人気記事
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短編集
ジョン・ディクスン・カー『妖魔の森の家』について長々と語るだけ【傑作ミステリエッセイ】
ジョン・ディクスン・カーの『妖魔の森の家』を読むたびに、短編ミステリという形式の恐ろしさを思い知らされる。 長編なら、寄り道もできる。人物の過去を語り、館の見取り図を広げ、容疑者を何人も並べ、探偵にたっぷり講釈をさせる余裕がある。 ところ... -
短編集
その愛は、皮膚の上に書かれた – 江戸川乱歩『芋虫』【傑作小説エッセイ】
江戸川乱歩といえば、少年探偵団シリーズか、『D坂の殺人事件』のような本格ものか。そんなイメージが先に来る人も多いと思う。 でも、乱歩の核心を本当に味わいたいなら、どうしても外せないのが『芋虫』だ。 発表は1929年。今から100年近く前の短編なの... -
読書日記
『記銘師ディンの事件録 木に殺された男』- 死体から生える木、その異様を論理で解き明かす快感【読書日記】
奇妙な死体から始まる話には、どうしたって身を乗り出してしまう。 しかもそれが、ただの猟奇趣味ではなく、ちゃんと論理の入口として置かれているとなれば、なおさらである。 ロバート・ジャクソン・ベネット『記銘師ディンの事件録 木に殺された男』は、... -
海外ミステリー小説
『爬虫類館の殺人【新訳版】』- ジョン・ディクスン・カーが目張りの密室で本気を出すとこうなる【読書エッセイ】
ジョン・ディクスン・カーを読んでいると、たまに笑ってしまうことがある。 別に変な意味ではない。むしろ逆で、そこまで本気で不可能犯罪をやるのか、と妙にうれしくなってしまうのである。 密室だの消失だの、黄金時代ミステリにはいろいろな名物がある... -
読書日記
角川ホラー文庫30周年の祝祭、あるいは惨劇 – 『潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー』【読書日記】
ホラー小説を読んでいると、怖さにも時代があるということを実感する。 近年は超がつくほどのモキュメンタリーホラーブームだし、幽霊屋敷の怪談が流行る時代もあれば、都市伝説やネット怪談が主役になる時代もある。 そんな視点で見ると、角川ホラー文庫3... -
読書日記
『ライフログ分析官』- すべてが証拠になる世界で、人間だけが壊れていく。我孫子武丸が描く未来ミステリの正体【読書日記】
我孫子武丸という作家は、やはり油断ならない人だと思う。 新本格の旗手として登場し、『殺戮に至る病』のような強烈な作品を残した作家が、2026年に何を書いたのか。 そう思って手に取った『ライフログ分析官』は、いわゆる「鮮やかなパズル」を前面に押... -
ホラー小説
『Q この漫画に見覚えがある方はお知らせください 特装版』発見された漫画原稿という恐怖【読書日記】
『この漫画に見覚えがある方はお知らせください』 このタイトルは、作品名というより、駅の掲示板や古い新聞広告に紛れ込んでいそうな告知文である。 誰かを探しているのか、何かの記憶を掘り起こそうとしているのか、それとも、うっかり反応した人間を巻... -
読書日記
澤村伊智『ざんどぅまの影』- 比嘉姉妹シリーズの過去に沈む、海水と差別の記憶【読書日記】
澤村伊智の比嘉姉妹シリーズを追ってきた身として、『ざんどぅまの影』には妙な緊張感を覚えた。 なにしろ、比嘉琴子と真琴の物語でありながら、舞台は彼女たちが生まれる前の1981年。主役として前面に立つのは、姉妹の祖母である比嘉勝子だ。 つまりこれ... -
読書日記
『サプライズ・エンディングス 嘘』- ひっくり返される快感、そして疑うことの楽しさ【読書日記】
https://300books.jp/surpriseending/ ミステリを読んでいて、最後の数行でこちらの頭の中の家具配置が全部変わってしまう瞬間がある。 さっきまでテーブルだと思っていたものが実は扉で、壁だと思っていたものが実は床で、犯人だと思っていた人物が、そも... -
短編集
『沈みかけの船より、愛をこめて』- パン買ってこい、からゾンビまで。乙一が分裂して挑む個展アンソロジー
ある文庫の背表紙に、こんな名前が並んでいる。 乙一、中田永一、山白朝子、そして安達寛高。 知らない人が見たら「人気作家による豪華共演だな」と思うかもしれない。でもこの並び、実は全部、ひとりの作家によるペンネームと本名である。 そう、これは奇...
