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読書日記
真門浩平『ぼくらは回収しない』- 伏線回収という言葉の向こう側にある、回収されない感情【読書日記】
伏線回収という言葉は、いつの間にか物語を褒めるための便利な合言葉になった。 あれも回収された、これも意味があった、すべてが最後につながった。もちろん、それはミステリを読む大きな楽しみのひとつである。 だが『ぼくらは回収しない』は、その快感... -
読書日記
岡本好貴『帆船軍艦の殺人 (創元推理文庫)』- 船は揺れ、密室は動き、殺人者だけが見えない【読書日記】
『帆船軍艦の殺人』 著者:岡本好貴 衝撃度 : (4.0) 技巧性 : (5.0) 論理性 : (4.5) 独創性 : (4.5) この作品を一言でいうと 18世紀末の英国軍艦を舞台に、過酷な船旅と船の構造を活かした密室トリックが炸裂する海洋冒険本格ミス... -
読書日記
米澤穂信『倫敦スコーンの謎』- 甘いお菓子の皿には、苦い論理がきれいに盛られている【読書日記】
日常の謎という言葉には、どこか軽やかな響きがある。 だが〈小市民〉シリーズに限って言えば、その日常は案外やわらかくない。 表面は甘く整えられていても、ひと口かじると、人間の見栄や憧れや意地が顔を出すからだ。 小鳩常悟朗と小佐内ゆきは、小市民... -
読書日記
日本SF作家クラブ編『ショートショートなSF』- 星新一の生誕100周年、4000字から広がる50の宇宙【読書日記】
本書は、日本SF作家クラブがお贈りするアンソロジーでは初めての試みです。 参加した作家の数は、総勢五十人。 それぞれが執筆する文字数は、ひとり、たったの四千文字以内。 この一冊には「短い短いSF」が──多種多様で、バラエティに富んだ、色とりどりの... -
短編集
『サキ短編集』が教える世界が裏返る音 – 世界で一番甘美な毒殺講義へようこそ
イギリス文学には、上品な顔をしてとんでもない毒を吐く作家がいる。 その代表格がサキ、ことヘクター・ヒュー・マンローだ。 初めてサキを読んだとき、こんなに上品なのにこんなに意地悪でいいのか、と思った。文章は洗練されていて、会話は軽やかで、舞... -
短編集
入ってはいけない部屋に入ってしまった -『奥の部屋:ロバート・エイクマン短篇集』
ホラーでもない。怪談でもない。 けれど、読んでいると確かに怖い。 ジャンルの枠にきっちり収まる作品もいいけれど、たまにはその枠ごと吹き飛ばしてくるやつに出会いたくなる。 そんなとき脳が勝手に反応してしまうのが、20世紀イギリスの最も分類不能な... -
読書日記
H・G・ウェルズ『タイム・マシン【新版】』- 未来へ行ったはずなのに、見えてくるのは人間の古さだった
未来へ行く話のはずなのに、この小説が本当に見せてくるのは、人類のいちばん古くて厄介な癖なのかもしれない。 H・G・ウェルズ『タイム・マシン』を【新版】で読み返して、あらためてそう思った。 タイムトラベルSFの元祖としてあまりにも有名なので... -
読書日記
睦月準也『月下の盤』- 千人の宿泊客から名前しか分からない一人を探せ【読書日記】
『月下の盤』 著者:睦月準也 衝撃度 : (3.5) 技巧性 : (5.0) 論理性 : (4.5) 独創性 : (4.0) この作品を一言でいうと 閉館まで四日の老舗ホテルで、正体不明の人物探しと鉄壁のアリバイ崩しが同時進行する探偵小説。 Amazonで見... -
未分類
島田荘司『切り裂きジャック・百年の孤独[改訂完全版]』- ロンドンの霧とベルリンの壁、その暗い線を追いかける【読書日記】
切り裂きジャックという名前には、ミステリ好きの神経を妙にざわつかせるものがある。 未解決事件、霧のロンドン、ホワイトチャペル、猟奇殺人、新聞報道、都市伝説。そんな単語を並べるだけで、暗い路地裏の入口が開いてしまう。 しかもそこへ島田荘司で... -
短編集
『ウは宇宙船のウ【新訳版】』 レイ・ブラッドベリが夢見る少年に託した、17の時間旅行【読書日記】
「さよならをいうのは嫌いなの」 この一文にピンときたら、もうあなたはブラッドベリの魔法に片足を踏み入れている。 今回読んだのは、東京創元社から刊行された『ウは宇宙船のウ【新訳版】: ブラッドベリ自選傑作集』。 新刊といっても、もとは1962年に出...
