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国内ミステリー小説
小松立人『そして誰もいなくなるのか』- 人生大逆転にはほど遠い、あまりに「せこい」地獄のルール
小松立人『そして誰もいなくなるのか』は、かなり性格の悪い小説である。 もちろんこれは褒め言葉だ。こういう小説は大好きである。 設定だけ抜き出すと、死神に一週間の猶予を与えられ、そのあいだ仲間を殺すと相手の寿命を少しだけ奪える、という話だが... -
読書日記
下村敦史『あいつも誰かに殺される』- SNSで「死ね」と書かれた人が本当に死んでいく【読書日記】
『あいつも誰かに殺される』 著者:下村敦史 衝撃度 : (4.5) 技巧性 : (4.0) 論理性 : (4.0) 意外性 : (5.0) この作品を一言でいうと SNSに書かれた悪意を死神が現実の殺人へ変え、警察と社会全体を混乱へ叩き込む犯罪サスペンス... -
国内ミステリー小説
『霊魂の足』- 戦後の時代背景のもとで起きた事件に迫るミステリ短編集
本作は、昭和21年に起きた事件をもとに、終戦後まもなくの複数の出来事を描いた物語です。 隣客の古いトランクを入れ替える男を尾行して、行動の動機を探る謎解き物語『怪奇を抱く壁』や、読者のミスリードへと繋げる巧妙なトリックが仕掛けられた『緑亭の... -
読書日記
久永実木彦『雨音』- 惨劇のあとに鳴り続ける音を描いた、痛切な喪失の物語【読書日記】
日常が壊れる音というものがある。 それは爆発音かもしれないし、ガラスの割れる音かもしれない。あるいは、何の前触れもなく鳴り響く銃声かもしれない。 久永実木彦『雨音』は、その音を聞いてしまった人間たちの物語である。しかも本作が恐ろしいのは、... -
読書日記
『出版禁止 女優 真里亜』- その女優を追うほど、こちらの足元まで怪しくなる【読書日記】
長江俊和の作品を読むとき、いつも少し身構えてしまう。正確に言うと、身構えたつもりで毎回まんまと引っかかる。 こちらは「今回は騙されないぞ」と、付箋と疑い深い目つきでページに向かうわけだが、長江作品はその疑い深ささえ計算に入れてくる。実に意... -
読書日記
『交番相談員 百目鬼巴』- そのおばさん、尋常じゃない。『教場』の著者が描く新たな警察ミステリ【読書日記】
長岡弘樹(ながおか ひろき)という作家の名前を聞くと、まず思い出すのはやっぱり『教場』だ。 あの、警察学校を舞台にした緊張感たっぷりの物語は、多くの読者の心に残っているはず。そんな彼が次に選んだ舞台が「交番」だなんて驚きだ。 『交番相談員 ... -
読書日記
『此方より 小林泰三未収録短編集』- 未収録14編がつないだ、小林泰三という作家の異様な広さ【読書日記】
『此方より 小林泰三未収録短編集』 著者:小林泰三 おすすめ度: (5.0) 読みやすさ: (4.0) ストーリー: (4.5) おもしろさ: (5.0) この作品を一言でいうと 量子密室からクトゥルフまで、小林泰三らしい奇想を詰め込んだ未収録作品14編を集めた... -
ホラー小説
芦花公園『とらすの子』- 自分の手を汚さず人を殺せるなら?憎悪に満ちたカルトホラー小説
都内で発生した無差別連続殺人事件。 どの遺体もひどく傷つけられており、人間による所業とは思えないほどだった。 ある日ライターの坂本美羽は、この事件の真相を知る少女に会った。 少女が言うには、犯人は「とらすの会」という団体であり、ここでは「マ... -
青春小説
辻村深月『この夏の星を見る』- コロナ禍ゆえの苦悩と新たな青春の形を描いた感動作
2020年、新型コロナウイルス感染症が流行し、全国の中学生・高校生たちの日常は、大きく変わった。 茨城県の高校2年生の亜紗は、天文部の合宿を楽しみにしていたが、コロナ禍におけるイベント制限により中止になり落胆する。 東京都の中学1年生の真宙は、... -
国内ミステリー小説
梓崎優『叫びと祈り』- ミステリが旅をはじめたとき、「動機」は世界を語りだす【傑作小説エッセイ】
梓崎優『叫びと祈り』を初めて読んだときの衝撃は、いまだによく覚えている。 それは単なる面白いミステリではなかった。読み進めるうちに、まるで地図の端っこがぐいっと引っ張られ、世界そのものの形が変わっていくような感覚があった。 収録された短編...
