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クリスティン・ペリン『白薔薇殺人事件』- 大叔母はなぜ殺された?60年分の日記に真相が潜む
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冲方丁『骨灰』- 無数の死者を踏みつけて発展する東京を描いたモダンホラー
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英国カンブリア州の売春宿で、男が金属バットで撲殺された。 現場は首脳会談が開催される予定のスカーネス・ホールの近くで、被害者は首脳会談の参加者を輸送するヘリコプター会社の社長だった。 この奇妙な符合に、政府は首脳会談を狙ったテロの可能性を... -
神津凛子『スイート・マイホーム』- 読んだことを悔やむ「オゾミス」の名作
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中西智明『消失!』- 前代未聞のトリック。新本格が生んだ伝説のカルトミステリ
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衣刀信吾氏の『午前零時の評議室』は、第28回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した、注目すべきデビュー作です。この受賞は、新人作家の登場を告げるにとどまらず、ミステリというジャンルに新たな才能が本格的に挑戦したことを強く印象づけました。新...