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自作ショートショート
【自作ショートショート No.52】『身代わりロボット』
ある国でロボットの研究をしているこの博士には、特別苦手なことがある。 それは、他人とコミュニケーションをとること。 彼は、人と面と向かって話すのが昔から大の苦手だったのだ。 そんな博士には、大きな困りごとがあった。 それは、研究資金の援助を... -
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【自作ショートショート No.48】『空飛ぶ泥棒』
ドロンは金に困っていた。 情けないことに明日の食事にも事欠く有様で、今朝から何も食べていない。 「ちくしょー、腹減ったな」 ぐぅっと大きな音を立てる腹をさすりながら、ドロンはそっと辺りを伺う。 「今夜はどの家を狙おうか」 そう、彼の職業は泥棒... -
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【ショートショート No.8】『万能殺虫剤噴霧装置』
「……F博士! ようやく……ようやく完成しましたね!」 計らずも僕の口から溢れ出た歓喜の雄叫びは、上擦ってしまった。 長年に渡る試行錯誤。心が折れかけたことだって、一度や二度ではない。 そんな悠久にも思えた終わりの見えない研究に、ついに終止符が... -
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【自作ショートショート No.57】『魔法のスパイス』
魔法のスパイスなる発明品が発売された。 魔法を名乗るだけあり、その効能はすごい。 例えどんなに不味い料理であっても、魔法のスパイスをかけるとあら不思議。 なんと三ツ星シェフも驚きの絶品料理に変わってしまうのだ。 当初は広告も特になく、ひっそ... -
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【自作ショートショート No.34】『第一回宇宙対抗大食い選手権』
デイブは地球人代表として、スピカ星にやってきた。 代表者に選ばれたのは他に9人、みんな彼と同じ巨漢の持ち主だ。 それもそのはず、彼らはこの星で開催される大食い大会に出場するため、はるばる地球からやってきたのだから。 事の始まりは一か月前のこ... -
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【自作ショートショート No.43】『理想の惑星』
「艦長、そろそろ目的の惑星に到着します」 「うむ。事前調査では、特に危険はなさそうだったが、何があるか分からない。無事に着陸するまで、気を抜かないでくれたまえ」 「了解!着陸準備に入ります!」 一隻の宇宙船のコクピットでは、若い操縦士とあご... -
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【自作ショートショート No.46】『ロボット介護士』
高齢化が進む時代。 若者が減った代わりに増えたものがある。 それはロボットだ。 ロボットはさまざまな分野で活躍するようになり、人類を労働から開放した。 それは介護士業界でも同じことが言えた。 介護士業界の仕事は、すべてロボットが担うようになっ... -
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【自作ショートショート No.14】『誘拐』
犯罪に美学や切実な事情があるなどというのは、小説や映画の世界の話に過ぎない。 いや、それは過言かもしれないが、現実に起こる犯罪の九分九厘はどうしようもない所以によって引き起こされたものだ。 この場合の犯罪というのは、不注意やそれと知らずに... -
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【自作ショートショート No.4】『患者』
この病院では、毎日患者ひとりひとりとの面談が行われている。 私は多くの患者を担当しているので、面談の数も多い。 その内容は人によって違うが、患者たちは皆誰もが特徴的であった。 「では、どうぞ」 私が声をかけると、最初の患者がやってきた。 「お... -
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【自作ショートショート No.6】『セケルの加護』
由美は涙をこらえて夜道を急いだ。 団内オーディションの帰りだった。 悔しくて仕方なかった。なぜ私ではなく瑞希が主役に選ばれたのだろう、と。 由美は、顔もスタイルも演技力も瑞希より自分の方が上だと思っていた。それだけに今日はプライドをひどく傷...










