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読書日記
くわがきあゆ『先生と罪』- 学校という聖域に、いちばん嫌な種類の罪が棲んでいる【読書日記】
「助けて、あおられてる」 この一言から始まる時点で、もう空気が最悪である。最高に嫌な入口だ。 嫌なのに、気になる。気になるのに、できれば関わりたくない。なのにページの向こうから、こちらの袖をぐいっと引っ張ってくる。 この引力が、くわがきあゆ... -
国内ミステリー小説
『真珠郎』- 戦前の雑誌から飛び出した、横溝怪奇ミステリの原点
横溝正史(よこみぞ せいし)といえば「金田一耕助シリーズ」のイメージが強い人が多いと思う。 でも実は、その前段階で横溝の作風を決定づけた原点がある。 それが『真珠郎』だ。 1936年に雑誌『新青年』で連載され、翌年には単行本化されたんだけど、こ... -
読書日記
矢野アロウ『マイボディ・オン・ザ・ムーン』- 月の裏側に置かれた首なし死体から、人類の未来まで吹き飛んでいく巨大SF【読書日記】
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『三体』に比肩する面白さの日本SFが刊行されると言ったら、信じてもらえますか? こんなキャッチコピーを見て、読まずにいられようか。 いや、無理である。少なくとも私は無理だった。 『プロジェクト・ヘイル・メア... -
国内ミステリー小説
稲羽白菟『オルレアンの魔女』- 映画祭の町にセレブが集うとき、連続殺人の幕が上がる
ソプラノ歌手の天羽七音美は、新作オペラ『オルレアンの聖女』の主役に選ばれた。 「黒髪のジャンヌ・ダルク役」として大抜擢されたのである。 プロモーションのために、フランスのカンヌへと向かう七音美。 しかしそこで恐ろしい事件に巻き込まれてしまう... -
読書日記
『犯人はキミが好きなひと』- 好きになった相手が犯人かもしれない、という最悪で最高の設定【読書日記】
阿津川辰海の新作を読むたび、この人はほんとうに「本格ミステリの気持ちいいところ」と「本格ミステリの嫌なところ」を両方知っている作家さんだな、と思う。 論理がきれいに決まる快感も知っているし、真相にたどり着くことが誰かを傷つける残酷さもよく... -
読書日記
『恐怖の民俗学』- 恐怖を飼い慣らした人間は、どこでまた怪異に出会うのか【読書日記】
『恐怖の民俗学』 著者:島村恭則 恐怖度 : (4.0) 面白さ : (4.5) 考察度 : (4.5) 読みやすさ: (4.0) この作品を一言でいうと 妖怪や幽霊、都市伝説まで、人間がなぜ恐怖を生み、語り、飼い慣らしてきたのかを民俗学から読み解く恐怖... -
読書日記
三日市零『鬼葛島の殺人』- 鬼の伝承と宝探し、その先で始まる本気の孤島ミステリ【読書日記】
『鬼葛島の殺人』 著者:三日市零 おすすめ度: (4.5) 読みやすさ: (4.5) ストーリー: (3.0) おもしろさ: (4.0) この作品を一言でいうと 無人島の宝探しと鬼伝説の見立て殺人を、リアル謎解きと本格推理でつないだ孤島ミステリ。 Amazonで見て... -
短編集
アーサー・マッケン 『恐怖』- 推理でもホラーでも終わらない戦慄の文学を、今あらためて【エッセイ】
アーサー・マッケン。 名前を聞いてピンとくる人はそれなりに怪奇文学が好きなタイプだと思う。 彼の作品は、H・P・ラヴクラフトやスティーヴン・キングにも多大な影響を与えたと言われている。 でも、ラヴクラフトやキングほど広く名が知られているわけで... -
国内ミステリー小説
矢庭優日『エゴに捧げるトリック』- 本書に仕掛けられた人類の存亡を左右するトリックとは?
2105年現在、Extraordinary Ghost Octopus – 通称「EGO」と呼ばれる怪物達に世界を支配され、人類は危機に瀕している。 そんな時代の中、「エスペリオン」と呼ばれる催眠術師の養成校に、「僕」こと、吾妻福太郎という一人の転校生がやってきた。 福太郎が... -
国内ミステリー小説
木魚庵『金田一耕助の間取り』- 間取り図を広げた瞬間、金田一耕助の事件現場が立ち上がる【読書日記】
金田一耕助の事件現場を、まさか間取り図つきで歩き直す日が来るとは思わなかった!(歓喜) 血族の因縁、戦後昭和の湿った空気、湖畔の大邸宅、山間の旧家、孤島の寺、妙に広い廊下、何かが隠れていそうな納戸。 人が死ぬ前から、もう屋敷が何かを企んで...
