ホラー小説– category –
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ホラー小説
澤村伊智『ざんどぅまの影』- 比嘉姉妹シリーズの過去に沈む、海水と差別の記憶【読書日記】
澤村伊智の比嘉姉妹シリーズを追ってきた身として、『ざんどぅまの影』には妙な緊張感を覚えた。 なにしろ、比嘉琴子と真琴の物語でありながら、舞台は彼女たちが生まれる前の1981年。主役として前面に立つのは、姉妹の祖母である比嘉勝子だ。 つまりこれ... -
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加門七海『裂神』- 神とは救いか、それとも祓われた厄の成れの果てか【読書日記】
人というのは、都合の悪いものを外へ追いやるのがうまい生き物だ。 穢れ、厄、災い、祟り。 名前をつけ、祓い、流し、境界の外へ出す。そうすれば、こちら側は清められた気になれる。 めでたしめでたし。……で済めばいいのだが、加門七海のホラーは、そこで... -
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餅屋蛾『ダクダデイラ』- ネットの底から、紙の本へ這い上がってくる怪文書ホラーの傑作【読書日記】
インターネットには、たまに本気で見てはいけないものが落ちている。 誰が書いたのか分からない。何のために書かれたのかも分からない。けれど、読んだ瞬間に、画面の向こう側から何かがこちらを見返してきたような気配がある。 掲示板の古いログ、SNSの不... -
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2026年5月に読んでに特に面白かった本26冊 – 『法月綸太郎の不覚』ほか
2026年5月に読んだ本の中から、特にこれは面白い!と思った26冊の記録である。 他の月はこちら 2026年4月に読んでに特に面白かった本29冊 - 高原英理『抒情的恐怖群』ほか 2026年3月に読んでに特に面白かった本17冊 – 飛鳥部勝則『封鎖館の魔』ほか 2026年... -
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『天狗岳怪死事件まとめファイル』- そのファイルを開いた瞬間、もう事件の外側にはいられない【読書日記】
山の怪死事件。 失踪した登山サークルの男女六人。 警察が早々に幕を引いた事故扱い。 そして、一年後に浮かび上がる新聞記事の小さな食い違い。 もう、この並びだけで嫌な予感(ワクワク)がする。しかも舞台は八ヶ岳連峰の天狗岳である。 天狗岳。名前か... -
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小田雅久仁『禍』- 怖いのに目をそらせない、奇妙に美しい災厄【読書日記】
新刊情報を追っていて小田雅久仁の名前が見えると、私の中の空気が毎回ちょっと空気が変わる。 待ってました、という気持ちもあるし、今度はどこまで連れていかれるのかという妙な緊張もある。 この人はたくさん書くタイプではない。むしろ寡作で、そのぶ... -
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トマス・リゴッティ『悪夢工場』- 世界そのものが悪夢として立ち上がる、文学的ホラーの黒い到達点
ホラー小説には、読んだあと電気を消すのが嫌になるタイプの作品がある。 背後が気になる。カーテンの隙間が気になる。廊下の暗がりが、やけに意味ありげに見えてくる。 まあ、それはそれで困るのだが、まだ生活に戻れる恐怖ではある。 だがトマス・リゴッ... -
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月影朔『とある村の奇妙な求人広告』- 求人票が異界への入口になるモキュメンタリーホラー【読書日記】
求人広告というものは、本来であれば現実的な情報である。 勤務地、勤務時間、給与、福利厚生、必要なスキル。そこに並んでいるのは、あくまで生活のための条件だ。 時給はいくらか。交通費は出るのか。週何日から働けるのか。怖い要素など普通はない。む... -
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寝舟はやせ『XXX日後に呪われるだけの誰かさんの日記』- 呪いより会社のほうが怖いかもしれない、生あたたかホラーの変な愛しさ【読書日記】
「XXX日後に呪われる」と言われたら、普通は大事件である。いや、普通ならまず仕事どころではない。 即座に有給を取り、寺社仏閣を巡り、霊能者を検索し、ついでに生命保険の内容も確認する。 ところが、寝舟はやせ『XXX日後に呪われるだけの誰かさんの日... -
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『呪いの☒☒』- 令和の呪いは、井戸からではなくインフラと紙と職場からやってくる【読書日記】
呪いという言葉を聞くと、古びた藁人形、丑の刻参り、封印された村の祠、絶対に開けてはいけない箱、みたいなものを思い浮かべがちだと思う。 もちろん私はそういうタイプのホラーも大好物だ。できれば旧家の蔵から、何かよくない巻物の一本くらいは出てき...
