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近藤史恵『ホテル・ピーベリー』- いわくありげな宿泊客が次々に死んでいく
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西澤保彦『パズラー 謎と論理のエンタテインメント』- 謎と論理にとことんこだわったミステリ短編集
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逸木裕『五つの季節に探偵は』- 隠された本性を暴きたがる探偵の物語
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芦辺拓『乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび』- 幻の未完作品が90年の時を経てついに完結!
作家の「私」が売りつけられた2冊の犯罪記録。 心霊マニアの祖父江という人物が書いたものらしい。 そこには、祖父江の仲間である美しき未亡人・姉崎曽恵子の奇怪な死について記されていた。 姉崎未亡人の遺体は、鍵のかかった土蔵に全裸で横たわっていた... -
『短くて恐ろしいフィルの時代』- 国民が6人しかいない小国をめぐる奇想天外な物語
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阿津川辰海『録音された誘拐』- 令和のテクノロジーを欺く誘拐犯との頭脳戦
探偵事務所の所長・大野が誘拐された。 大野の家は資産家ではあるが、なぜよりによって探偵事務所の所長をターゲットにしたのか。 どうも15年前に起こった誘拐事件が関係しているらしいが……。 助手の美々香は、特殊能力である抜群の聴力を生かして事件に挑...