人気記事
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読書日記
クリストフェル・カールソン『暗殺の冬』- 冷えた森の奥で、過去はまだ終わっていない【読書日記】
北欧ミステリという言葉を聞くと、私はどうしても寒そうな風景を思い浮かべてしまう。 雪、森、湖、薄い光、どこか遠くで鳴る電話。 まあ、実際にはそれだけで北欧ミステリを語るのは乱暴なのだが、それでも『暗殺の冬』を読んでいるあいだ、頭の中にはず... -
読書日記
『交番相談員 百目鬼巴』- そのおばさん、尋常じゃない。『教場』の著者が描く新たな警察ミステリ【読書日記】
長岡弘樹(ながおか ひろき)という作家の名前を聞くと、まず思い出すのはやっぱり『教場』だ。 あの、警察学校を舞台にした緊張感たっぷりの物語は、多くの読者の心に残っているはず。そんな彼が次に選んだ舞台が「交番」だなんて驚きだ。 『交番相談員 ... -
短編集
アーサー・マッケン 『恐怖』- 推理でもホラーでも終わらない戦慄の文学を、今あらためて【エッセイ】
アーサー・マッケン。 名前を聞いてピンとくる人はそれなりに怪奇文学が好きなタイプだと思う。 彼の作品は、H・P・ラヴクラフトやスティーヴン・キングにも多大な影響を与えたと言われている。 でも、ラヴクラフトやキングほど広く名が知られているわけで... -
読書日記
北沢陶『花檻の園』- 見惚れた瞬間にもう逃げられない、美しさという檻の物語【読書日記】
北沢陶(きたざわ とう)という作家は、出てきたときからずっと気になる存在だった。 デビュー作『をんごく』で横溝正史ミステリ&ホラー大賞の三冠を達成、という時点でかなり強いのだが、実際に読んでみると、話題性だけではまったくなかったことがよく... -
海外ミステリー小説
アビール・ムカジー『阿片窟の死』- 暴動寸前のカルカッタで繰り返される猟奇的殺人事件
1921年12月、英国支配下にあるカルカッタで連続殺人事件が発生した。 まず最初に中国人風の男が、両目を抉られ、腹を刺されて死んだ。 次にインド人の看護婦が、同じように両目玉を抉られ、胸の二ヶ所を刺されて死亡。 さらにイギリス人の科学者が死亡。や... -
国内ミステリー小説
犬飼ねこそぎ『密室は御手の中』- 宗教施設で起きた密室殺人の謎に迫る
人里離れた山奥に、弱体化した新興宗教「こころの宇宙」の施設・心在院があった。 そこからさらに山を登ると瞑想室である掌室堂が存在するのだが、そこは昔修験者が消失したという逸話の残る場所でもあった―。 ある日探偵である安威和音は、取材と偽り「こ... -
青春小説
辻村深月『この夏の星を見る』- コロナ禍ゆえの苦悩と新たな青春の形を描いた感動作
2020年、新型コロナウイルス感染症が流行し、全国の中学生・高校生たちの日常は、大きく変わった。 茨城県の高校2年生の亜紗は、天文部の合宿を楽しみにしていたが、コロナ禍におけるイベント制限により中止になり落胆する。 東京都の中学1年生の真宙は、... -
読書日記
芦沢央『あなたが正しくいられたとき』- いいことをしているつもりの怖さについて【読書日記】
芦沢央は、人が善意の顔をしたまま誰かを傷つけてしまう瞬間を、ミステリの仕掛けで鮮やかに見せてくる。 どこかで視界がひっくり返されるかもしれない。信じていた人物の印象が変わるかもしれない。何気なく読んでいた場面が、あとから別の意味を持って迫... -
読書日記
阿津川辰海 『デッドマンズ・チェア』- コトダマ犯罪捜査がたどり着いた、異能力本格ミステリの次なる地平【読書日記】
異能力と本格ミステリは、相性が悪そうで、実はめちゃくちゃ相性がいい。 なぜなら、本格ミステリとはそもそも「何ができて、何ができないのか」を見極めるジャンルだからだ。 密室なら、出入りできたのか。アリバイなら、その時間に移動できたのか。毒殺... -
読書日記
加門七海『裂神』- 神とは救いか、それとも祓われた厄の成れの果てか【読書日記】
人というのは、都合の悪いものを外へ追いやるのがうまい生き物だ。 穢れ、厄、災い、祟り。 名前をつけ、祓い、流し、境界の外へ出す。そうすれば、こちら側は清められた気になれる。 めでたしめでたし。……で済めばいいのだが、加門七海のホラーは、そこで...
