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紺野天龍『神薙虚無最後の事件』- いくつもの真相が興味をそそる多重解決ミステリー
大学で名探偵倶楽部に所属している白兎(はくと)と志希(しき)は、ある日道端で倒れそうになっていた唯を助ける。 彼女はミステリー作家・御剣の娘で、20年前に父が著したベストセラー『神薙虚無最後の事件』に残された謎を追っていた。 この本は実在の高校... -
山沢晴雄『ダミー・プロット』巧妙な替え玉トリックに翻弄される、幻の長編ミステリー
ルポライターの香子は、庁舎勤めの大幹がホテルで女性と一緒にいるところを目撃し、証拠写真を撮って金をせびろうとする。 一方服飾デザイナーの涼子は、自分と顔立ちがそっくりなOLの初子に、替え玉になるよう頼む。 また商社マンの風山は、殺人容疑をか... -
『木曜殺人クラブ 二度死んだ男』- スパイとマフィアが絡む大事件に、老人探偵たちが挑む
高齢者施設クーパーズ・チェイスに住む木曜殺人クラブのメンバーたちは、毎週木曜日に集まり、過去の未解決事件を推理して楽しんでいた。 その一人である元諜報員エリザベスのもとに、死んだはずの元夫ダグラスから連絡がきた。 どうやらダグラスは、二千... -
佐藤青南『犬を盗む』- 殺された資産家老女の愛犬が知る真実とは?
高級住宅街で一人暮らしをしている老女が、何者かに殺害された。 預金通帳や現金が盗まれており、金品目的の犯行かと思われたが、現場には不審な点があった。 犬を飼っている形跡があるのに、その犬がどこにも見当たらないのだ。 まさか犯人は犬も一緒に盗... -
荒木あかね『此の世の果ての殺人』- 人類の滅亡が確定した世界で起こる猟奇的な連続殺人事件
人類は、あと2ヶ月余りで滅亡することになった。 直径7kmを超える小惑星テロスが、地球に衝突すると判明したのだ。 世界中がパニックに陥り、特に衝突地点と予測されている日本の九州地方からはほとんどの人々が逃げ出した。 生き延びる可能性は皆無だが、... -
『霊魂の足』- 戦後の時代背景のもとで起きた事件に迫るミステリ短編集
本作は、昭和21年に起きた事件をもとに、終戦後まもなくの複数の出来事を描いた物語です。 隣客の古いトランクを入れ替える男を尾行して、行動の動機を探る謎解き物語『怪奇を抱く壁』や、読者のミスリードへと繋げる巧妙なトリックが仕掛けられた『緑亭の... -
早坂吝『犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー』- 奇想とロジックが宙を舞う超絶推理バトル
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神が探偵だったら?『神探偵イエス・キリストの冒険』という異次元ミステリ
『神探偵イエス・キリストの冒険』――このタイトルを目にした瞬間、多くの読者は驚きと好奇心を禁じ得ないでしょう。名探偵役を務めるのは、他ならぬイエス・キリストその人。そして著者は、日本のミステリ界において、常に型破りな作品を世に問い、ジャン... -
【自作ショートショートNo.72】『娯楽依存症』
あるところにとても平和な国があった。 この国は働かなくても暮らしていくことができるくらい豊かだったので、国民たちはみんな毎日を楽しく遊んで暮らしていた。 子供はもちろんのこと、若者も老人もみんな仕事をしていないので、時間だけはたっぷりある... -
高田崇史『QED 恵比寿の漂流』- 対馬で連続殺人事件発生!川に海に流れてくる首無し死体の謎とは!?
長崎県対馬、浜に乗り上げた小舟で、首無し死体が発見された。 舟の中で死体は、首からどす血を大量に流し、半ば浸かるように仰向けに横たわっていた。 通報を受けた警察署の雁谷巡査長は、現場に赴き、開口一番に叫んだ。 「またかい」 雁谷が叫ぶのも、...