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読書日記
『9人はなぜ殺される』- 静かな日常に、突然突きつけられる「死のリスト」【読書日記】
もし、ある日突然、自分の名前が「死のリスト」に載っていたらどうする? ピーター・スワンソン『9人はなぜ殺される』は、そんな悪夢のような設定から始まる物語だ。タイトルからして嫌な予感しかしないんだけど、内容はその想像を軽く飛び越えてきた。 物... -
国内ミステリー小説
吉田恭教『MEMORY―螺旋の記憶』- 眠っていた過去を呼び覚ますと惨劇が待っていた
鏡探偵事務所に、奇妙な依頼が来た。 9年前に滝田幸秀という人物の調査を依頼してきた女性が、今回は失踪した息子・智輝を捜してほしいというのだ。 聞けば智輝の失踪には、9年前の調査が関係しているという。 そこで元刑事の探偵・槙野が当時の調査記録を... -
自作ショートショート
【自作ショートショートNo.73】『行列のできる男』
タカシは実に冴えない男だった。見た目も地味で、さっぱり印象に残らない。 当然のことながらモテるわけもなく、彼女もいなければ女友達もいない。それどころか同性の友達さえ数少ない。 おまけに何をするにも要領が悪く、仕事でもミスをしてばかり。上... -
国内ミステリー小説
染井為人『滅茶苦茶』- 人生の道を誤り、落ちるところまで落ちた三人の命運は?
「こんなはずじゃなかったのに……」 独身でいることに焦り、マッチングアプリで出会った男性の誘いに乗って暗号通貨の取引を始めた美世子。 県内の進学校に入学するも成績が振るわず、不良グループたちと夜遊びをするようになった礼央。 ホテルの経営不振に... -
国内ミステリー小説
結城真一郎『#真相をお話しします』- ギョッとせずにはいられない、違和感と衝撃に満ちた短編集
家庭教師を依頼されて訪問したのに、家の様子も母子の様子も明らかにまともではなかったり。 マッチングアプリで独身と偽って若い女の子と出会ったものの、思わぬ落とし穴が待ち受けていたり。 15年前に提供した精子で生まれてきた娘と会うことになり、驚... -
読書日記
『正しい世界の壊しかた:最果ての果ての殺人』- ルールごとひっくり返す!特殊設定ミステリの快楽、ここに極まれり【読書日記】
彩藤アザミ。 この名前を聞いて、「誰だろう?」と首をかしげる人もいれば、「あのホラーとミステリ混ぜるのうまい人ね」とすぐ反応する人もいるはず。自分は完全に後者だし、しかもけっこう前から追いかけている。 そして今回の新作『正しい世界の壊しか... -
国内ミステリー小説
逸木裕『五つの季節に探偵は』- 隠された本性を暴きたがる探偵の物語
女子高生のみどりは、父親が私立探偵だという理由で、クラスメートから何かと厄介事を頼まれている。 ある日いじめに悩んでいる怜に、英語教師の清田を調べ、弱みを握るよう依頼された。 いじめの主犯である好美が清田を慕っているらしく、清田を利用すれ... -
その他小説
『短くて恐ろしいフィルの時代』- 国民が6人しかいない小国をめぐる奇想天外な物語
あまりにも小さすぎる国・内ホーナー国と、周辺を取り囲む国・外ホーナー国には、様々な住人が暮らしている。 両国の中でも内ホーナー国にはわずか6人しか住んでおらず、その領土は「国民が1人しか入れないほどの広さ」だという。 自国の領土に入れない残... -
その他小説
島田雅彦『パンとサーカス』- 世直しのために政府の要人を標的にする若者たちの物語
暴力団組長の息子・空也(くうや)と、その親友・寵児(ちょうじ)は、高校時代に「コントラ・ムンディ」という秘密サークルを作った。 ラテン語で「世界の敵」を意味するそのサークルで、二人は日々世界の滅亡を願い、新しい世界で主導権を握る想像を楽し... -
読書日記
『夜明けまでに誰かが』- 8時間の密室地獄へようこそ。閉じた車内で、人間はどこまで人間でいられるか【読書日記】
ホリー・ジャクソンの名前を聞くと、まず思い浮かぶのは『自由研究には向かない殺人』だ。 高校生探偵ピップの華麗な推理劇に胸を躍らせた読者は多いと思う。あれは正統派の「フーダニット(誰がやったか)」、つまり犯人探し型ミステリーだった。 しかし...
