国内ミステリー小説– category –
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櫻田智也『六色の蛹』- 優しさが胸に沁み入る、昆虫好きの探偵の温かなミステリー
昆虫を愛し、調査のために全国を旅している青年・魞沢泉。 心優しい彼は、旅の道中で事件に遭遇した時には、傷ついた人の心に寄り添いつつ、持ち前の洞察力で謎を解き明かしてきた。 今回も魞沢は、向かう先々で様々な出来事に巡り会う。 狩猟中のハンター... -
森バジル『なんで死体がスタジオに!?』- 出演俳優が殺され、爆破予告まで!生放送は一体どうなる?
ドジっ子プロデューサーの幸良には、もう次がなかった。 今回任されたゴールデンタイムの2時間特番バラエティ、ここで失敗すると、今後は制作から降ろされてしまうのだ。 幸良にとっては、絶対にコケるわけにはいかない、命運のかかった番組。 幸い大物俳... -
今村昌弘『明智恭介の奔走』- 退場した探偵の知られざるエピソードを詰め込んだ短編集
あの明智恭介にまた会える!? 神紅大学3回生、ミステリ愛好会の会長にして名探偵、いやトラブルメーカーと言うべきか? とにかくミステリーが大好物で、古今東西のミステリーを読み漁り、日々推理力を鍛え、大学内で事件が起こっては首を突っ込み、華麗に... -
結城真一郎『難問の多い料理店』- 安楽椅子探偵シェフが謎解きをデリバリー
大学生の僕は、一人暮らしの費用をバイトで稼いでいた。 最近特に入れ込んでいるバイトが、ゴーストレストランのデリバリー、通称ビーバーイーツ配達員だ。 ある日僕は、オーナーシェフから妙な配達を頼まれた。 言われた住所に、USBメモリを届けてほしい... -
石持浅海『あなたには、殺せません』- 論議で犯罪発生を未然に防ぐ!?新感覚の倒叙ミステリ短編集
犯罪者には、実行前に迷いがあるものだ。この段階でもしも思い留まらせることができれば、犯罪の発生を防ぎ、世の中を良くしていくことができるのではないか。 この考えから、とあるNPO法人では、犯罪を迷う人々のための相談窓口が開かれていた。相方の裏... -
寺嶌曜『キツネ狩り』- 三年前を映す右目で未解決事件に挑む、特殊設定ミステリー
警察官の尾崎冴子は、バイクの事故で婚約者と右目の視力を失った。 現場検証から自損事故ということになったが、冴子にはどうしてもそうとは思えなかった。 あの日、バイクの目の前を黒い影が横切り、そのせいで事故が起こった気がするのだ。 あの影は一体... -
大山誠一郎『仮面幻双曲』- 双子トリックと整形トリックが交錯する正統派の探偵小説
昭和22年、東京で探偵事務所を営む川宮兄妹は、依頼を受けて滋賀県の双竜町にやってきた。 地域で名の知れた製糸会社の社長・占部文彦を、双子の弟・武彦から守ってほしいという依頼だ。 どうも武彦は文彦に恨みを抱いており、命を狙っているらしいのだ。 ... -
松城明『可制御の殺人』- 人間をシステムと捉え、殺人を実行させる理系ミステリー
大学院生の更科千冬は、「下」に見られたくないという思いから常にトップを独走してきた。 しかし友人の白河真凛は、千冬をあっさりと抜かした。 千冬の成績を超え、千冬の彼氏を奪い、さらには千冬が志望している就職先での推薦枠も得ようとしていた。 勝... -
島田荘司『ローズマリーのあまき香り』- 死してなお踊り続けたバレリーナの謎を御手洗潔が解き明かす
1977年、マンハッタンのバレエシアターでの公演中、主役のクレスパンが何者かに殺された。 調べによると、彼女の死亡推定時刻は二幕と三幕の間。 しかし奇妙なことに、彼女は三幕以降も舞台に上がり、最後まで踊りきったとのこと。 では死亡推定時刻が間違... -
北沢陶『をんごく』- なぜ妻は普通の霊になれず、この世をさまよっているのか
大正十三年、大阪。 関東大震災で結婚一年余りの妻・倭子を失った壮一郎は、四天王寺の巫女を訪ねた。 倭子の死をどうしても受け入れることができず、霊魂を降ろしてもらうためだった。 ところが巫女の降霊は、うまくいかなかった。 「なんや、普通の霊と...