自作ショートショート– category –
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【自作ショートショート No.41】『善行ポイント』
自分のことだけを考える人間が少しずつ増えてきて、だんだん世の中がギスギスしてきていた。 犯罪も増えており、些細な喧嘩は毎日のようにあちらこちらで起こっている。 そんな世の中を憂えた政府は、善行カードなるものを作り、国民に配布した。 このカー... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.40】『 囚人』
「クックック。今度の新入りはどんな奴なんだろうな。まぁどんな奴だろうが、前みたいにイビり倒してやるだけだけどな」 国の最果て、最高レベルの警備が敷かれる刑務所の一室で、見るからに悪そうな丸刈りの男が独り言をつぶやいていた。 男は数年前に殺... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.39】『セールスマン』
閑静な住宅街を、スーツ姿の男が歩いていた。 男はあたりをキョロキョロと見まわしながら、一軒、また一軒と家を眺めては、首をひねりながら隣の家に向かって歩いていく。 どうやらこの男は、手に持ったバッグの中身を買ってくれそうな客を求めて、チャイ... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.38】『理想の恋人』
若者に向けて、ある画期的なロボットが開発された。 それは簡単な設定をするだけで、理想の恋人に変身するというロボットだった。 見た目は人間そのもので、感情も持っている。 そのうえ、ロボットだから年は取らない。 恋人もおらず一人寂しい人生を送っ... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.37】『雪女』
「はぁはぁ、あともう少し」 雪深い山で遭難しかけていたサブロウは、寒さで意識が朦朧とする中、必死で山小屋を目指した。 「寒い。このままじゃ凍え死んじまう」 最後の力を振り絞って雪の中を進むも、とうとう足が止まってしまい、サブロウはその場に倒... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.36】『銀行強盗』
病院の建物を出たティー氏が振り返ると、娘がこちらに向かって手を振っているのが見えた。 病室の窓から健気に手を振る娘の姿に、ティー氏は胸が締め付けられる思いだった。 彼はもう一度、娘に笑顔を返してから、後ろ髪を引かれる思いで病院を後にした。 ... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.35】『記憶喪失の男』
「ん!?」 男はゆっくりと起き上がり、周囲を見回す。 「ここは……?」 見覚えのない部屋だった。男には自分がなぜそこにいるのか、全く記憶になかった。 室内は薄暗く、窓にはカーテンがかかっている。 「なんだここは?俺はいったい……」 なぜこんなとこ... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.34】『第一回宇宙対抗大食い選手権』
デイブは地球人代表として、スピカ星にやってきた。 代表者に選ばれたのは他に9人、みんな彼と同じ巨漢の持ち主だ。 それもそのはず、彼らはこの星で開催される大食い大会に出場するため、はるばる地球からやってきたのだから。 事の始まりは一か月前のこ... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.33】『実用的な掃除機』
『ゴミが消える掃除機ついに登場!』 カヨコはテレビから流れてきた声に、家事の手を止めた。 『ゴミを原子レベルにまで分解して消す画期的な掃除機「デリオ」新発売!髪の毛や埃、生ゴミはもちろん、家具や家電などの大型ゴミにも対応』 どうやら新型掃除... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.32】『働かない子供たち』
「ハッ、ハックション!」 自分のくしゃみの音で目が覚めてしまった。窓の外はまだ暗い。 枕元にあった時計を手に取ると、僕は一度ブルッと身震いをしてから、大声で母親を呼んだ。 「おーい、寒いじゃないか」 そのまま布団に縮こまって耳をすませていた...