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短編集
『コロラド・キッド 他二篇』- スティーヴン・キングの「幻の作品」が収録された日本オリジナル中篇集
スティーヴン・キングのデビュー50周年を記念して刊行された『コロラド・キッド 他二篇』は、いわば「読まれずにいたキング」を一気に解き放った作品集だ。 長らく国内では読めなかった「幻」の中篇群をまとめ、日本オリジナルの文庫版としてリリースされ... -
ファンタジー小説
円城塔『土人形と動死体』- ファンタジーの顔をした、世界のOSアンインストール小説【読書日記】
ファンタジーというジャンルには、読んでいるこちらを安心させる約束事がある。 魔法がある。竜がいる。魔王がいる。世界には何らかのルールがあって、主人公たちはそのルールの中で冒険する。剣を抜けば戦いが始まり、呪文を唱えれば魔法が発動する。 よ... -
読書日記
ジョン・アシュトン『奇怪動物百科〔新版〕』- こんな怪物たちが本当にいると思われていました【読書日記】
自分の巨大な片足を頭の上へ持ち上げ、その影で暑さをしのぐ人間がいる。 海には修道士や司教そっくりの魚が泳ぎ、森では満腹になるまで死肉を食べたクズリが、木の隙間に体を押し込んで無理やり排泄し、また食事へ戻っていく。 ジョン・アシュトンの『奇... -
短編集
G・K・チェスタトン『翼ある剣』- 翼を持ったのは剣か、それとも恐怖か【傑作小説エッセイ】
G・K・チェスタトンのブラウン神父ものは、ミステリ好きなら一度は通る道だと思う。 名探偵なのに見た目は地味、武器は推理よりも人生経験、そして何より「逆説」が武器になるという、ちょっと変わったシリーズだ。 その中でも『翼ある剣』は、個人的にか... -
読書日記
マルセル・シュオッブ『黄金仮面の王』- 博識が悪夢の仮面をかぶったら、幻想文学はここまで濃くなる【読書日記】
幻想文学にはときどき、何を食べたらこんなものが書けるんだ?と言いたくなる作家がいる。 マルセル・シュオッブは、まさにそのタイプだ。 歴史、神話、古文書、伝説、犯罪史、終末幻想、海賊、仮面、死体、顔の喪失、奇跡。材料だけ並べると、だいぶ物騒... -
読書日記
内田百閒『ツィゴイネルワイゼン:百閒怪異作品集』- 日常の裂け目から、百閒の怪異が覗いている【読書日記】
サラサーテ本人の演奏を収めた古いSP盤。その途中に、演奏とは別の人の声が混じっている。 雑音なのか、肉声なのか、そもそも誰の声なのか。針が盤面をなぞるたび、生きている者と死んだ者の境目が少しずつ曖昧になっていく。 内田百閒『ツィゴイネルワイ... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.2】 『宇宙人がやってきた』
ボクは半信半疑でX君と丘を登っていた。 前を行くX君はワクワクしているのだろう、いつもよりも余計に浮いている。 時間は夜、見たところ周囲の様子におかしなところは少しもない。 ボクはやはりからかわれているのではないかと思って彼に尋ねた。 「X君... -
短編集
筒井康隆『ジャックポット』- 言葉が暴走し、死の川辺までたどり着く前衛短編集【読書日記】
小説というものは、ふつう何かを伝えるために言葉を使う。 物語を進める。人物を描く。世界を立ち上げる。まあ、だいたいそういうものだと思っている。 ところが筒井康隆『ジャックポット』を開くと、その前提がいきなり足元から外される。 言葉が意味を運... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.62】『悪魔のちから』
街灯ひとつない、夜の路地。 仕事帰りの青年は、とぼとぼと帰路についていた。 彼は一流企業の社員だが、まだ新卒二年めで、毎日、上司にこっぴどく叱られていた。 こんなことなら、車にでも轢かれたい。 そう思って横断歩道をわたっていると、急に角から... -
短編集
『フレドリック・ブラウンSF短編全集2 星ねずみ』- 小さなねずみが宇宙へ飛び、活字機械が世界を書き換える【読書日記】
フレドリック・ブラウンの短編を読むと、毎回脳内に小さな爆竹を投げ込まれたような気分になる。 しかも、その爆竹がやたら精密に作られている。導火線は短い。火花は一瞬。 だが、鳴ったあとに残る煙の形が妙に忘れがたい。本来、短編SFってこういう危な...
