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【自作ショートショートNo.70】『幸せの青い鳥』
人魚姫はバカだ、あんなにも美しい声を自ら捨ててしまうだなんて。 まんまと魔女の口車に乗せられ、脚と引き換えに声を失ってしまった哀れな人魚。 おまけにそこまでしても恋い焦がれた王子様は手に入れられず、海の泡となって消えてしまうのだ。こんなバ... -
大滝瓶太『その謎を解いてはいけない』- その探偵が暴き出すのは事件の真相か、人の黒歴史か
アフィリエイターをしながら探偵事務所を営む暗黒院真実(あんこくいんまこと)。 その助手で、翠色に輝く左目を持つ女子高生・小鳥遊唯(たかなしゆい)。 ある日二人は、フィールドワークのためにN県の山奥に訪れたが、途中で日が暮れてしまう。 困って... -
相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』- 犯人をあざと可愛く追い詰める美少女探偵シリーズ第三弾
15歳の少年・夏木蒼汰は憔悴していた。 ある目的のために友人の別荘に忍び込んだところを、その母親に見つかって揉み合いになり、気が付けば彼女が腹部から血を流して死んでいたのだ。 そして自分の右手には、血まみれの包丁が……。 友人になんと言えばいい... -
『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』- クリスティへ愛を込めて。ミステリ愛好家のための新たな読書体験
C・A・ラーマー氏による『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』は、オーストラリアを舞台にしたコージーミステリシリーズの記念すべき第一作です。ミステリをこよなく愛する人々が集う読書会が、ひょんなことから現実の事件に巻き込まれていく、そんな心躍... -
五十嵐律人『六法推理』- 法律知識で事件に挑む、学生版リーガル・ミステリ
法学部4年の古城は、大学内で無料法律相談を受け付けている。 ある日、経済学部3年の戸賀が相談しに来た。 「2年半ほど事故物件に住んでいるが、今まで何もなかったのに、最近になって奇妙な現象が起こるようになった」 とのことだった。 夜中に赤ん坊の泣... -
『優等生は探偵に向かない』- 失踪事件をソーシャルメディアで追う斬新なミステリシリーズ二弾
女子高生のピップは、友達から「失踪した兄ジェイミーを探してほしい」と頼まれる。 ジェイミーは成人しており、今までも何度か家を出たことがあるため、警察はまともに取り合ってくれないのだ。 ピップは、前回の事件で危険な目に遭ったことから及び腰だ... -
『ブラウン神父の知恵』-トップクラスの名作「通路の人影」が収録されたシリーズ第二弾
古典ミステリー語る上で欠かせないG・K・チェスタトン氏のブラウン神父シリーズの第二弾です。 「グラス氏の失踪」ではトッドハンターという男がグラスという男と何時間も話し込んでいるのを、下宿先の主の妻が聞きつけます。 しかし部屋を開けるとそこに... -
【自作ショートショートNo.69】『悪魔より』
ソイツは紛れもなく僕の目の前にいる。 体は病人のように瘦せ細り、肌は青白いを通り越して黒と紫色の中間のような毒々しく不健康な色。 その様だけを見ると、まさしく病人のような有様だ。 だが、血走った赤い瞳に、どんなものでも八つ裂きにしてしまいそ... -
切断と再生の果てに咲くもの―― 島田荘司『眩暈』【エッセイ】
この世界にまだ「物語」が可能だとすれば、それは崩壊の果てにこそ現れるものでしょう。 瓦礫の中に転がる真理。 異形の肉体が立ち上がる地平。 うす曇りの午後、火照った脳裏に冷たい雨粒が落ちるような衝撃で『眩暈』は始まります。 青年が遺した手記――...