人気記事
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短編集
『ほしのはじまり』- 星新一というジャンルを一冊に詰めた決定版【私の宝物】
読書人生を長く歩いていると、時折「これは特別な宝物だ」と思える本に出会うことがある。 私にとって、それが『ほしのはじまり ――決定版 星新一ショートショート――』だ。 星新一のショートショートは、たしかに文庫で読めるし、図書館にも全集が並んでい... -
読書日記
信国遥『未館成の殺人』- 館がないのに館ミステリという美しい矛盾、その先にある新しい本格【読書日記】
館ミステリというジャンルには、どうしたって抗いがたい魅力がある。 奇妙な建築。閉ざされた空間。そこに集められた人物たち。そして、その舞台そのものが犯罪の論理を支えるという、あの独特の美しさ。 綾辻行人『十角館の殺人』以後、この形式は単なる... -
国内ミステリー小説
『猫間地獄のわらべ歌』- 探偵が密室を捏造するとき、愛すべきバカミスは時代を越える【エッセイ】
ミステリ好きというのは、つくづく困った生き物だと思う。 安定した面白さを求めながら、心のどこかでは「まだ見ぬ奇書」や「ルールを破壊する劇薬」を待ち望んでいるのだから。 幡大介の『猫間地獄のわらべ歌』は、まさにそんな私たちの飢えを、これ以上... -
自作ショートショート
【自作ショートショートNo.72】『娯楽依存症』
あるところにとても平和な国があった。 この国は働かなくても暮らしていくことができるくらい豊かだったので、国民たちはみんな毎日を楽しく遊んで暮らしていた。 子供はもちろんのこと、若者も老人もみんな仕事をしていないので、時間だけはたっぷりある... -
国内ミステリー小説
三津田信三『犯罪乱歩幻想』- 本格ミステリ大賞受賞の鬼才が乱歩に挑む
江戸川乱歩の小説世界に魅了された作者による、トリビュート5編に短編2編を加えたミステリ短編集。 “退屈病”に侵された青年が引っ越し先のアパートで体験する小さな異変の数々(「屋根裏の同居者」)。 赤い部屋に招かれたゲストが語る、猟奇的な話とその... -
国内ミステリー小説
結城真一郎『名もなき星の哀歌』- 記憶の断片から真実を見つ出す、切なさの募る青春ミステリー
銀行員の良平と漫画家を目指す健太は、「店」で記憶を売買する裏稼業をしている。 人から記憶を買い取り、欲しがっている人に売るのだ。 ある日二人は、謎のシンガーソングライター・星名の歌を路上ライブで聴いた。 不思議と涙がこぼれた良平。 興味を抱... -
国内ミステリー小説
高田崇史『QED 恵比寿の漂流』- 対馬で連続殺人事件発生!川に海に流れてくる首無し死体の謎とは!?
長崎県対馬、浜に乗り上げた小舟で、首無し死体が発見された。 舟の中で死体は、首からどす血を大量に流し、半ば浸かるように仰向けに横たわっていた。 通報を受けた警察署の雁谷巡査長は、現場に赴き、開口一番に叫んだ。 「またかい」 雁谷が叫ぶのも、... -
読書日記
西式豊『処刑館殺人事件』- ミステリ作家たちが自分の書いた謎に処刑される館へ【読書日記】
ミステリ作家が山奥の館に集められる。 外界との連絡を絶たれる。 そこに処刑道具が並べられている。 そして、ひとりずつ殺されていく。 本格ミステリを愛する者にとって、この状況が好きではない人なんているだろうか。 危険だと分かっている。絶対にろく... -
読書日記
『マイ・ゴーストリー・フレンド』- 王道の団地ホラーだと思って読んでたら、ギリシャ神話が歩いてきてSF大作になった【読書日記】
ホラーを読むつもりだった。 団地ホラー。Jホラー。消えゆく住人と、呪われた部屋。 そんな定番の安心感に身を委ねるつもりで手に取った『マイ・ゴーストリー・フレンド』は、予想以上にずっと遠くまで、私を連れていってしまった。 カリベユウキのデビュ... -
国内ミステリー小説
相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』- 犯人をあざと可愛く追い詰める美少女探偵シリーズ第三弾
15歳の少年・夏木蒼汰は憔悴していた。 ある目的のために友人の別荘に忍び込んだところを、その母親に見つかって揉み合いになり、気が付けば彼女が腹部から血を流して死んでいたのだ。 そして自分の右手には、血まみれの包丁が……。 友人になんと言えばいい...
