人気記事
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国内ミステリー小説
芦辺拓『乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび』- 幻の未完作品が90年の時を経てついに完結!
作家の「私」が売りつけられた2冊の犯罪記録。 心霊マニアの祖父江という人物が書いたものらしい。 そこには、祖父江の仲間である美しき未亡人・姉崎曽恵子の奇怪な死について記されていた。 姉崎未亡人の遺体は、鍵のかかった土蔵に全裸で横たわっていた... -
その他小説
『短くて恐ろしいフィルの時代』- 国民が6人しかいない小国をめぐる奇想天外な物語
あまりにも小さすぎる国・内ホーナー国と、周辺を取り囲む国・外ホーナー国には、様々な住人が暮らしている。 両国の中でも内ホーナー国にはわずか6人しか住んでおらず、その領土は「国民が1人しか入れないほどの広さ」だという。 自国の領土に入れない残... -
読書日記
『ポルターガイストの囚人』- それって本当に幽霊のしわざ? 傑作『深淵のテレパス』に続くシリーズ第二弾【読書日記】
襖(ふすま)が勝手に開く。電気が消える。落下する遺影。壁の向こうから、誰もいないはずの足音が響く。 けれど本当に怖いのは、そんな現象じゃない。この家にいるのは、もしかすると私自身なのかもしれない。 上條一輝の『ポルターガイストの囚人』は、... -
国内ミステリー小説
野島夕照『片翼のイカロス』- 上空500mでヘリと人間が衝突。奇々怪々な謎に迫るどんでん返しミステリ
ミステリ界に新たな才能が登場しました。野島夕照氏です。同氏は、島田荘司氏が選考を務める第16回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞において、本作『片翼のイカロス』で見事優秀作を受賞し、華々しいデビューを飾りました。 この賞は、本格ミステリの書... -
海外ミステリー小説
『チェスナットマン』-手首のない死体の側には、栗の人形(チェスナットマン)が残されていた
1989年10月31日、斧を使った一家惨殺事件の発生から、物語は幕を開ける。 凄惨な事件から長い年月が経ち、コペンハーゲン警察重大犯罪課の女性刑事である主人公のナヤ・トゥリーンは、パートナーのマーク・ヘスとともに、若いシングルマザーを狙った連続殺... -
読書日記
『マーブル館殺人事件』- ホロヴィッツがまたやってくれた!探偵小説を素材に作られた、最高の犯人当てミステリ【読書日記】
アンソニー・ホロヴィッツの名前を見るたびに、毎回うれしいため息が出る。 どうせまた面倒くさい仕掛けを仕込んできてるに違いない、と思いつつ、それでもページを開かずにはいられない。そして案の定、今回もとんでもないものを読まされてしまった。 『... -
読書日記
『正しい世界の壊しかた:最果ての果ての殺人』- ルールごとひっくり返す!特殊設定ミステリの快楽、ここに極まれり【読書日記】
彩藤アザミ。 この名前を聞いて、「誰だろう?」って首をかしげる人もいれば、「ああ、あのホラーとミステリ混ぜるのうまい人ね」ってすぐ反応する人もいるはず。自分は完全に後者だし、しかもけっこう前から追っかけている。 で、今回の新作『正しい世界... -
読書日記
藍上央理『完璧な家族の作り方』- 読むだけで怪異の共犯者になる。モキュメンタリー形式が仕掛ける罠【読書日記】
最初の数ページで、もう変な汗が出る。 本の冒頭に出てくるのは、角川ホラー文庫編集部に届いた一通の原稿と、一枚の不気味な家族写真だ。 これがただのフィクションじゃなくて、読者が手に取るこの本そのものが物語の一部だと宣言してくる。要するに「こ... -
海外ミステリー小説
誰でもハマる『ワシントン・ポー』シリーズの魅力と闇 – これが現代英国ミステリの沼です。
いまイギリスのミステリ界は豊作と言われているが、その中でもひときわ存在感を放っているのがM・W・クレイヴンの【ワシントン・ポー】シリーズだ。 デビュー作『ストーンサークルの殺人』でいきなり英国推理作家協会賞の最高峰・ゴールド・ダガー賞を獲得... -
ホラー小説
尾八原ジュージ『みんなこわい話が大すき』- 押し入れに潜んでいたのは友達?怪異?それとも……
小学4年生のひかりは、両親の離婚後に母親と市営住宅に引っ越し、転校した。 新しい小学校ではクラスに馴染めず、机をひっくり返されたり、ロッカーの中身をぶちまけられたりと、いじめられてしまう。 母親はかばってくれず、むしろ周囲と仲良くできないこ...










