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読書日記
小松立人『そして物語のおわりに』- 孤島、館、バラバラ死体。極上のフルコースに混じった整いすぎない本格【読書日記】
小松立人『そして物語のおわりに』は、とてもまっすぐに本格ミステリをやっている小説だ。 しかも、ただ古典の型を大事に並べました、というだけでは終わらない。孤島、館、外部と切り離された状況、奇妙な死体、限られた容疑者たち。 こうして並べると、... -
国内ミステリー小説
神津凛子『サイレント 黙認』- 負の連鎖が忌まわしき悪夢を招く戦慄のオゾミス
とある建設会社に勤める勝人は、カフェ店員である華と出会い、徐々に距離を縮めていく。 しかしそれ以降、勝人は奇妙な子どもを目にするようになっていた。 見えない幻影に苦しめられる勝人であったが、優しい華に救われることでなんとか生活していた。 そ... -
読書日記
『暗黒の瞬間』- ミステリの顔をした、救いのない人間の限界の話【読書日記】
リーガル・ミステリを読んでいて、いちばんぞくっとするのは、犯人がわかる瞬間ではない。 むしろ、法に従えば正しいはずなのに、それで本当にいいのかと思わされる瞬間のほうが、私はずっと怖い。 証拠はある。手続きも踏まれている。判決も出る。けれど... -
読書日記
潮谷験『山上のフェイク』- 山頂のコテージ、刺殺体、消えた五人、そして一冊の手記【読書日記】
『山上のフェイク』 著者:潮谷験 おすすめ度: (4.8) 読みやすさ: (4.0) ストーリー: (4.5) おもしろさ: (4.5) この作品を一言でいうと 暴風雨の山荘に残された手記の矛盾を追いながら、山岳救助隊が生存者と真相を同時に探す山岳本格ミステリ... -
読書日記
五条紀夫『町内会死者蘇生事件』- 殺したはずのクソジジイが、生きてラジオ体操に現れた朝【読書日記】
「誰だ! せっかく殺したクソジジイを生き返らせたのは!?」 これがこの物語の第一声であり、読者への宣戦布告でもある。 こんなにパンチの効いた書き出しはなかなかない。 五条紀夫の『町内会死者蘇生事件』は、タイトルも設定もぶっ飛んでいる。そのくせ... -
読書日記
月影朔『とある村の奇妙な求人広告』- 求人票が異界への入口になるモキュメンタリーホラー【読書日記】
求人広告というものは、本来であれば現実的な情報である。 勤務地、勤務時間、給与、福利厚生、必要なスキル。そこに並んでいるのは、あくまで生活のための条件だ。 時給はいくらか。交通費は出るのか。週何日から働けるのか。怖い要素など普通はない。む... -
国内ミステリー小説
白井智之『死体の汁を啜れ』- 前代未聞の死体から始まる、新時代の本格ミステリ
豚の顔をした人間が死んでいる──。 なぜか人がよく殺されるこの町では、異常すぎる死体が発見される。 豚の頭を被った死体、頭と手足を切断された死体、胃袋が破裂した死体、死体の腹の中の死体……。 これらの事件の謎を解くのは、推理作家や悪徳刑事、女子... -
国内ミステリー小説
吉田恭教『MEMORY―螺旋の記憶』- 眠っていた過去を呼び覚ますと惨劇が待っていた
鏡探偵事務所に、奇妙な依頼が来た。 9年前に滝田幸秀という人物の調査を依頼してきた女性が、今回は失踪した息子・智輝を捜してほしいというのだ。 聞けば智輝の失踪には、9年前の調査が関係しているという。 そこで元刑事の探偵・槙野が当時の調査記録を... -
その他小説
島田雅彦『パンとサーカス』- 世直しのために政府の要人を標的にする若者たちの物語
暴力団組長の息子・空也(くうや)と、その親友・寵児(ちょうじ)は、高校時代に「コントラ・ムンディ」という秘密サークルを作った。 ラテン語で「世界の敵」を意味するそのサークルで、二人は日々世界の滅亡を願い、新しい世界で主導権を握る想像を楽し... -
海外ミステリー小説
陸秋槎『文学少女対数学少女』- 華文青春本格ミステリの新たなる傑作
今作の主人公となるのは、高校2年生の文学少女である陸秋槎(りくしゅうさ)と、孤高の天才数学少女である韓采蘆(かんさいろ)の2人。 秋槎はひょんなことから、自作のミステリー小説の評価を采蘆に依頼します。 しかし、采蘆は秋槎ですら予想出来なかっ...
