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【自作ショートショート No.23】『ある商品』
ピンポーン。 チャイムの音が鳴り響き、家事に勤しんできた主婦は玄関に向かう。 玄関のドアについたのぞき穴から外を覗くと、そこには紺色のスーツを着たセールスマンと思しき男が立っていた。 「訪問販売かしら?」 主婦は出るかどうか迷っていた。 ピン... -
【自作ショートショート No.22】『前借り』
「くそっ!また負けちまった……」 悲鳴と歓声がひろがる競馬場では、中年の男が、悔しそうに馬券をクシャっと握りつぶしていた。 「うーん、俺も負けだ。八番の馬がもう少しがんばってくれたらよかったんだけどな」 「けっ、お前はさっきのレースで大勝ちし... -
【自作ショートショート No.21】『完璧な家』
街角にある家が売り出されていた。 なんでもその家は、近未来の技術を使った実験的な建物であるとのことだった。 そして『常に完璧な状態に保たれる非常に優れた家』というのが謳い文句であった。 どのようにして完璧な状態を保つのかというと、家の中を機...