
彼は悪魔を呼び出した。 そう行動するに至った原因も、欲求も確かにあり、多くの労力を注ぎ込み、悪魔召還の術を調べ上げ準備を整えたのだ。 この社会にあっては彼の欲求は叶え得ない、法の正義も彼には味方しなかった。 満月の夜、地下室に描いた血の召還... -
読書日記
近藤史恵『ねむりねずみ【新装版】』- 梨園という見えない壁に囲まれた、最も美しく最も閉ざされたミステリ
華やかな世界を描いた小説のはずなのに、読んでいるうちに妙に息が詰まってくることがある。 しかもその息苦しさが、露骨な陰惨さではなく、美しさとほとんど見分けがつかないかたちで迫ってくるタイプのやつだ。 近藤史恵『ねむりねずみ【新装版】』は、... -
読書日記
『サプライズ・エンディングス 嘘』- ひっくり返される快感、そして疑うことの楽しさ【読書日記】
https://300books.jp/surpriseending/ ミステリを読んでいて、最後の数行でこちらの頭の中の家具配置が全部変わってしまう瞬間がある。 さっきまでテーブルだと思っていたものが実は扉で、壁だと思っていたものが実は床で、犯人だと思っていた人物が、そも... -
短編集
G・K・チェスタトン『犬のお告げ』- 犬を信じるより先に、疑うべきものがある【傑作小説エッセイ】
チェスタトンの『犬のお告げ』という傑作短編は、ミステリとしての入り口がかなり胡散臭い。 殺人事件が起きて、犬が奇妙な行動を取り、その犬がどうやら「何かを知っているらしい」。 この時点で、ミステリ好きの頭には二つの警報が鳴る。 ひとつは「オカ... -
短編集
『コロラド・キッド 他二篇』- スティーヴン・キングの「幻の作品」が収録された日本オリジナル中篇集
スティーヴン・キングのデビュー50周年を記念して刊行された『コロラド・キッド 他二篇』は、いわば「読まれずにいたキング」を一気に解き放った作品集だ。 長らく国内では読めなかった「幻」の中篇群をまとめ、日本オリジナルの文庫版としてリリースされ...
