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吉田恭教『四面の阿修羅』- 凌辱、拷問、バラバラ殺人…何が人を阿修羅に変えたのか
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2025年6月に読んで特に面白かった小説7冊 – 小倉千明『嘘つきたちへ』ほか
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呉勝浩『素敵な圧迫』- 胸を貫くカタルシス。文学性を併せ持つ珠玉のミステリ短編集
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『伊根の龍神』- 伝説と現代が交錯する、御手洗潔シリーズ最新作の深淵
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MWクレイヴン『グレイラットの殺人』- 首脳会談を狙ったテロ?世界を揺るがす事件の真実とは
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冲方丁『骨灰』- 無数の死者を踏みつけて発展する東京を描いたモダンホラー
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