新着記事
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海外ミステリー小説
『爬虫類館の殺人【新訳版】』- ジョン・ディクスン・カーが目張りの密室で本気を出すとこうなる【読書エッセイ】
ジョン・ディクスン・カーを読んでいると、たまに笑ってしまうことがある。 別に変な意味ではない。むしろ逆で、そこまで本気で不可能犯罪をやるのか、と妙にうれしくなってしまうのである。 密室だの消失だの、黄金時代ミステリにはいろいろな名物がある... -
読書日記
山白朝子『スコッパーの女』- 創作という名の呪い、あるいは発掘という名の加害、あるいは小説家という名の怪異について【読書日記】
山白朝子の新作が読める。その事実だけでうれしいはずなのに、同時に少し怖くもなる。 しかも今回は『スコッパーの女』である。題名だけでもう、何か掘り返してはいけないものを掘り返しそうな気配が濃い。 そして実際そうだった。かなり怖い。だが、本作... -
読書日記
蒼井碧『永久凍土の密室 マンモス殺人事件』- マンモスという大ネタを、論理で最後まで貫くという贅沢【読書日記】
蒼井碧『永久凍土の密室 マンモス殺人事件』。 この題名はずるいと思った。 マンモス殺人事件、である。こんなもの素通りできるわけがない。 しかも舞台は永久凍土、そして密室。巨大な絶滅動物、閉ざされた空間、時をまたぐ物語。 字面の段階でもうかな... -
読書日記
『犯人はキミが好きなひと』- 好きになった相手が犯人かもしれない、という最悪で最高の設定【読書日記】
阿津川辰海の新作を読むたび、この人はほんとうに「本格ミステリの気持ちいいところ」と「本格ミステリの嫌なところ」を両方知っている作家さんだな、と思う。 論理がきれいに決まる快感も知っているし、真相にたどり着くことが誰かを傷つける残酷さもよく... -
読書日記
『ホロボの神 泡坂妻夫拾遺集』- デビュー50周年の祝祭。泡坂妻夫のからくりは、いまも回り続けている【読書日記】
泡坂妻夫氏デビュー50周年記念刊行として、『ホロボの神 泡坂妻夫拾遺集』が出た。これはもう嬉しいとしか言いようがない! しかもただの記念本ではない。単行本には入っていても文庫化の機会を逃していた作品や、いわば幻に近いバージョンまで拾い上げた... -
読書日記
島田荘司『改訂完全版 奇想、天を動かす』- 傑作再び。十二円の怒りが、やがて天を動かすまで【読書日記】
島田荘司『改訂完全版 奇想、天を動かす』が3月に出たので、これは改めて読まねばと思って手に取った。 もともと強く印象に残っていた作品ではあったのだが、読み返してみると、やはりかなり変わった小説である。 何が変わっているのかといえば、使ってい... -
読書日記
南海遊『檻神館双極子殺人事件』- 館も暗号も双子も密室も盛りだくさんなのに崩れない、最も過激な館ミステリ【読書日記】
本格ミステリを読んでいていちばん楽しい瞬間のひとつは、「そんな無茶な設定を本当に論理で着地できるのか」と半信半疑で見ていたものが、最後には妙にきれいな形で収まってしまうときである。 奇抜なのに筋が通っている。過剰なのに崩れない。私はあの感... -
国内ミステリー小説
三津田信三『刀城言耶シリーズ』解説|読む順番や魅力などを語りたい
三津田信三(みつだ しんぞう)の刀城言耶(とうじょうげんや)シリーズは、本格ミステリが好きな人ほど、一度は特別扱いしたくなるシリーズである。 因習に縛られた村、得体の知れない怪異、ひどく不穏な伝承、そしてそこで起きる凄惨な事件。いかにもホ... -
読書日記
北沢陶『花檻の園』- 見惚れた瞬間にもう逃げられない、美しさという檻の物語【読書日記】
北沢陶(きたざわ とう)という作家は、出てきたときからずっと気になる存在だった。 デビュー作『をんごく』で横溝正史ミステリ&ホラー大賞の三冠を達成、という時点でかなり強いのだが、実際に読んでみると、話題性だけではまったくなかったことがよく... -
海外ミステリー小説
2026年3月に読んでに特に面白かった本17冊 – 飛鳥部勝則『封鎖館の魔』ほか
2026年3月に読んだ本の中から、特にこれは面白い!と思った17冊の記録である。 他の月はこちら 2026年2月に読んで特に面白かった本23冊 – 飴村行『粘膜大戦』ほか 2025年11月に読んで特に面白かった本16冊 – 小川哲『火星の女王』ほか 2026年2月に読んで特...
