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傑作小説エッセイ
【祝!本屋大賞受賞】なぜ、朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』は、この時代のど真ん中を射抜けたのか
朝井リョウは、ずっと現代の居心地の悪さを書くのがうまい作家さんだと思っている。 しかも、単に流行を取り上げるのではなく、その流行の奥にある、人がどうやって生き延びているのか、どこで苦しくなっているのかまで掘ってくる。 だから読んでいて楽し... -
読書日記
『アミュレット・ワンダーランド』- 殺し屋も泊まるホテルで、探偵は掟を守りながら推理する【読書日記】
このホテルは、チェックインした瞬間から現実感が吹き飛ぶ。 名前は「アミュレット・ホテル」。 殺し屋、詐欺師、窃盗団……とにかく職業の欄に書いたらその場で警察を呼ばれそうな人たちが、悠々とロビーを歩いている。普通のホテルの「お客様は神様です」... -
国内ミステリー小説
阿津川辰海『録音された誘拐』- 令和のテクノロジーを欺く誘拐犯との頭脳戦
探偵事務所の所長・大野が誘拐された。 大野の家は資産家ではあるが、なぜよりによって探偵事務所の所長をターゲットにしたのか。 どうも15年前に起こった誘拐事件が関係しているらしいが……。 助手の美々香は、特殊能力である抜群の聴力を生かして事件に挑... -
短編集
『法月綸太郎の不覚』- 令和の名探偵は、まだ論理で世界に抗えるのか【読書日記】
名探偵という存在は、もしかすると現代社会でいちばん肩身の狭い職業なのかもしれない。 いや、もちろん現実に「名探偵」という職業欄があるわけではない。 だが本格ミステリの世界では、事件が起これば名探偵が現れ、警察が拾いきれなかった違和感を拾い... -
読書日記
『ナイフ投げ師』- 濃すぎる傑作短編集。ミルハウザーは、なぜこんなに怖くて、美しいのか【読書日記】
スティーヴン・ミルハウザーの本を初めて読んだとき、「絶対ハマるやつだ」と直感した。現実と幻想の境界を曖昧にし、緻密な筆致で美と不安を同居させる作風。その代表とも言える短編集が、この『ナイフ投げ師』である。 収録作は12編。それぞれがまるで異... -
読書日記
観光ミステリの皮をかぶった、ダン・ブラウンと意識の現在地 -『シークレット・オブ・シークレッツ』【読書日記】
ダン・ブラウンの新刊と聞いた瞬間、「はいはいまた寝不足ね」と思ってしまう。 理屈は後回し。まず寝不足の準備だけ整える。もうこれはお約束として身体に染みついている。 それが『シークレット・オブ・シークレッツ』だった。 ラングドンが戻ってくる。... -
自作ショートショート
【自作ショートショートNo.71】『平和な薬』
「できたぞ!完成だ!」 とある街のはずれにある、モノで溢れた研究所の一室で、白衣を着た男が大きな声をあげた。 「この薬で、たくさんの人が幸せになるぞ。どこにも争いのない、平和な世界の完成だ!」 白衣の男は、長いあいだ人間の心理を研究していた... -
読書日記
阿津川辰海『少女は殺人の夢を見る』- カー、クリスティー、クイーン、そして九角館へ【読書日記】
『少女は殺人の夢を見る』 著者:阿津川辰海 衝撃度 : (4.0) 技巧性 : (4.5) 論理性 : (4.5) 独創性 : (5.0) 面白さ : (5.0) この作品を一言でいうと 古典名作をモチーフにした夢の殺人事件へ、獏田格と夢見灯の個性的なバ... -
読書日記
『我孫子武丸犯人当て全集』- ミステリ愛好家に捧げる、最上級の挑戦状【読書日記】
この本は読むものではない。戦うものである。 『我孫子武丸犯人当て全集』 なんとも潔いタイトルだけれど、中身はそれ以上にストイックで知的なリングだった。 相手は、あの『殺戮にいたる病』で読者の認知を壊した男であり、『かまいたちの夜』でノベルゲ... -
読書日記
市川憂人『呪詛遊戯』- 身体機能をシャッフルしたら、殺人事件はここまで面白くなる【読書日記】
『呪詛遊戯』 著者:市川憂人 衝撃度 : (4.0) 技巧性 : (4.5) 論理性 : (5.0) 独創性 : (4.5) この作品を一言でいうと 身体機能の欠損が人から人へ移り、その瞬間に誰が殺人を実行できたのかを絞り込んでいく論理ゲームミステリ。...
