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日本SF作家クラブ編『ショートショートなSF』- 星新一の生誕100周年、4000字から広がる50の宇宙【読書日記】
本書は、日本SF作家クラブがお贈りするアンソロジーでは初めての試みです。 参加した作家の数は、総勢五十人。 それぞれが執筆する文字数は、ひとり、たったの四千文字以内。 この一冊には「短い短いSF」が──多種多様で、バラエティに富んだ、色とりどりの... -
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なぜ犯人は首吊りを選んだのか?『首吊りアクロバットの冒険』に見る、初期クイーンのロジックの鮮やかさ【傑作ミステリエッセイ】
華やかな舞台の裏側ほど、ミステリに向いている場所もない。 客席には拍手と笑い声が満ちているのに、楽屋の奥では嫉妬、欲望、屈辱、見栄が湿った空気みたいに溜まっている。 エラリー・クイーン『首吊りアクロバットの冒険』は、そんなヴォードヴィル一... -
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石持浅海『あなたには、殺せません』- 殺す前から詰まされる、倒叙ミステリの異様な快楽【読書日記】
殺人を計画している人間が、犯罪相談所にやってくる。 相談内容はだいたい物騒だし、相談者たちはみんな真剣に人を殺そうとしている。 けれど、その真剣さを前にして、相談員が返す言葉があまりにも冷徹で、あまりにも論理的で、あまりにも石持浅海なので... -
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蘇部健一『六枚のとんかつ』- くだらなさの皮をかぶった、恐るべきバカミスの怪物【傑作ミステリエッセイ】
ミステリを読んでいると、たまに理性が変な方向へ全力疾走する作品に出会う。 緻密なロジック、美しい伏線、鮮やかな解決。 そういうものを期待してページをめくっていたはずなのに、気づけば目の前に出されているのは、とんかつである。 しかも六枚である... -
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ジョン・ディクスン・カー『妖魔の森の家』について長々と語るだけ【傑作ミステリエッセイ】
ジョン・ディクスン・カーの『妖魔の森の家』を読むたびに、短編ミステリという形式の恐ろしさを思い知らされる。 長編なら、寄り道もできる。人物の過去を語り、館の見取り図を広げ、容疑者を何人も並べ、探偵にたっぷり講釈をさせる余裕がある。 ところ... -
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『乙一デビュー30周年記念自選短編集1996-2026』- 乙一の30年を、暗闇の中でたどり直す【読書日記】
乙一という名前には、青春の記憶と、物語に足をすくわれる予感が一緒にまとわりついている。 怖い話を書く人。切ない話を書く人。ひねりの効いたミステリを書く人。 白乙一、黒乙一、中田永一、山白朝子。いろいろな呼び方や名義があり、そのたびに作風も... -
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真門浩平『ぼくらは回収しない』- 伏線回収という言葉の向こう側にある、回収されない感情【読書日記】
伏線回収という言葉は、いつの間にか物語を褒めるための便利な合言葉になった。 あれも回収された、これも意味があった、すべてが最後につながった。もちろん、それはミステリを読む大きな楽しみのひとつである。 だが『ぼくらは回収しない』は、その快感... -
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芦沢央『あなたが正しくいられたとき』- いいことをしているつもりの怖さについて【読書日記】
芦沢央は、人が善意の顔をしたまま誰かを傷つけてしまう瞬間を、ミステリの仕掛けで鮮やかに見せてくる。 どこかで視界がひっくり返されるかもしれない。信じていた人物の印象が変わるかもしれない。何気なく読んでいた場面が、あとから別の意味を持って迫... -
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『フレドリック・ブラウンSF短編全集2 星ねずみ』- 小さなねずみが宇宙へ飛び、活字機械が世界を書き換える【読書日記】
フレドリック・ブラウンの短編を読むと、毎回脳内に小さな爆竹を投げ込まれたような気分になる。 しかも、その爆竹がやたら精密に作られている。導火線は短い。火花は一瞬。 だが、鳴ったあとに残る煙の形が妙に忘れがたい。本来、短編SFってこういう危な... -
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米澤穂信『倫敦スコーンの謎』- 甘いお菓子の皿には、苦い論理がきれいに盛られている【読書日記】
日常の謎という言葉には、どこか軽やかな響きがある。 だが〈小市民〉シリーズに限って言えば、その日常は案外やわらかくない。 表面は甘く整えられていても、ひと口かじると、人間の見栄や憧れや意地が顔を出すからだ。 小鳩常悟朗と小佐内ゆきは、小市民...
