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ホラー小説
『もし血が流れれば』- 怖いキングはニュース画面の向こうからやってきて、こちらの視線まで怪物に変えてしまう【読書日記】
スティーヴン・キングには、いくつもの顔がある。 少年たちの友情を書かせれば胸を撃ち抜いてくるし、家族の崩壊を書かせれば胃の奥をつかんでくる。怪物を書いているはずなのに、気づけば人間のどうしようもなさを読まされている。 ホラー作家という肩書... -
短編集
G・K・チェスタトン『翼ある剣』- 翼を持ったのは剣か、それとも恐怖か【傑作小説エッセイ】
G・K・チェスタトンのブラウン神父ものは、ミステリ好きなら一度は通る道だと思う。 名探偵なのに見た目は地味、武器は推理よりも人生経験、そして何より「逆説」が武器になるという、ちょっと変わったシリーズだ。 その中でも『翼ある剣』は、個人的にか... -
ファンタジー小説
円城塔『土人形と動死体』- ファンタジーの顔をした、世界のOSアンインストール小説【読書日記】
ファンタジーというジャンルには、読んでいるこちらを安心させる約束事がある。 魔法がある。竜がいる。魔王がいる。世界には何らかのルールがあって、主人公たちはそのルールの中で冒険する。剣を抜けば戦いが始まり、呪文を唱えれば魔法が発動する。 よ... -
短編集
筒井康隆『ジャックポット』- 言葉が暴走し、死の川辺までたどり着く前衛短編集【読書日記】
小説というものは、ふつう何かを伝えるために言葉を使う。 物語を進める。人物を描く。世界を立ち上げる。まあ、だいたいそういうものだと思っている。 ところが筒井康隆『ジャックポット』を開くと、その前提がいきなり足元から外される。 言葉が意味を運... -
読書日記
ウンベルト・エーコ『プラハの墓地』- 嘘は、真実より長く生きる【エッセイ】
『プラハの墓地』 著者:ウンベルト・エーコ 面白さ : (4.0) 没入度 : (4.5) 重厚感 : (5.0) 読みやすさ: (3.0) この作品を一言でいうと 希代の偽造家を通して、陰謀論と偽書が歴史を動かしていく過程を描く重厚な歴史長編。 Amazon... -
読書日記
ローラン・ビネ『遠近法』- 殺された画家、消えた絵、176通の手紙【読書日記】
『遠近法』 著者:ローラン・ビネ 衝撃度 : (3.0) 緊張感 : (4.0) 独創性 : (4.5) 読み応え : (4.5) この作品を一言でいうと 1557年フィレンツェを舞台に、画家ポントルモの死と消えた絵の謎を176通の手紙だけで追う歴史長編。 Amaz... -
ファンタジー小説
ミヒャエル・エンデ『M.エンデが読んだ本』- エンデの本棚をのぞくと、物語の地下室が見えてくる【エッセイ】
ミヒャエル・エンデの名前を聞くと、まず『モモ』や『はてしない物語』を思い浮かべる人も多いと思う。私もそうだ。 時間泥棒、灰色の男たち、カメのカシオペイア、ファンタージエン、幼な子ごころの君。あの世界の入口は、どれも子ども向けの物語の顔をし... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.2】 『宇宙人がやってきた』
ボクは半信半疑でX君と丘を登っていた。 前を行くX君はワクワクしているのだろう、いつもよりも余計に浮いている。 時間は夜、見たところ周囲の様子におかしなところは少しもない。 ボクはやはりからかわれているのではないかと思って彼に尋ねた。 「X君... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.62】『悪魔のちから』
街灯ひとつない、夜の路地。 仕事帰りの青年は、とぼとぼと帰路についていた。 彼は一流企業の社員だが、まだ新卒二年めで、毎日、上司にこっぴどく叱られていた。 こんなことなら、車にでも轢かれたい。 そう思って横断歩道をわたっていると、急に角から... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.58】『音痴』
オリエント大学で教授を務めるエフ氏、彼はその筋では名の知られた言語学の権威である。 しかし学生時代の彼の成績はビリから数えたほうが早く、決して優秀とは言えなかった。 いや、包み隠さず言ってしまえば落ちこぼれだった。 そのため学者として成功し...
