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由野寿和『再愛なる聖槍』- 全体未聞の観覧車ジャック事件に元刑事が立ち向かう
元刑事の仲山は、離婚後5年ぶりに会った娘を連れてテーマパークに行った。 久々に娘と過ごす時間にぎくしゃくしながらも、仲山は一緒に楽しもうと巨大観覧車ドリームアイに乗る。 ところが動き出してすぐに、事件が起こった。 観覧車が何者かにジャックさ... -
『夜明けまでに誰かが』- 8時間の密室地獄へようこそ。閉じた車内で、人間はどこまで人間でいられるか【読書日記】
ホリー・ジャクソンの名前を聞くと、まず思い浮かぶのは『自由研究には向かない殺人』だ。 高校生探偵ピップの華麗な推理劇に胸を躍らせた読者は多いと思う。あれは正統派の「フーダニット(誰がやったか)」、つまり犯人探し型ミステリーだった。 しかし... -
村崎 友『風琴密室』- 二度読み必至。犯人の名が明かされるとき、世界は一変する
小学校5年生の夏、リョータの楽しかった日々は悲しすぎる終わりを迎えた。 好きになりかけていた女の子・雨ちゃんが転校し、兄・コーちゃんが川で溺死したからだ。 6年後、高校2年生になったリョータは、廃校となった母校で雨ちゃんと再会する。 戸惑いつ... -
アンソニー・ホロヴィッツ『殺しへのライン』- 奇妙な殺人事件を追う作家と探偵の痛快ミステリー
作家のホロヴィッツは探偵のホーソーンと一緒に文芸フェスに参加するため、オルダニー島を訪れた。 ところが島では開発事業を巡って住民たちの争いが起こっていた上、フェスの参加者たちもどことなく不穏な様子だった。 嫌な予感がする中、案の定パーティ... -
伊坂幸太郎 『777 トリプルセブン』- 物騒な連中が集まるホテルで不運な殺し屋が大奮闘
ツキがなく、やることなすこと全て裏目に出てしまう殺し屋・七尾。 今回の依頼は、「ウィントンパレスホテル2010号室にいる父に、プレゼントの似顔絵を届けてほしい」という簡単な仕事だった。 さっそくホテルに向かう七尾だが、やはりツキのなさが祟り、... -
『朝からブルマンの男』- 2,000円のコーヒーをなぜいつも残すのか?から始まる、とびきりの日常の謎5連発【読書日記】
2000円のコーヒーなんて、そもそも注文するだけでも勇気がいる。 それを、週に三度も頼んで、しかも毎回5,000円札で支払い、なぜか半分ほど残して帰っていく――そんな男がいたら、誰だって気になって仕方ないはずだ。 水見はがねのデビュー作『朝からブルマ... -
チョン・ヘヨン『誘拐の日』- 韓国で話題沸騰の巻き込まれ型ミステリー!
この物語は、気弱な誘拐犯「ミョンジュン」と頭脳明晰な天才少女「ロヒ」の出会いから始まる。 ある日、娘の手術費用に困っていたミョンジュンは、誘拐を試みようとして一軒の豪邸に狙いを定めた。 しかし、目的地へ向かっている最中、豪邸から突如飛び出... -
ジェフリー・ディーヴァー『真夜中の密室』- どんな鍵でも開けて侵入する怪人との頭脳戦
ニューヨークでは、深夜に「ロックスミス(開錠師)」と名乗る怪人が女性インフルエンサー宅に侵入するという事件が相次いでいた。 厳重に鍵をかけた部屋に入り、寝ていた女性に危害を加えることなく下着と包丁だけを盗んで去って行くのだ。 現場に残され... -
三津田信三『犯罪乱歩幻想』- 本格ミステリ大賞受賞の鬼才が乱歩に挑む
江戸川乱歩の小説世界に魅了された作者による、トリビュート5編に短編2編を加えたミステリ短編集。 “退屈病”に侵された青年が引っ越し先のアパートで体験する小さな異変の数々(「屋根裏の同居者」)。 赤い部屋に招かれたゲストが語る、猟奇的な話とその... -
『木曜殺人クラブ 逸れた銃弾』- 詐欺に脅迫に殺人に、シニアがますます頑張る第三弾
高齢者用の高級住宅クーパーズ・チェイスには「木曜殺人クラブ」と呼ばれる集会があり、メンバーたちは過去に迷宮入りとなった未解決事件について、様々な推理や議論を楽しんでいた。 今回のテーマは、約10年前に起こった女性キャスター殺人事件。 地元ニ...