国内ミステリー小説– category –
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中西智明『消失!』- 前代未聞のトリック。新本格が生んだ伝説のカルトミステリ
1990年、中西智明氏は講談社ノベルスから『消失!』を発表し、日本のミステリ界に鮮烈なデビューを果たしました。 当時22歳という若さで放たれたこの作品は、綾辻行人氏や有栖川有栖氏といった旗手たちが牽引した「新本格ミステリ」ムーブメントの渦中で生... -
高田崇史『QED 恵比寿の漂流』- 対馬で連続殺人事件発生!川に海に流れてくる首無し死体の謎とは!?
長崎県対馬、浜に乗り上げた小舟で、首無し死体が発見された。 舟の中で死体は、首からどす血を大量に流し、半ば浸かるように仰向けに横たわっていた。 通報を受けた警察署の雁谷巡査長は、現場に赴き、開口一番に叫んだ。 「またかい」 雁谷が叫ぶのも、... -
吉田恭教『龍のはらわた』- 十九年前の一家惨殺事件に繋がっていた恐ろしい陰謀とは
鏡探偵事務所の若き調査員・早瀬未央が失踪した。 早瀬の母親から捜索を依頼された探偵の槙野は、彼女に関する恐るべき事実を聞かされる。 それによると早瀬は、19年前に日野市で起こった一家惨殺事件の生き残りらしい。 その後伯母に引き取られて成長し、... -
吉田恭教『四面の阿修羅』- 凌辱、拷問、バラバラ殺人…何が人を阿修羅に変えたのか
捜査一課の女性刑事・東條有紀は、晴海埠頭の付近で発見されたバラバラ殺人事件について調べていた。 遺体は成人男性のもので、全身が痛めつけられており、両手足と首は胴体から切断。 各部位は積み上げられ、頂上に首が据えられ、そこには「生ゴミ」と書... -
吉田恭教『MEMORY―螺旋の記憶』- 眠っていた過去を呼び覚ますと惨劇が待っていた
鏡探偵事務所に、奇妙な依頼が来た。 9年前に滝田幸秀という人物の調査を依頼してきた女性が、今回は失踪した息子・智輝を捜してほしいというのだ。 聞けば智輝の失踪には、9年前の調査が関係しているという。 そこで元刑事の探偵・槙野が当時の調査記録を... -
柳広司『パンとペンの事件簿』- どんな事件もペンで解決!大正時代の文筆集団・売文社
「ぼく」はさんざん殴られ、蹴られ、路上に打ち捨てられた。 暴行を受けた理由は、勤務先の工場で労働条件改善の交渉をしたからだ。 それを苦々しく思った工場は、ヤクザを雇い、ぼくを暴力で追い出したわけだ。 重傷を負って路上に倒れたぼくは、社会主義... -
由野寿和『アイアムハウス』- 血なまぐさい事件が続く高級住宅地に隠されていた秘密とは
十燈荘は、世界遺産の藤湖を一望できる風光明媚な高級別荘地。 その一角にある秋吉家で、残酷な殺人事件が発生した。 世帯主である秋吉航季を始め、妻や娘がそれぞれ残酷な方法で殺されていたのだ。 息子は一命を取り留めたものの、首を絞められ意識不明の... -
桜庭一樹『名探偵の有害性』- 自分たちは本当に正しかった?名探偵と助手が過去を振り返る旅に出る
かつて、名探偵が大流行した時代があった。 名の売れた探偵はタレントのように芸能事務所に所属し、難事件の知らせが入ると現場に駆け付け、カメラの前で揚々と推理を展開してみせるのだ。 名探偵はお茶の間で人気となり、特に優秀な者は四天王と呼ばれ、... -
高野結史『バスカヴィル館の殺人』- 古典名作になぞらえた殺人ゲーム!芯の探偵役と被害者役は誰?
富豪たちが開催するゲーム「リアル・マーダー・ミステリー」。 名作ミステリーになぞらえたシナリオを用意させておき、犯人役や被害者役といったキャスト、舞台も揃え、自分が探偵役となって推理を楽しむ「探偵遊戯」だ。 ただし、ゲーム内で起こる殺人は... -
金子玲介『死んだ石井の大群』- 大勢の石井同士が殺し合う、前代未聞のデスゲーム
石井 唯は、死にたいと思いつつも、だらだらと日々を過ごしてきた中学二年生。 ある時気が付くと、見慣れない真っ白い部屋にいた。 なぜか体操着を着ていて、首には金属製の頑丈な首輪。 自分以外にも幅広い年齢層の人々がいて、全員が体操着に首輪をつけ...