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海外ミステリー小説
誰でもハマる『ワシントン・ポー』シリーズの魅力と闇 – これが現代英国ミステリの沼です。
いまイギリスのミステリ界は豊作と言われているが、その中でもひときわ存在感を放っているのがM・W・クレイヴンの【ワシントン・ポー】シリーズだ。 デビュー作『ストーンサークルの殺人』でいきなり英国推理作家協会賞の最高峰・ゴールド・ダガー賞を獲得... -
海外ミステリー小説
アリス・フィーニー『彼は彼女の顔が見えない』- 不仲の夫婦は閉ざされたチャペルで何を見たのか
夫婦として冷え切ってしまっているアダムとアメリア。 関係を見直すためにスコットランドへ旅行に行くが、道中も言い争いばかり。 しかも吹雪に見舞われてしまう。 ようやくたどり着いたチャペルは、古くて真っ暗で、まるでホラー映画のようだった。 引き... -
読書日記
『寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理』- 読んでも解けない、読んだのに怖い。三津田信三の呪いにかかった夜【読書日記】
三津田信三を読むと、毎回「あぁ、やっぱりこの人すごいな」と唸ってしまう。 ホラーとミステリを組み合わせる作家は他にもいるけれど、「曖昧性」そのものを物語のエンジンにしてる作家はそうそういない。 怖いのか? 謎なのか? どっちでもあり、どっち... -
国内ミステリー小説
森バジル『なんで死体がスタジオに!?』- 出演俳優が殺され、爆破予告まで!生放送は一体どうなる?
ドジっ子プロデューサーの幸良には、もう次がなかった。 今回任されたゴールデンタイムの2時間特番バラエティ、ここで失敗すると、今後は制作から降ろされてしまうのだ。 幸良にとっては、絶対にコケるわけにはいかない、命運のかかった番組。 幸い大物俳... -
海外ミステリー小説
アリッサ・コール『ブルックリンの死』- 街の歴史から紐解く都市再開発の影
舞台となるのは、ブルックリンの古き良き時代の住宅街。 その町で生まれ育ったシドニーは、隣人の顔が次々と変わっていくことに気がつく。 そして、彼女は新住民のセオと手を組み、この謎を解明していくべく町の歴史を辿る冒険へ出かける。 ただ、その道中... -
海外ミステリー小説
『ブラウン神父の不信』- これを読まずしてブラウン神父は語れない傑作「犬のお告げ」「ムーン・クレサントの奇跡」
G・K・チェスタトンの『ブラウン神父の不信』は、ブラウン神父シリーズの中でもひときわ異色の作品集です。本書に収められた短編は、いずれも「信仰とはなにか」「奇跡とはなにか」といった重厚なテーマを、ユーモアと逆説の技法で描き出しています。 タイ... -
読書日記
『夜明けまでに誰かが』- 8時間の密室地獄へようこそ。閉じた車内で、人間はどこまで人間でいられるか【読書日記】
ホリー・ジャクソンの名前を聞くと、まず思い浮かぶのは『自由研究には向かない殺人』だ。 高校生探偵ピップの華麗な推理劇に胸を躍らせた読者は多いと思う。あれは正統派の「フーダニット(誰がやったか)」、つまり犯人探し型ミステリーだった。 しかし... -
国内ミステリー小説
この衝撃、神の領域。清涼院流水『ジョーカー 旧約探偵神話』で常識を覆す体験を
1996年、清涼院流水氏は『コズミック 世紀末探偵神話』でミステリ界に彗星のごとく現れ、その圧倒的なスケールと奇抜な発想で読書界に衝撃を与えました。その翌年、1997年に講談社ノベルスから刊行されたのが、長編ミステリ『ジョーカー 旧約探偵神話』で... -
海外ミステリー小説
『卒業生には向かない真実』- 警察や司法、正義の在り方を問う衝撃のシリーズ完結編
大学入学を目前に控えたピップだが、気持ちは暗く沈んでいた。 前回の事件の結末に深く悲しみ、傷つき、憤り、精神的にボロボロの状態になってしまったからだ。 そんなピップに、新たな悲劇が襲い掛かる。 無言電話がかかってきたり、家の前に不気味な絵が... -
海外ミステリー小説
アビール・ムカジー『カルカッタの殺人』- その殺人は政治絡みか、それとも暴動の前触れか
1919年、大英帝国の統治下にあるインドのカルカッタで、白人の高級官僚が何者かに殺害された。 しかも喉を掻き切られ、片目をえぐられ、手足を折られ、指を切り取られ、さらに口に血まみれのメモを詰め込まれるという凄惨な殺され方だった。 メモにはベン...










