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読書日記
『死と奇術師』『空に浮かぶ密室』- トム・ミードが蘇らせた「謎解きの遊園地」【読書日記】
「懐かしいだけじゃ、ここまでは書けない」 これが、トム・ミードの『死と奇術師』『空に浮かぶ密室』を読んだ私の最初の感想だった。 世の中には「黄金期ミステリ風」や「オマージュ系」と称される作品が山ほどある。だが、その多くは雰囲気に寄りかかっ... -
読書日記
真門浩平『終着駅で待ち合わせ』- 日常の違和感が思いもよらない場所へ連れていく【読書日記】
『終着駅で待ち合わせ』 著者:真門浩平 衝撃度 : (4.0) 技巧性 : (4.5) 論理性 : (5.0) 意外性 : (4.5) この作品を一言でいうと 日常の小さな違和感から、人の心まで解き明かしていく本格ミステリ短編集。 Amazonで見てみる 急行... -
自作ショートショート
【自作ショートショートNo.72】『娯楽依存症』
あるところにとても平和な国があった。 この国は働かなくても暮らしていくことができるくらい豊かだったので、国民たちはみんな毎日を楽しく遊んで暮らしていた。 子供はもちろんのこと、若者も老人もみんな仕事をしていないので、時間だけはたっぷりある... -
国内ミステリー小説
高田崇史『QED 恵比寿の漂流』- 対馬で連続殺人事件発生!川に海に流れてくる首無し死体の謎とは!?
長崎県対馬、浜に乗り上げた小舟で、首無し死体が発見された。 舟の中で死体は、首からどす血を大量に流し、半ば浸かるように仰向けに横たわっていた。 通報を受けた警察署の雁谷巡査長は、現場に赴き、開口一番に叫んだ。 「またかい」 雁谷が叫ぶのも、... -
海外ミステリー小説
アンソニー・ホロヴィッツ『殺しへのライン』- 奇妙な殺人事件を追う作家と探偵の痛快ミステリー
作家のホロヴィッツは探偵のホーソーンと一緒に文芸フェスに参加するため、オルダニー島を訪れた。 ところが島では開発事業を巡って住民たちの争いが起こっていた上、フェスの参加者たちもどことなく不穏な様子だった。 嫌な予感がする中、案の定パーティ... -
読書日記
『ハウスメイド3 最後の秘密』- 家族を守るために、人はどこまで怪物になれるのか【読書日記】
念願のマイホームを手に入れたはずなのに、なぜか隣家の窓が気になって仕方がない。 庭先で交わされる笑顔には妙な含みがあり、近所の人間は夫の行動をやけに詳しく知っている。子どもたちの様子も少しずつ変わり、夜の家からは説明のつかない物音まで聞こ... -
読書日記
結城真一郎『少年ABCの完璧な選択』- 15年前の完全犯罪が、家族を持った彼らを追い詰める【読書日記】
『少年ABCの完璧な選択』 著者:結城真一郎 衝撃度 : (3.0) 面白さ : (5.0) 意外性 : (4.0) 読みやすさ: (5.0) この作品を一言でいうと 友情で成立した完全犯罪が、15年後の家族と人生によって崩れ始める青春犯罪長編。 Amazonで見て... -
読書日記
平山夢明『俺が公園でペリカンにした話』- 笑えるのに地獄、地獄なのに読める【読書日記】
平山夢明という人は、正直ホラーとかバイオレンスとか、そういう棚に雑に押し込むと怒られそうな作家だ。 というか、棚ごと蹴り倒してくる。社会の端っこ、倫理の縁、身体感覚のギリギリ。そこに転がっている見ないことにされがちなものを、真正面から掴ん... -
国内ミステリー小説
相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』- 犯人をあざと可愛く追い詰める美少女探偵シリーズ第三弾
15歳の少年・夏木蒼汰は憔悴していた。 ある目的のために友人の別荘に忍び込んだところを、その母親に見つかって揉み合いになり、気が付けば彼女が腹部から血を流して死んでいたのだ。 そして自分の右手には、血まみれの包丁が……。 友人になんと言えばいい... -
読書日記
北沢陶『花檻の園』- 見惚れた瞬間にもう逃げられない、美しさという檻の物語【読書日記】
北沢陶(きたざわ とう)という作家は、出てきたときからずっと気になる存在だった。 デビュー作『をんごく』で横溝正史ミステリ&ホラー大賞の三冠を達成、という時点でかなり強いのだが、実際に読んでみると、話題性だけではまったくなかったことがよく...
