人気記事
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自作ショートショート
【自作ショートショート No.60】『毒殺夫婦』
ある夫婦がいた。 大きな屋敷に、多くのメイド。広い庭園に、ズラッと並ぶ高級車。 まさに裕福そのもの。誰もがうらやむ暮らしぶりだった。 しかしこの夫婦は、お互いに恨み合っていた。 度重なる浮気、軽蔑、無関心。 そんなものが積み重なり、もはや憎し... -
短編集
筒井康隆『ジャックポット』- 言葉が暴走し、死の川辺までたどり着く前衛短編集【読書日記】
小説というものは、ふつう何かを伝えるために言葉を使う。 物語を進める。人物を描く。世界を立ち上げる。まあ、だいたいそういうものだと思っている。 ところが筒井康隆『ジャックポット』を開くと、その前提がいきなり足元から外される。 言葉が意味を運... -
ホラー小説
『もし血が流れれば』- 怖いキングはニュース画面の向こうからやってきて、こちらの視線まで怪物に変えてしまう【読書日記】
スティーヴン・キングには、いくつもの顔がある。 少年たちの友情を書かせれば胸を撃ち抜いてくるし、家族の崩壊を書かせれば胃の奥をつかんでくる。怪物を書いているはずなのに、気づけば人間のどうしようもなさを読まされている。 ホラー作家という肩書... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.50】『生物学者エス博士の発見』
「これが例の魚ですか?」 「えぇ」 エス博士は水槽を漂う魚を眺めつつ、取材に来た科学雑誌の記者に答えた。 「ここにプラスチックゴミを入れると……」 エス博士がプラスチックゴミを水槽に投げ入れる。 たちまち魚が群がり、みるみるうちにゴミは消えてい... -
読書日記
ローラン・ビネ『言語の七番目の機能』- 知の巨人たちが血を流す、史上最も不敬な思想ミステリ【読書日記】
思想家がたくさん出てくる小説と聞くと少し身構えてしまうし、正直あまり自分から進んで読むタイプの本ではない。 しかもロラン・バルトの死が発端で、記号論と大統領選と陰謀が全部つながるとなれば、なおさらである。 ところがローラン・ビネは、その厄... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.49】『ある怪盗の悲劇』
どんな時代、どんな国にも、他人から金や物を盗むことを生業にする、迷惑な泥棒が一定数は存在するものだ。 そんな泥棒の中でも、世界的に価値のある絵画や装飾品などを狙う大泥棒のことを、人々は怪盗と呼ぶ。 この国でも、Kと呼ばれる怪盗が巷を騒がせ... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.58】『音痴』
オリエント大学で教授を務めるエフ氏、彼はその筋では名の知られた言語学の権威である。 しかし学生時代の彼の成績はビリから数えたほうが早く、決して優秀とは言えなかった。 いや、包み隠さず言ってしまえば落ちこぼれだった。 そのため学者として成功し... -
ファンタジー小説
ミヒャエル・エンデ『M.エンデが読んだ本』- エンデの本棚をのぞくと、物語の地下室が見えてくる【エッセイ】
ミヒャエル・エンデの名前を聞くと、まず『モモ』や『はてしない物語』を思い浮かべる人も多いと思う。私もそうだ。 時間泥棒、灰色の男たち、カメのカシオペイア、ファンタージエン、幼な子ごころの君。あの世界の入口は、どれも子ども向けの物語の顔をし... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.12】『コレクター』
人というものは、おうおうにして、何かを集めたくなる生き物のようだ。 小さい頃には、きれいな丸い石やいろいろな形の落ち葉を、誰に言われるでもなく集める子どもが多いし、大人になってからは、お気に入りのアーティストのグッズや、子どもの頃には少し... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.55】『ダイエットサプリ』
「あーあ、また太っちゃったわ」 ポチャ美は昔から食べることが大好きだった。 特に甘い物には目がなく、食後のデザートは欠かせなかったし、それ以外にもおやつに夜食にと隙あらば口が動いていた。その結果がこれ。 いよいよ体重は百キロの大台に乗りそう...
