自作ショートショート– category –
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【自作ショートショート No.51】『遭難』
まさか自分が遭難するとは夢にも思わなかった。 いや、思ったことはある。 小説や映画のように、前人未到の孤島に難破して、大自然を相手に悪戦苦闘しながらサバイバルして生き抜く妄想を。 実際には苦難の連続であろうが、どこかそういった行為にあこがれ... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.50】『生物学者エス博士の発見』
「これが例の魚ですか?」 「えぇ」 エス博士は水槽を漂う魚を眺めつつ、取材に来た科学雑誌の記者に答えた。 「ここにプラスチックゴミを入れると……」 エス博士がプラスチックゴミを水槽に投げ入れる。 たちまち魚が群がり、みるみるうちにゴミは消えてい... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.49】『ある怪盗の悲劇』
どんな時代、どんな国にも、他人から金や物を盗むことを生業にする、迷惑な泥棒が一定数は存在するものだ。 そんな泥棒の中でも、世界的に価値のある絵画や装飾品などを狙う大泥棒のことを、人々は怪盗と呼ぶ。 この国でも、Kと呼ばれる怪盗が巷を騒がせ... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.48】『空飛ぶ泥棒』
ドロンは金に困っていた。 情けないことに明日の食事にも事欠く有様で、今朝から何も食べていない。 「ちくしょー、腹減ったな」 ぐぅっと大きな音を立てる腹をさすりながら、ドロンはそっと辺りを伺う。 「今夜はどの家を狙おうか」 そう、彼の職業は泥棒... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.47】『天使になりたい』
あるところに、一人の悪魔がいた。 この悪魔は正真正銘生まれながらの悪魔であり、これまで何百年間も、悪魔らしく生き、悪魔らしく働いてきた。 悪魔の仕事と言えば、もちろん人間の世界に紛れて悪さをすることだ。 人間が急いで探しものをしている時に、... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.46】『ロボット介護士』
高齢化が進む時代。 若者が減った代わりに増えたものがある。 それはロボットだ。 ロボットはさまざまな分野で活躍するようになり、人類を労働から開放した。 それは介護士業界でも同じことが言えた。 介護士業界の仕事は、すべてロボットが担うようになっ... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.45】『地球をキレイに』
人類の発展に比例するように、地球の環境は悪化の一途を辿りつつあった。 工場や自動車は汚染物質を大量に吐き出し、海に漂う石油やプラスチックゴミは生態系を乱す。 人々は毎日のように物を作り出し、それらはいずれゴミとなる。このままでは地球の汚染... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.44】 『見習い天使の失敗』
エンゼはこれまでニ度の天使昇格試験に失敗した、落ちこぼれの見習い天使だ。 そして今回が三度目となる試験である。 次こそは絶対に合格してやると、勢い勇んではるばる人間たちの暮らす下界へとやってきたのだが—— 「久しぶりの下界だなぁ。前に来たのは... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.43】『理想の惑星』
「艦長、そろそろ目的の惑星に到着します」 「うむ。事前調査では、特に危険はなさそうだったが、何があるか分からない。無事に着陸するまで、気を抜かないでくれたまえ」 「了解!着陸準備に入ります!」 一隻の宇宙船のコクピットでは、若い操縦士とあご... - 自作ショートショート
【自作ショートショート No.42】『世紀の大発見』
レガ氏は考古学者を生業としており、フィールドワークとしてこれまで数えきれないほどの発掘調査に携わってきた。 しかし世紀の大発見などなかなかあるものではない。 いつか歴史を覆すような発見をしたい、そう思いながら今日も退屈な発掘作業を行ってい...