人気記事
-
『真っ白な嘘』-新訳版が登場!『後ろを見るな』だけは、必ず最後にお読みください。
ショートショートの名手であるフレドリック・ブラウンにより書かれ1962年に出版された短編集。 江戸川乱歩が編集したアンソロジー「世界推理短編傑作集」にも選出された「危ないやつら」など、確かな読み応えの短編ミステリが18篇収録されています。 「笑... -
東川篤哉『仕掛島』- 孤島の館で繰り広げられる、抱腹絶倒のユーモアミステリー
弁護士の沙耶香は、瀬戸内海に浮かぶ孤島・斜島にやって来た。 ここには西大寺家の別荘『御影荘』があり、沙耶香は当主の遺言状を親族たちの前で読み上げる大役を任されていたのだ。 親族の一人を捜していた探偵の小早川も、同席した。 しかし遺言状を読み... -
井上 真偽『アリアドネの声』三重苦の女性を危険エリアからドローンで誘導する超高難度の救出劇
ハルオは少年時代、兄を助けることができなかった。 兄の向かった岩場がなんだか怖くて離れている間に、兄は海に落ちて死んでしまったのだ。 兄はきっと助けを求め、ハルオを何度も呼んだはずだった。 もう少し勇気を出して近くにいれば、声に気付き、状況... -
南海遊『永劫館超連続殺人事件』- 繰り返される悲劇を止めるため、魔女と幾度も死に戻る
山奥に佇む永劫館。 没落貴族ブラッドベリ家の長男であるヒースクリフは、3年ぶりにこの館に戻って来た。 ところが嵐による土砂崩れで、町と永劫館とを繋ぐ道が塞がれてしまう。 館に取り残されるヒースクリフと最愛の妹コーデリア、牧師や使用人たち、そ... -
『ブラウン神父の童心』-「見えない男」「折れた剣」は必読だと思うのです。
大泥棒とそれを追う警察官とブラウン神父を描く、ブラウン神父初登場作「青い十字架」。 多彩なトリックが使われており、現代でも影響されたミステリー小説が多い「見えない男」。 その他「秘密の庭」、「奇妙な足音」、「飛ぶ星」、「見えない男」、「イ... -
岡崎琢磨『鏡の国』- 亡き大作家の遺作には、削除された裏エピソードがあった
2年前に亡くなった有名ミステリー作家の室見響子が、デビュー前に執筆したという「鏡の国」。 原稿や著作権を相続した姪の桜庭怜は、この作品を響子の遺作として発表することにした。 出版準備が着々と進む中、怜は響子の担当編者をしていた勅使河原に呼び... -
森晶麿『切断島の殺戮理論』- 隠蔽された異形の島で、狂気の殺戮が始まる
大学四年生の岩井戸は、学業にも就職活動にもさほど情熱を注いでこなかった。 しかし文化人類学の植原カノン教授に一目惚れしてからは、彼女の講義を最前列で受け、レポートも熱に浮かされたかのように一気に書き上げた。 そのレポートが植原の目に留まり... -
麻耶雄嵩『化石少女と七つの冒険』- 古生物部の探偵二人とワトソン役の従僕が巻き起こす学園ミステリー
古生物が大好きで、ヒマさえあれば化石のクリーニングをしている化石少女・神舞(かんぶ)まりあは焦っていた。 まりあが部長を務める古生物部に、新入部員が一人も来ないのだ。 新入部員どころか、部員そのものがたった2名しかおらず、まりあと、お目付け... -
澤村伊智『怪談小説という名の小説怪談』- 怖いのに読むのをやめられない震恐のホラー短編集
8月14日の深夜、僕は複数の知り合いを乗せて、高速道路を運転していた。 途中、食事のためにサービスエリアに立ち寄った時、同乗者の一人が急に「思い浮かんだ」と言って、女性の絵を描いた。 左右の目がありえない方向を向いて笑っている不気味な女性の顔... -
彩藤アザミ『不村家奇譚』- 唯一無二の筆致で描く、戦慄のホラーミステリー
東北の山奥に潜む古い家である不村家は、昭和から現代、未来永劫と血脈に囚われ続ける一族である。 不村家では人智を超える能力を持つ子が生まれることがあり、彼らはときに不村一族繁栄の兆しとされていた。 しかしその裏では、健常な人を憎む「あわこさ...