人気記事
-
短編集
歌野晶午『それは令和のことでした、』- 今の時代ならではの落とし穴を描いたブラックなミステリー短編集
太郎は、学校でいじめられてばかりだった。 人とは異なる価値観を持つ母親に、世間とは合わない生き方を強要されていたからだ。 ランドセルは重いからと使わせてもらえず、フリルのついたシャツを着せられ、スカートをはかせられ…。 この母親は、学校に対... -
読書日記
『眠れるアンナ・O』- 4年間眠りっぱなしの容疑者? この設定、反則級に引き込まれる【読書日記】
「人は人生の3分の1を眠って過ごす」なんてのはよく聞くけど、ブレイクはそこからもう一歩踏み込む。 「じゃあ、その間に人は何ができる?」と、ちょっと挑発的な質問を投げてくる。この時点で「この人ただのスリラー作家じゃないな」と思った。 で、本題... -
海外ミステリー小説
『ヨルガオ殺人事件』- 『カササギ殺人事件』の続編。極上の犯人当てミステリ
ミステリ編集者を辞めクレタ島でホテル経営をしていたスーザンの元に、イギリスで同じくホテル経営をしている老夫婦が訪ねてきた。 なんでも、8年前に彼らのホテルで起きた解決済みの殺人事件に関連して、ある秘密に気づいた彼らの娘が失踪してしまったの... -
国内ミステリー小説
手代木正太郎『涜神館殺人事件』- 狂乱の幽霊屋敷にイカサマ霊媒師が挑む
エイミー・グリフィスは、妖精を呼び出す力を持つ霊媒師……というフリをしている自称霊能力者。 「妖精の淑女」と呼ばれ注目を集めているが、ステージで観客に見せる妖精召喚は、ちょっとした演出にすぎなかった。 そんなエイミーのもとに、招待状が届いた... -
読書日記
『この会社は実在しません』- 「社員は家族です」という呪い【読書日記】
古びた段ボール箱。赤いマジックで書かれた「開封厳禁」の四文字。 始まりは、そんな地味で、でもちょっと不穏な光景だ。 舞台はどこにでもありそうな製菓会社。その新入社員が書庫の隅で見つけた段ボールを開けてしまったことから、ヨシモトミネの『この... -
国内ミステリー小説
早坂吝『四元館の殺人』- 本格ミステリの奇才が館ミステリの新たなる地平を切り開く
新たな犯罪計画を企て犯罪オークションを開催する犯人のAI・以相(いあ)。 そのオークションの落札主はとある館に住むたった10歳の少女だった。 何者かに殺された従姉の復讐のため、その少女は殺人を叶えたいという……。 そんな不穏な話を知った探偵AIの相以... -
国内ミステリー小説
『●●にいたる病』- その病は読者にも感染する。我孫子武丸から始まる地獄のアンソロジー
1992年に発表された我孫子武丸の『殺戮にいたる病』は、もはやただの小説ではない。あれは、ジャンルというジャンルの奥底にウイルスを仕込んでいった文学的病原体だ。 構造が異常、語りが異常、結末が異常。30年以上経っても、いまだにこの作品の症状は日... -
国内ミステリー小説
木爾チレン 『二人一組になってください』- 誰と組んで誰を見捨てる?特別授業という名のデスゲーム
卒業式の朝、私立八坂女子高校の3年1組27名は、教室に入った途端、唖然とした。 黒板に奇妙なルールが書かれていたのだ。 【特別授業】 ・二人一組になること。 ・誰とも組めなかった者は失格。 ・失格者が確定したら、残った生徒たちで次の回を始める。 ... -
読書日記
『ハウスメイド』- なぜ脳外科医が書いたスリラーが世界を熱狂させたのか?【読書日記】
最初に断っておくけれど、『ハウスメイド』は、文学性や精緻な心理描写に惹かれて読む本ではない。 そういうタイプの小説を探している人には、このドアは開けなくていいと思う。 けれど、「ページをめくる手が止まらない」ってやつを久しぶりに味わいたい... -
海外ミステリー小説
『処刑台広場の女』- 彼女は名探偵なのか、それとも死を招く者なのか
1930年、ロンドン。 元判事の娘で、若く美しい資産家のレイチェル・サヴァナクは、名探偵として活躍していた。 警察も舌を巻くほどの見事な手腕で事件を解決するレイチェルだったが、奇妙な疑惑もあった。 彼女が関わった事件の犯人が、なぜか法の裁きの前...
