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読書日記
平山夢明『俺が公園でペリカンにした話』- 笑えるのに地獄、地獄なのに読める【読書日記】
平山夢明という人は、正直ホラーとかバイオレンスとか、そういう棚に雑に押し込むと怒られそうな作家だ。 というか、棚ごと蹴り倒してくる。社会の端っこ、倫理の縁、身体感覚のギリギリ。そこに転がっている見ないことにされがちなものを、真正面から掴ん... -
読書日記
『壁から死体?』- 謎とスパイスの香り漂う屋敷で、壁から死体がこんにちは!【読書日記】
子供の頃、夢見たことがある。 たとえば、本棚がスーッと横に動いて、奥に秘密の書斎が現れるとか、古びた柱時計の中に人が入れる秘密通路があるとか、壁に「ひらけごま!」と唱えるとクルッと回転して隠し部屋が登場するとか。 あれだ。アニメや絵本の中... -
読書日記
『#ニーナに何があったのか?』- ハッシュタグが裁く真実、親たちが背負う地獄【読書日記】
大学生のニーナとサイモン。あの週末、誰もが想像するような若いカップルの休暇だったはずだ。山間の別荘、恋人同士、自然の中でのんびりと過ごす休日。 でも、その週末が終わったときに帰ってきたのはサイモンだけだった。ニーナは姿を消した。そしてそれ... -
海外ミステリー小説
なぜ『ユダの窓』は、数ある密室ミステリの中でも特別なのか?【傑作小説エッセイ】
ジョン・ディクスン・カーを読んでいてまず思うのは、この作家は「不可能犯罪」というものに取り憑かれていたのだろう、ということである。 トリックを考えるのが好き、密室をひねくり回すのが好き、不可能犯罪という言葉の響きそのものを愛している。しか... -
読書日記
『謎ときエドガー・アラン・ポー』- 200年越しの挑戦状。誰も気づかなかった、もうひとつの完全犯罪【読書日記】
「なぜポーは、たった3本でデュパン終わらせたのか?」 ミステリ好きなら一度は疑問に思ったことがあると思う。 探偵小説の元祖、エドガー・アラン・ポー。あの『モルグ街の殺人』で世界初の名探偵オーギュスト・デュパンを登場させた伝説の作家だ。 しか... -
読書日記
『封鎖館の魔』- 鬼才・飛鳥部勝則がガチ館ミステリを書くとこうなる【読書日記】
館ミステリというジャンルには、どうしたって抗いがたい魅力がある。 奇妙な建築、閉ざされた空間、そこで起きる不可能犯罪。 この三点がそろうと、それだけで機嫌がよくなってしまう。だが、ときどきその楽しさを飛び越えて、これはいったいどこまで行く... -
読書日記
『英国幽霊屋敷譚傑作集』- 19世紀の館に取り憑かれる。ヴィクトリア朝怪談アンソロジーの魅力【読書日記】
「イギリスには幽霊がつきもの」 こう言っても、あまり大げさじゃない。 イギリス旅行のパンフレットを開けば必ず出てくる「怪談ツアー」や「幽霊の出る館」。歴史が古いだけに、城や館の数も多く、そのどれもが「何かあっても不思議じゃない」雰囲気を漂... -
ホラー小説
雨宮酔『夢詣』- 読んだその夜から、あなたも順番待ち
ホラー小説には、大きく分けて二種類あると思う。 一つは、どこか遠くの不気味な世界で起きる超常的な恐怖を描くもの。 もう一つは、もっと身近な日常にひたひたと侵食してくるタイプのやつ。 雨宮酔『夢詣』は、まさにその後者、しかもその中でも一線を画... -
自作ショートショート
【自作ショートショートNo.66】『のっとる呪文』
冒険家のアドは古びた地図を頼りに森の中を進んでいた。 昼間だというのに、茂った木々に日光を遮られて辺りは薄暗い。 膝辺りまで伸びた草を踏み荒らしながら、ぐんぐん森の奥深くへと進んでいく。 時折、木の根に足を取られながらも、その足取りは力強い... -
短編集
入ってはいけない部屋に入ってしまった -『奥の部屋:ロバート・エイクマン短篇集』
ホラーでもない。怪談でもない。 けれど、読んでいると確かに怖い。 ジャンルの枠にきっちり収まる作品もいいけれど、たまにはその枠ごと吹き飛ばしてくるやつに出会いたくなる。 そんなとき脳が勝手に反応してしまうのが、20世紀イギリスの最も分類不能な...
