人気記事
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ホラー小説
雨宮酔『夢詣』- 読んだその夜から、あなたも順番待ち
ホラー小説には、大きく分けて二種類あると思う。 一つは、どこか遠くの不気味な世界で起きる超常的な恐怖を描くもの。 もう一つは、もっと身近な日常にひたひたと侵食してくるタイプのやつ。 雨宮酔『夢詣』は、まさにその後者、しかもその中でも一線を画... -
海外ミステリー小説
『フェアリー・テイル』- ハッピーエンドに向けた、キング50周年の風変わりな贈り物
スティーヴン・キングが50周年の節目に書いたのが、『フェアリー・テイル』だという事実を、まずどう受け止めればいいのか。 ずっとキングのホラーを読んできた身としては、タイトルからして信じられない。 フェアリー・テイル? おとぎ話? あの『ペット... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.3】『悪魔にも』
彼は悪魔を呼び出した。 そう行動するに至った原因も、欲求も確かにあり、多くの労力を注ぎ込み、悪魔召還の術を調べ上げ準備を整えたのだ。 この社会にあっては彼の欲求は叶え得ない、法の正義も彼には味方しなかった。 満月の夜、地下室に描いた血の召還... -
短編集
これは、向こう側に触れてしまった人たちの話 -『人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1)』【傑作小説エッセイ】
怪奇と倒錯の短編ばかりを詰め込んだ、江戸川乱歩の「これぞ変格乱歩のフルコース」とも言える一冊がある。 それが、『人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1)』。 収録されているのは、探偵の推理が光る明智小五郎ものではない。怪奇、倒錯、異常心... -
短編集
『コロラド・キッド 他二篇』- スティーヴン・キングの「幻の作品」が収録された日本オリジナル中篇集
スティーヴン・キングのデビュー50周年を記念して刊行された『コロラド・キッド 他二篇』は、いわば「読まれずにいたキング」を一気に解き放った作品集だ。 長らく国内では読めなかった「幻」の中篇群をまとめ、日本オリジナルの文庫版としてリリースされ... -
短編集
G・K・チェスタトン『犬のお告げ』- 犬を信じるより先に、疑うべきものがある【傑作小説エッセイ】
チェスタトンの『犬のお告げ』という傑作短編は、ミステリとしての入り口がかなり胡散臭い。 殺人事件が起きて、犬が奇妙な行動を取り、その犬がどうやら「何かを知っているらしい」。 この時点で、ミステリ好きの頭には二つの警報が鳴る。 ひとつは「オカ... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.62】『悪魔のちから』
街灯ひとつない、夜の路地。 仕事帰りの青年は、とぼとぼと帰路についていた。 彼は一流企業の社員だが、まだ新卒二年めで、毎日、上司にこっぴどく叱られていた。 こんなことなら、車にでも轢かれたい。 そう思って横断歩道をわたっていると、急に角から... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.60】『毒殺夫婦』
ある夫婦がいた。 大きな屋敷に、多くのメイド。広い庭園に、ズラッと並ぶ高級車。 まさに裕福そのもの。誰もがうらやむ暮らしぶりだった。 しかしこの夫婦は、お互いに恨み合っていた。 度重なる浮気、軽蔑、無関心。 そんなものが積み重なり、もはや憎し... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.12】『コレクター』
人というものは、おうおうにして、何かを集めたくなる生き物のようだ。 小さい頃には、きれいな丸い石やいろいろな形の落ち葉を、誰に言われるでもなく集める子どもが多いし、大人になってからは、お気に入りのアーティストのグッズや、子どもの頃には少し... -
自作ショートショート
【自作ショートショート No.2】 『宇宙人がやってきた』
ボクは半信半疑でX君と丘を登っていた。 前を行くX君はワクワクしているのだろう、いつもよりも余計に浮いている。 時間は夜、見たところ周囲の様子におかしなところは少しもない。 ボクはやはりからかわれているのではないかと思って彼に尋ねた。 「X君...
