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稲羽白菟『オルレアンの魔女』- 映画祭の町にセレブが集うとき、連続殺人の幕が上がる
ソプラノ歌手の天羽七音美は、新作オペラ『オルレアンの聖女』の主役に選ばれた。 「黒髪のジャンヌ・ダルク役」として大抜擢されたのである。 プロモーションのために、フランスのカンヌへと向かう七音美。 しかしそこで恐ろしい事件に巻き込まれてしまう... -
矢庭優日『エゴに捧げるトリック』- 本書に仕掛けられた人類の存亡を左右するトリックとは?
2105年現在、Extraordinary Ghost Octopus – 通称「EGO」と呼ばれる怪物達に世界を支配され、人類は危機に瀕している。 そんな時代の中、「エスペリオン」と呼ばれる催眠術師の養成校に、「僕」こと、吾妻福太郎という一人の転校生がやってきた。 福太郎が... -
倉知淳『死体で遊ぶな大人たち』- 変な死体×本格ミステリ。奇想と論理が交錯する、デビュー30周年の挑戦
倉知淳氏は、日本のミステリ界において、ユニークな立ち位置を確立している作家さんです。『星降り山荘の殺人』や、『猫丸先輩シリーズ』などで知られ、緻密な論理と遊び心あふれる奇抜なトリック、そして軽妙なユーモアを融合させた作風で、多くの読者を... -
野島夕照『片翼のイカロス』- 上空500mでヘリと人間が衝突。奇々怪々な謎に迫るどんでん返しミステリ
ミステリ界に新たな才能が登場しました。野島夕照氏です。同氏は、島田荘司氏が選考を務める第16回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞において、本作『片翼のイカロス』で見事優秀作を受賞し、華々しいデビューを飾りました。 この賞は、本格ミステリの書... -
由野寿和『再愛なる聖槍』- 全体未聞の観覧車ジャック事件に元刑事が立ち向かう
元刑事の仲山は、離婚後5年ぶりに会った娘を連れてテーマパークに行った。 久々に娘と過ごす時間にぎくしゃくしながらも、仲山は一緒に楽しもうと巨大観覧車ドリームアイに乗る。 ところが動き出してすぐに、事件が起こった。 観覧車が何者かにジャックさ... -
アンソニー・ホロヴィッツ『殺しへのライン』- 奇妙な殺人事件を追う作家と探偵の痛快ミステリー
作家のホロヴィッツは探偵のホーソーンと一緒に文芸フェスに参加するため、オルダニー島を訪れた。 ところが島では開発事業を巡って住民たちの争いが起こっていた上、フェスの参加者たちもどことなく不穏な様子だった。 嫌な予感がする中、案の定パーティ... -
『スクイッド荘の殺人』- 断崖絶壁の閉鎖空間で忍び寄る殺人者!烏賊川市シリーズ13年ぶりの長編
暇を持て余していた私立探偵・鵜飼杜夫のもとに久しぶりに依頼が来た。 有力企業の社長・小峰が「脅迫状が届いたためボディガードをしてほしい」というのだ。 鵜飼は喜んで引き受け、小峰がクリスマスに過ごす予定の高級宿泊施設「スクイッド荘」に、助手... -
村崎 友『風琴密室』- 二度読み必至。犯人の名が明かされるとき、世界は一変する
小学校5年生の夏、リョータの楽しかった日々は悲しすぎる終わりを迎えた。 好きになりかけていた女の子・雨ちゃんが転校し、兄・コーちゃんが川で溺死したからだ。 6年後、高校2年生になったリョータは、廃校となった母校で雨ちゃんと再会する。 戸惑いつ... -
『ブラウン神父の不信』- これを読まずしてブラウン神父は語れない傑作「犬のお告げ」「ムーン・クレサントの奇跡」
G・K・チェスタトンの『ブラウン神父の不信』は、ブラウン神父シリーズの中でもひときわ異色の作品集です。本書に収められた短編は、いずれも「信仰とはなにか」「奇跡とはなにか」といった重厚なテーマを、ユーモアと逆説の技法で描き出しています。 タイ... -
『世界の終わりの最後の殺人』- 人類絶滅まで46時間。阻止したければ、殺人事件の謎を解け
スチュアート・タートン氏は、そのデビュー作『イヴリン嬢は七回殺される』や第二作『名探偵と海の悪魔』において、常に読者の想像の斜め上を行く独創的なミステリーを世に送り出してきました。読者をあっと言わせる仕掛けと、ジャンルを越境する物語作り...