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読書日記
そこに「いる」と言った瞬間、怪異は始まってしまう- 京極夏彦『猿』【読書日記】
京極夏彦(きょうごく なつひこ)。 もはや作家というよりジャンルと化したこの名前を、いまさら紹介する必要もないかもしれない。 とはいえ、1994年の『姑獲鳥の夏』でデビューして以来、〈百鬼夜行〉シリーズや〈巷説百物語〉シリーズを筆頭に、日本文学... -
読書日記
三津田信三『妖怪怪談』- 知ってるはずの怪異が、知らない顔をしてやってくる【読書日記】
座敷童、河童、雪女、鬼、神隠し。 これらは、日本人なら誰しも一度は耳にしたことのある妖怪たちだと思う。小学校の教科書に出てきたり、昔話やゲーム、アニメでなじみがあったり、お土産物のキャラクターとしても親しまれていたりする、そんな知っている... -
読書日記
芦沢央『あなたが正しくいられたとき』- いいことをしているつもりの怖さについて【読書日記】
芦沢央は、人が善意の顔をしたまま誰かを傷つけてしまう瞬間を、ミステリの仕掛けで鮮やかに見せてくる。 どこかで視界がひっくり返されるかもしれない。信じていた人物の印象が変わるかもしれない。何気なく読んでいた場面が、あとから別の意味を持って迫... -
読書日記
『オリエンド鈍行殺人事件』- 推理を脱線させて、笑いへ向かう。『オリエント急行の殺人』への愛ある反逆【読書日記】
雪に閉ざされた列車、見知らぬ乗客たち、突如発見される死体。ミステリファンが狂喜乱舞するクローズド・サークルの理想郷──それがアガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』であり、誰もが知る名作のフォーマットである。 そんな完璧な舞台装置に、... -
読書日記
『名探偵ジェリコ』- こういう名探偵を待っていた! 傷だらけのジェリコが挑む150年前の惨劇と見立て殺人【読書日記】
『名探偵ジェリコ』 著者:ウィリアム・ハッセー おすすめ度: (5.0) 読みやすさ: (4.0) ストーリー: (4.0) おもしろさ: (4.5) この作品を一言でいうと 150年前の惨劇をなぞる連続見立て殺人に、前科持ちの元刑事ジェリコが挑む英国本格ミステ... -
短編集
米澤穂信『可燃物』- 疎まれながらも捜査能力は抜群!葛警部の鮮やかな活躍を描いた短編集
群馬県警捜査第一課の葛(かつら)警部は、ぶっきらぼうで口数が少なく、上司からも部下からも慕われてはいないが捜査能力の高さで一目置かれている。 今回も葛警部は、数々の難事件に挑む。 スキー中に遭難した男が、なぜか崖下で刺殺体となって発見され... -
海外ミステリー小説
ジェフリー・ディーヴァー『ウォッチメイカーの罠』-「どんでん返しの帝王」が仕掛けた、20年越しの頭脳戦
読書中に何度も「そう来たか!」と唸らされた経験、どれくらいありますか? ジェフリー・ディーヴァーの小説を読むってのは、その驚きの連続に身を投げ込むようなものだ。 特に『ウォッチメイカー』と、その約20年後に登場した続編『ウォッチメイカーの罠... -
読書日記
『斜陽館殺人事件』- 黄金期ミステリの楽しさを2020年代でもう一度【読書日記】
『斜陽館殺人事件』 著者:P・J・フィッツシモンズ -
読書日記
『ハレー彗星の館の殺人』- 古典の形式を更新する、本格館ミステリの理想系【読書日記】
読む前から、これは設定の勝ちだと素直に認めたくなる瞬間がある。 トリックでもキャラクターでもなく、あるいは仕掛けのための舞台ではなく、舞台そのものが事件の論理になっている作品だ。 ロス・モンゴメリ『ハレー彗星の館の殺人』は、まさにそのタイ... -
読書日記
『真犯人はこの列車のなかにいる』- 密室、殺人、フェアプレイ。この列車には、ミステリ好きの夢が詰まっていた【読書日記】
豪華列車の中で殺人事件が起きる。密室。容疑者はみんなその場にいる。 閉じられた空間で、探偵が動き、真実が暴かれる。 アガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』を頂点として、数えきれないほどの「列車ミステリ」が生まれてきた。そして多くの...
