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読書日記
フィリップ・ボクソ『死体は語りだす』- 解剖台のミステリ、あるいは死者の証言【読書日記】
死体が語る、という言い方は、いかにもミステリ向きだと思う。 というか、このタイトルを見た時点で、私の中のミステリ魂はかなり前のめりになった。 死体が語る。法医学医が読み解く死者からのメッセージ。 もうこの時点で、事件現場、密室、偽装自殺、毒... -
短編集
これは、向こう側に触れてしまった人たちの話 -『人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1)』【傑作小説エッセイ】
怪奇と倒錯の短編ばかりを詰め込んだ、江戸川乱歩の「これぞ変格乱歩のフルコース」とも言える一冊がある。 それが、『人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1)』である。 収録されているのは、探偵の推理が光る明智小五郎ものではない。怪奇、倒錯、... -
自作ショートショート
【自作ショートショートNo.68】『歪んだ愛』
大通りに面したオフィスビルの自動ドアが開き、女が現れた。 女はガードレールの切れ間で手を挙げた。タクシーが止まり、女を乗せて走り出す。 間違いない。今日で確実に女を仕留められる。俺は物陰から離れて目的地へ急ぐ。 今回の依頼主は冴えない中年の... -
読書日記
『修道女フィデルマの慧眼』- 中世アイルランドは、こんなにもミステリに向いている【読書日記】
歴史ミステリに手を出すとき、「難しそう」「知識が必要そう」と一歩引いてしまう人もいるかもしれない。 でも、もし最初の一冊で世界観に一気に引き込まれ、「歴史×ミステリってめちゃくちゃ面白いじゃん!」と感動したいなら、この『修道女フィデルマの... -
読書日記
『悪党たちのシチュー』- 腐った政治を、洒落た会話と悪党の手際で煮込んだ危険なご馳走【読書日記】
世の中には、タイトルだけで妙に気になってしまう小説がある。 ロス・トーマス『悪党たちのシチュー』も、まさにそのタイプだ。 悪党。シチュー。もう、ろくでもない匂いしかしない。鍋の中で何が煮えているのか、できれば知りたくない。でも蓋を開けたく... -
読書日記
東直己『探偵は吹雪の果てに〔新版〕』- 吹雪の町で、45歳の探偵が意地を張る【読書日記】
『探偵は吹雪の果てに〔新版〕』 著者:東直己 面白さ : (5.0) 没入感 : (4.0) 読み応え : (4.0) 人間ドラマ: (4.5) この作品を一言でいうと かつて愛した女性から託された一通の手紙を届けるため、45歳の探偵〈俺〉が豪雪の寒村へ単身... -
小説以外の本
『江戸川乱歩語辞典』- 明智小五郎から人間椅子まで、500語で読む江戸川乱歩【エッセイ】
『江戸川乱歩語辞典』 著者:奈落一騎 情報量 : (5.0) 乱歩愛 : (5.0) マニア度 : (4.5.) 読みやすさ: (4.5) この作品を一言でいうと 江戸川乱歩の作品、人物、奇癖、後世への影響まで500余りの言葉から楽しめる異色の文学ガイド。 Ama... -
短編集
忘れられた巨匠? とんでもない! 今こそ読みたい物語の怪物だ – 『死の10パーセント: フレドリック・ブラウン短編傑作選』
フレドリック・ブラウン。 名前は聞いたことがある。でもちゃんと読んだことはない。 そんな人も多いんじゃないだろうか。 昔のSF作家? ミステリも書いていた? そんな印象のままスルーされがちなこの作家は、実はとんでもない物語の魔術師である。 とい... -
読書日記
エミリー・カーペンター『ゴシックタウン』- 親切すぎる町は、なぜこんなにも怖いのか【読書日記】
百ドルで歴史あるヴィクトリア朝の豪邸が手に入る。 しかも、町で商売を始めるなら補助金まで出る。 そんな話は怪しいに決まっているが、人生がうまくいかなくなった直後に届いたら、完全に無視できるだろうか。 エミリー・カーペンター『ゴシックタウン』... -
読書日記
『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』- 怪物映画を観ながら、人間の訳の分からなさを考える【読書日記】
『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』 著者:春日武彦 おすすめ度: (5.0) 面白さ : (4.5) 考察度 : (5.0) ユーモア度: (4.0) この作品を一言でいうと 精神科医・春日武彦が、怪奇映画に登場する怪物人間を手がかりに、人間の狂気や孤...
