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この衝撃、神の領域。清涼院流水『ジョーカー 旧約探偵神話』で常識を覆す体験を
1996年、清涼院流水氏は『コズミック 世紀末探偵神話』でミステリ界に彗星のごとく現れ、その圧倒的なスケールと奇抜な発想で読書界に衝撃を与えました。その翌年、1997年に講談社ノベルスから刊行されたのが、長編ミステリ『ジョーカー 旧約探偵神話』で... -
『寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理』- 読んでも解けない、読んだのに怖い。三津田信三の呪いにかかった夜【読書日記】
三津田信三を読むと、毎回「あぁ、やっぱりこの人すごいな」と唸ってしまう。 ホラーとミステリを組み合わせる作家は他にもいるけれど、「曖昧性」そのものを物語のエンジンにしてる作家はそうそういない。 怖いのか? 謎なのか? どっちでもあり、どっち... -
『アルファベット荘事件』- トリックメーカー北山猛邦さんが贈る幻想ミステリ
巨大なアルファベットのオブジェがいたるところに置かれた『アルファベット荘』。 岩手県の美術商が所有するその屋敷には、オブジェの他に『創生の箱』と呼ばれるものが置いてあった。 『創生の箱』を所有したものはみな死ぬという不気味な伝説を持つ箱。 ... -
矢庭優日『エゴに捧げるトリック』- 本書に仕掛けられた人類の存亡を左右するトリックとは?
2105年現在、Extraordinary Ghost Octopus – 通称「EGO」と呼ばれる怪物達に世界を支配され、人類は危機に瀕している。 そんな時代の中、「エスペリオン」と呼ばれる催眠術師の養成校に、「僕」こと、吾妻福太郎という一人の転校生がやってきた。 福太郎が... -
若竹七海『まぐさ桶の犬』- タフで不運すぎる女探偵が帰ってきた
ミステリ作家や熱心なファンから熱い支持を受ける若竹七海氏の葉村晶シリーズが、新たな長編で私たちの元へ帰ってきました。タフでありながらあまりにも不運な女探偵、葉村晶。彼女の存在は、現代日本ミステリの中でも独特の輝きを放っています。 このシリ... -
どんでん返し好き必読の短編集『クリスマス・プレゼント』『ポーカー・レッスン』
「どんでん返しの魔術師」として世界中のミステリファンを魅了するジェフリー・ディーヴァー。 彼の名前を聞いて、まず『ボーン・コレクター』などを始めとした科学捜査官リンカーン・ライムが活躍する長編シリーズを思い浮かべる方も多いでしょう。 しか... -
『スクイッド荘の殺人』- 断崖絶壁の閉鎖空間で忍び寄る殺人者!烏賊川市シリーズ13年ぶりの長編
暇を持て余していた私立探偵・鵜飼杜夫のもとに久しぶりに依頼が来た。 有力企業の社長・小峰が「脅迫状が届いたためボディガードをしてほしい」というのだ。 鵜飼は喜んで引き受け、小峰がクリスマスに過ごす予定の高級宿泊施設「スクイッド荘」に、助手... -
稲羽白菟『オルレアンの魔女』- 映画祭の町にセレブが集うとき、連続殺人の幕が上がる
ソプラノ歌手の天羽七音美は、新作オペラ『オルレアンの聖女』の主役に選ばれた。 「黒髪のジャンヌ・ダルク役」として大抜擢されたのである。 プロモーションのために、フランスのカンヌへと向かう七音美。 しかしそこで恐ろしい事件に巻き込まれてしまう... -
鈴木光司『ユビキタス』- 『リング』の著者による、不可避の絶望を描いたホラー長編
日本ホラー界の巨匠、鈴木光司氏が約16年ぶりとなる待望の完全新作長編ホラー『ユビキタス』を発表されました。 かつて『リング』シリーズで世界を席巻した著者が、再び私たちをどのような恐怖の世界へといざなうのでしょうか。 この長い沈黙の期間は、単... -
『世界の終わりの最後の殺人』- 人類絶滅まで46時間。阻止したければ、殺人事件の謎を解け
スチュアート・タートン氏は、そのデビュー作『イヴリン嬢は七回殺される』や第二作『名探偵と海の悪魔』において、常に読者の想像の斜め上を行く独創的なミステリーを世に送り出してきました。読者をあっと言わせる仕掛けと、ジャンルを越境する物語作り...