自作ショートショート– category –
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【自作ショートショート No.20】『願いの代償』
ある男が魔神の出てくるランプを見つけた。 男が早速ランプを擦ると、モクモクと煙が立ち上って魔人が飛び出してきた。 「お前の願いを叶えてやろう」 出て来た魔人は男に向かってそう言った。 「叶えられる願いはいくつだ?」 「いくつでも構わない」 男... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.19】 『始まりと終わり』
いくつもの惑星が浮かぶ銀河、その暗黒の中を一隻の宇宙船が航行している。 その周りには無数の小さな隕石が行き交っていたが、自動航行システムのおかげで航行には何の危険もなかった。 宇宙船を操縦するのは二体の宇宙人。この二体に性別はないが、ここ... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.18】 『争いの終わり』
人間は、争う生き物である。 まだよちよち歩きのころから、お気に入りのおもちゃを取り合っているし、大人になるにつれて争いは激しくなっていく。 いまこの瞬間にも、世界の至るところで、数えきれないほどの争いが起きているのだ。 争いは次第に拡がり、... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.17】『路地裏のレストラン』
「なぁ、知ってるか?路地裏のレストランの話」 大柄で太めの男が、半分ほどになったタバコをふかしながら言った。 その正面では、小柄な男が、目を細めながらタバコに火をつけている。 「路地裏のレストラン?なんだよそれ」 「繁華街の北側にある路地裏... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.16】『現実的な不老不死、または最悪の地獄について』
A県の山奥にある、とある研究所。 ここでは不老不死に関する実験が行われていた。 研究所に在席しているのは、S博士とその助手の男だけ。 小さな研究所ではあったが、博士の優れた才能により、不老不死の研究は着実に進んでいた。 「これより本日の実験... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.15】『悪魔のささやき』
「ようやくお前ともお別れだな」 「はい、お世話になりました。これからは真面目に働きます」 五、六メートルはあろうかという灰色の塀の下では、ワイシャツ姿の男が、紺色の制服を着た男に向かって頭を下げていた。 「そうだぞ。やっと刑期を終えたんだか... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.14】『誘拐』
犯罪に美学や切実な事情があるなどというのは、小説や映画の世界の話に過ぎない。 いや、それは過言かもしれないが、現実に起こる犯罪の九分九厘はどうしようもない所以によって引き起こされたものだ。 この場合の犯罪というのは、不注意やそれと知らずに... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.13】『死神の存在』
そのバーは、歓楽街の中心から、歩いて十五分ほどのところにあった。 ほどほどに薄暗く、心地いい音量のジャズをビージーエムに、二人の男が酒を酌み交わしている。 どうやら二人は旧知の仲らしく、久々に再開した、といった様子だった。 思い出話に花が咲... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.12】『コレクター』
人というものは、おうおうにして、何かを集めたくなる生き物のようだ。 小さい頃には、きれいな丸い石やいろいろな形の落ち葉を、誰に言われるでもなく集める子どもが多いし、大人になってからは、お気に入りのアーティストのグッズや、子どもの頃には少し... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.11】『歴史的発明』
N博士はこの一ヶ月で一躍世界の億万長者の仲間入りを果たした。 長年研究してきた透明人間になれる薬を遂に商品化し販売したところ、爆発的なヒットと相成ったのである。 実のところ、この薬は軍隊にだけ提供するという考えもあったのだが、日本出身の生...