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短編集
『フレドリック・ブラウンSF短編全集2 星ねずみ』- 小さなねずみが宇宙へ飛び、活字機械が世界を書き換える【読書日記】
フレドリック・ブラウンの短編を読むと、毎回脳内に小さな爆竹を投げ込まれたような気分になる。 しかも、その爆竹がやたら精密に作られている。導火線は短い。火花は一瞬。 だが、鳴ったあとに残る煙の形が妙に忘れがたい。本来、短編SFってこういう危な... -
読書日記
ニタ・プローズ『メイドの推理とミステリー作家の殺人』- 毒入りのお茶と消えた原稿、そしてメイド主任の名推理【読書日記】
五つ星ホテルの優雅なティールームで、世界的ミステリー作家が重大発表をしようとした瞬間、毒入りのお茶で倒れる。 格式あるホテル、詰めかけたファンと記者たち、秘密を抱えた作家、そして発表されるはずだった言葉の消失。 舞台の照明は、もうほとんど... -
国内ミステリー小説
『紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪』- 紙とフィギュアの蘊蓄が真相を暴き出す
紙の銘柄、厚み、密度など、紙のことなら何でもござれの紙鑑定士・渡部のもとに、新たな依頼が来た。 小学3年生の女の子からの依頼で、「紙粘土の鑑定をしてほしい」というもの。 紙は紙でも、紙粘土はさすがに専門外。 しかし依頼の目的が、 「可愛がって... -
短編集
G・K・チェスタトン『犬のお告げ』- 犬を信じるより先に、疑うべきものがある【傑作小説エッセイ】
チェスタトンの『犬のお告げ』という傑作短編は、ミステリとしての入り口がかなり胡散臭い。 殺人事件が起きて、犬が奇妙な行動を取り、その犬がどうやら「何かを知っているらしい」。 この時点で、ミステリ好きの頭には二つの警報が鳴る。 ひとつは「オカ... -
海外ミステリー小説
『フェアリー・テイル』- ハッピーエンドに向けた、キング50周年の風変わりな贈り物
スティーヴン・キングが50周年の節目に書いたのが、『フェアリー・テイル』だという事実を、まずどう受け止めればいいのか。 ずっとキングのホラーを読んできた身としては、タイトルからして信じられない。 フェアリー・テイル? おとぎ話? あの『ペット... -
短編集
パトリシア・ハイスミス『かたつむり観察者』- かたつむりを愛しすぎた男の書斎で何かが狂い始める【傑作小説エッセイ】
『11の物語』収録「かたつむり観察者」 著者:パトリシア・ハイスミス 衝撃度 : (4.0) 狂気度 : (5.0) 不条理度 : (5.0) 短編完成度: (5.0) この作品を一言でいうと カタツムリへの偏愛が、理性的な男の生活をゆっくり侵食していく不条... -
読書日記
ダニエル・クラウス『クジラに落ちた男』- クジラの胃の中、酸素はあと1時間【読書日記】
『クジラに落ちた男』 著者:ダニエル・クラウス 衝撃度 : (4.0) 緊迫感 : (5.0) 没入度 : (5.0) 読み応え : (4.5) この作品を一言でいうと 深海へ潜った17歳の少年がクジラに呑まれ、残り約1時間の酸素で脱出を試みる海洋サバイバ... -
海外ミステリー小説
サイモン・ベケット『出口のない農場』- 逃げ込んだ先はもっと危険な場所だった【エッセイ】
『出口のない農場』 著者:サイモン・ベケット 衝撃度 : (4.0) 緊迫度 : (5.0) スリル : (4.5) 独創性 : (4.0) この作品を一言でいうと 逃亡中の青年と閉ざされた家族、それぞれの秘密が南仏の農場で重なっていく心理スリラー。 A... -
読書日記
マルセル・シュオッブ『黄金仮面の王』- 博識が悪夢の仮面をかぶったら、幻想文学はここまで濃くなる【読書日記】
幻想文学にはときどき、何を食べたらこんなものが書けるんだ?と言いたくなる作家がいる。 マルセル・シュオッブは、まさにそのタイプだ。 歴史、神話、古文書、伝説、犯罪史、終末幻想、海賊、仮面、死体、顔の喪失、奇跡。材料だけ並べると、だいぶ物騒... -
読書日記
ジョン・アシュトン『奇怪動物百科〔新版〕』- こんな怪物たちが本当にいると思われていました【読書日記】
自分の巨大な片足を頭の上へ持ち上げ、その影で暑さをしのぐ人間がいる。 海には修道士や司教そっくりの魚が泳ぎ、森では満腹になるまで死肉を食べたクズリが、木の隙間に体を押し込んで無理やり排泄し、また食事へ戻っていく。 ジョン・アシュトンの『奇...
