人気記事
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国内ミステリー小説
矢庭優日『エゴに捧げるトリック』- 本書に仕掛けられた人類の存亡を左右するトリックとは?
2105年現在、Extraordinary Ghost Octopus – 通称「EGO」と呼ばれる怪物達に世界を支配され、人類は危機に瀕している。 そんな時代の中、「エスペリオン」と呼ばれる催眠術師の養成校に、「僕」こと、吾妻福太郎という一人の転校生がやってきた。 福太郎が... -
ホラー小説
曽根圭介の傑作『鼻』と『熱帯夜』という短編集について語らせて – 恐怖でもなく、救いでもなく、ただ地獄がある
2007年、日本の文壇がちょっとざわついた。 というのも、その年、ある作家がまさかの二冠を達成したのだ。 曽根圭介(そね けいすけ)。 ミステリ界の権威・江戸川乱歩賞を長編『沈底魚』で獲得しつつ、ホラー界の頂・日本ホラー小説大賞(短編部門)まで... -
国内ミステリー小説
村崎 友『風琴密室』- 二度読み必至。犯人の名が明かされるとき、世界は一変する
小学校5年生の夏、リョータの楽しかった日々は悲しすぎる終わりを迎えた。 好きになりかけていた女の子・雨ちゃんが転校し、兄・コーちゃんが川で溺死したからだ。 6年後、高校2年生になったリョータは、廃校となった母校で雨ちゃんと再会する。 戸惑いつ... -
読書日記
『アミュレット・ワンダーランド』- 殺し屋も泊まるホテルで、探偵は掟を守りながら推理する【読書日記】
最初に言っておくと、このホテル、チェックインした瞬間から現実感が吹き飛ぶ。 名前は「アミュレット・ホテル」。 殺し屋、詐欺師、窃盗団…とにかく職業の欄に書いたらその場で警察を呼ばれそうな人たちが、悠々とロビーを歩いている。普通のホテルの「お... -
国内ミステリー小説
稲羽白菟『オルレアンの魔女』- 映画祭の町にセレブが集うとき、連続殺人の幕が上がる
ソプラノ歌手の天羽七音美は、新作オペラ『オルレアンの聖女』の主役に選ばれた。 「黒髪のジャンヌ・ダルク役」として大抜擢されたのである。 プロモーションのために、フランスのカンヌへと向かう七音美。 しかしそこで恐ろしい事件に巻き込まれてしまう... -
国内ミステリー小説
相沢沙呼『城塚翡翠シリーズ』紹介 – ジャンルを揺るがし、探偵小説の次を描いた傑作
今さら新しいミステリなんて、もうなかなか出てこない。 そう思っていた時期が、私にもあった。 でも2019年、相沢沙呼が『medium 霊媒探偵城塚翡翠(じょうづか ひすい)』を出してきたとき、空気が変わった。これは事件だった。完全に予想外の角度から殴... -
読書日記
『オリエンド鈍行殺人事件』- 推理を脱線させて、笑いへ向かう。『オリエント急行の殺人』への愛ある反逆【読書日記】
雪に閉ざされた列車、見知らぬ乗客たち、突如発見される死体。ミステリファンが狂喜乱舞するクローズド・サークルの理想郷──それがアガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』であり、誰もが知る名作のフォーマットである。 そんな完璧な舞台装置に、... -
読書日記
北山猛邦『神の光』- 物理の北山、とうとう「街」も「建物」も消す【読書日記】
北山猛邦の短編集『神の光』を読み始めてすぐ、これは単なる不可能犯罪ではないことをすぐに思い知らされる。 タイトルが象徴するように、本書の全編を貫いているのは「神の視点」と「人間の限界」、そして「建造物の消失」という極めて抽象的で、かつ物理... -
国内ミステリー小説
由野寿和『再愛なる聖槍』- 全体未聞の観覧車ジャック事件に元刑事が立ち向かう
元刑事の仲山は、離婚後5年ぶりに会った娘を連れてテーマパークに行った。 久々に娘と過ごす時間にぎくしゃくしながらも、仲山は一緒に楽しもうと巨大観覧車ドリームアイに乗る。 ところが動き出してすぐに、事件が起こった。 観覧車が何者かにジャックさ... -
海外ミステリー小説
アンソニー・ホロヴィッツ『殺しへのライン』- 奇妙な殺人事件を追う作家と探偵の痛快ミステリー
作家のホロヴィッツは探偵のホーソーンと一緒に文芸フェスに参加するため、オルダニー島を訪れた。 ところが島では開発事業を巡って住民たちの争いが起こっていた上、フェスの参加者たちもどことなく不穏な様子だった。 嫌な予感がする中、案の定パーティ...
