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短編集
G・K・チェスタトン『翼ある剣』- 翼を持ったのは剣か、それとも恐怖か【傑作小説エッセイ】
G・K・チェスタトンのブラウン神父ものは、ミステリ好きなら一度は通る道だと思う。 名探偵なのに見た目は地味、武器は推理よりも人生経験、そして何より「逆説」が武器になるという、ちょっと変わったシリーズだ。 その中でも『翼ある剣』は、個人的にか... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.55】『ダイエットサプリ』
「あーあ、また太っちゃったわ」 ポチャ美は昔から食べることが大好きだった。 特に甘い物には目がなく、食後のデザートは欠かせなかったし、それ以外にもおやつに夜食にと隙あらば口が動いていた。その結果がこれ。 いよいよ体重は百キロの大台に乗りそう... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.53】『正しい行き先』
「あら、お父さんどこ行ったのかしら。大変、探しに行かなくちゃ」 リョウコはごく一般的な主婦だったが、父の認知症が分かってからは一緒に暮らすようになっていた。 幼い息子の育児だけでも大変なところへ父の介護まで加わって、毎日息つく暇もない。 「... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.40】『 囚人』
「クックック。今度の新入りはどんな奴なんだろうな。まぁどんな奴だろうが、前みたいにイビり倒してやるだけだけどな」 国の最果て、最高レベルの警備が敷かれる刑務所の一室で、見るからに悪そうな丸刈りの男が独り言をつぶやいていた。 男は数年前に殺... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.56】『肉』
アキラは仕事で出張へ出た帰り、田舎のとあるレストランへと立ち寄った。 外観は見窄らしく、とても小洒落たレストランとはほど遠いものだった。 昼食を食べる場所を探していたアキラであったが、このレストランには立ち寄るまいと通り過ぎるところであっ... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.13】『死神の存在』
そのバーは、歓楽街の中心から、歩いて十五分ほどのところにあった。 ほどほどに薄暗く、心地いい音量のジャズをビージーエムに、二人の男が酒を酌み交わしている。 どうやら二人は旧知の仲らしく、久々に再開した、といった様子だった。 思い出話に花が咲... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.41】『善行ポイント』
自分のことだけを考える人間が少しずつ増えてきて、だんだん世の中がギスギスしてきていた。 犯罪も増えており、些細な喧嘩は毎日のようにあちらこちらで起こっている。 そんな世の中を憂えた政府は、善行カードなるものを作り、国民に配布した。 このカー... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.59】『未来ミラー』
サトミは鏡からそっと視線を外すと、顔を上げた。 視線の先にはボリュームのある髪を後ろに撫でつけて、引き締まった体躯の彼がいる。 サトミはもう一度、鏡に視線を戻して彼に気づかれないよう小さくため息をついた。 彼女が今その手にしているのは、ただ... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.54】『宝箱』
悪魔の海域と呼ばれ、漁師から恐れられている場所がある。 この海域では船の事故が頻繁に起こっており、いつしかそう呼ばれるようになっていたのだ。 さて、そんな悪魔の海域ではある伝説がまことしやかに囁かれている。 それは金銀財宝の湧き出る宝箱が眠... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.48】『空飛ぶ泥棒』
ドロンは金に困っていた。 情けないことに明日の食事にも事欠く有様で、今朝から何も食べていない。 「ちくしょー、腹減ったな」 ぐぅっと大きな音を立てる腹をさすりながら、ドロンはそっと辺りを伺う。 「今夜はどの家を狙おうか」 そう、彼の職業は泥棒...
