人気記事
-
海外ミステリー小説
アンソニー・ホロヴィッツ『死はすぐそばに』- 高級住宅地での殺人に、住民たちは揃って口を閉ざし…
その事件が起こったのは5年前、テムズ川沿いの高級住宅地リヴァービュー・クロースだとホーソーンは言った。 きっかけは、金融業者のケンワージーが引越してきたこと。 この迷惑な新参者が来て以来、仲が良かった住民たちの雰囲気が悪くなり、トラブルが増... -
国内ミステリー小説
彩藤アザミ『不村家奇譚』- 唯一無二の筆致で描く、戦慄のホラーミステリー
東北の山奥に潜む古い家である不村家は、昭和から現代、未来永劫と血脈に囚われ続ける一族である。 不村家では人智を超える能力を持つ子が生まれることがあり、彼らはときに不村一族繁栄の兆しとされていた。 しかしその裏では、健常な人を憎む「あわこさ... -
国内ミステリー小説
三日市零『復讐は合法的に』- あなたの恨み、弁護士エリスが違法スレスレの手段で晴らします
弁護士エリスの事務所には、「合法的に恨みを晴らす」という裏メニューがあった。 一般的に素人が感情に任せて復讐しても、非合法的な手段だと警察沙汰になりかねず、合法的だと効果が薄くなるきらいがある。 しかし法律の抜け穴を熟知しているエリスなら... -
国内ミステリー小説
石持浅海『風神館の殺人』- 復讐に集まった者たちが次々に殺されていく密室ミステリの秀作
欠陥商品を販売し、多くの人々を不幸に追いやった株式会社フウジンブレード。 復讐を遂げるために、恨みを抱く者たち10名が保養所「風神館」に潜入した。 彼らは協力体制を敷き、綿密な殺害計画を練り、まずは一人目、開発部長の笛木を浴室で自殺に見せか... -
国内ミステリー小説
詠坂雄二『5A73』- 自殺者たちの体に刻まれた幽霊文字の謎とは
東京都内の地下鉄駅で、30代男性の飛び込みがあった。 遺書らしき文書やホーム内の防犯カメラの映像から、自殺で間違いなさそうだった。 しかし二人の刑事、山本警部と早川警部補が屍体を調べると、不審な点があった。 大腿部にタトゥーシールで「暃」と描... -
その他小説
原田ひ香『図書館のお夜食』- 思いの詰まった蔵書と文学的な料理を味わえる図書館の物語
書店員の乙葉は、店長や客からの理不尽な扱いに耐えかね、辞めようかと考えていた。 そんな時、SNSで「夜の図書館」のオーナーからスカウトされ、転職を決める。 そこは、普通の図書館とは明らかに違っていた。 開館は夜の7時で、入館料は1回1000円。 亡く... -
ホラー小説
知念実希人『ヨモツイクサ』- 禁域に潜む未知の生物が巻き起こす戦慄のバイオ・ホラー
北海道の「黄泉の森」と呼ばれる場所で、リゾート施設の開発中、作業員たちが突然行方不明になった。 作業場に残されていたのは破壊されたトラックや発電機、そして作業員のものと思われる内臓の一部。 さらに現場付近の土中で、食い荒らされた作業員たち... -
読書日記
『廃集落のY家』- これは霊の話じゃない。もっと生々しくて、もっと足元をすくう何かの物語だ【読書日記】
現代ホラーの怖さは、何も血まみれの化け物や悲鳴だらけの展開だけじゃない。むしろ、ありふれた日常が静かにずれはじめる瞬間にこそ、本当の恐怖は潜んでいる気がする。 『廃集落のY家』も、冒頭は拍子抜けするほど穏やかだ。大学の新歓合宿。まだ春の空... -
国内ミステリー小説
門前典之『友が消えた夏 終わらない探偵物語』- 交差する過去の二つの事件を蜘蛛手が探る
建築家兼探偵の蜘蛛手のもとに、助手の宮村が「鶴扇閣事件」の記録を持ってきた。 連続窃盗犯のオクトパスマンが入手したボイスレコーダーの内容を文書化したものだという。 それによると「鶴扇閣事件」は、過去に南紀の洋館「鶴扇閣」で起こった猟奇的な... -
国内ミステリー小説
倉知淳『世界の望む静謐』- 刑事コロンボの衣鉢を継ぐ、大人気倒叙ミステリシリーズ
あなたのことは最初から疑っていました──。 罪を犯した者の前に現れる、死神めいた風貌の刑事。 削ぎ取ったように痩せた頰、刃物で切り落としたようにシャープな顎、悪魔を思わせる鉤鼻、そして虚無の深淵を覗き込んだかのような陰気で表情の感じられない...
