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桜庭一樹『名探偵の有害性』- 自分たちは本当に正しかった?名探偵と助手が過去を振り返る旅に出る
かつて、名探偵が大流行した時代があった。 名の売れた探偵はタレントのように芸能事務所に所属し、難事件の知らせが入ると現場に駆け付け、カメラの前で揚々と推理を展開してみせるのだ。 名探偵はお茶の間で人気となり、特に優秀な者は四天王と呼ばれ、... -
高野結史『バスカヴィル館の殺人』- 古典名作になぞらえた殺人ゲーム!芯の探偵役と被害者役は誰?
富豪たちが開催するゲーム「リアル・マーダー・ミステリー」。 名作ミステリーになぞらえたシナリオを用意させておき、犯人役や被害者役といったキャスト、舞台も揃え、自分が探偵役となって推理を楽しむ「探偵遊戯」だ。 ただし、ゲーム内で起こる殺人は... -
金子玲介『死んだ石井の大群』- 大勢の石井同士が殺し合う、前代未聞のデスゲーム
石井 唯は、死にたいと思いつつも、だらだらと日々を過ごしてきた中学二年生。 ある時気が付くと、見慣れない真っ白い部屋にいた。 なぜか体操着を着ていて、首には金属製の頑丈な首輪。 自分以外にも幅広い年齢層の人々がいて、全員が体操着に首輪をつけ... -
伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』- 飛沫感染で能力発動!未来を見る国語教師がテロ事件に対峙
中学校の国語教師・檀には、特殊能力があった。 他人の飛沫に触れると「感染」し、その人の未来が見えるようになるのだ。 檀はこの能力を「先行上映」と呼んでいた。 ある時この「先行上映」で教え子を事故から救ったところ、能力が内閣府の里見にバレてし... -
芦辺拓『乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび』- 幻の未完作品が90年の時を経てついに完結!
作家の「私」が売りつけられた2冊の犯罪記録。 心霊マニアの祖父江という人物が書いたものらしい。 そこには、祖父江の仲間である美しき未亡人・姉崎曽恵子の奇怪な死について記されていた。 姉崎未亡人の遺体は、鍵のかかった土蔵に全裸で横たわっていた... -
潮谷験『ミノタウロス現象』- 突然怪物が現れた!撃ち殺すと中身が政治家で…!?
オーストラリアの牧場に化け物が出現した。 ギリシャ神話に登場するミノタウロスのような化け物で、体は人間、頭は牛、身の丈3メートル。 化け物はインド、アメリカ、ウクライナ、日本など各地に出現するようになり、世界はみるみるパニックに。 銃であっ... -
矢樹純『撮ってはいけない家』- いわくつきの旧家でホラーを撮影したら、取り返しのつかないことに…
映像制作会社のディレクター・杉田は、モキュメントホラーの撮影のため、山梨県のとある集落にある旧家へと向かった。 そこは上司の再婚相手・白土紘子の実家で、江戸時代から続いており、古い因習があり、庭には蔵があり…とホラードラマの撮影にはおあつ... -
由野寿和『再愛なる聖槍』- 全体未聞の観覧車ジャック事件に元刑事が立ち向かう
元刑事の仲山は、離婚後5年ぶりに会った娘を連れてテーマパークに行った。 久々に娘と過ごす時間にぎくしゃくしながらも、仲山は一緒に楽しもうと巨大観覧車ドリームアイに乗る。 ところが動き出してすぐに、事件が起こった。 観覧車が何者かにジャックさ... -
歌野晶午『それは令和のことでした、』- 今の時代ならではの落とし穴を描いたブラックなミステリー短編集
太郎は、学校でいじめられてばかりだった。 人とは異なる価値観を持つ母親に、世間とは合わない生き方を強要されていたからだ。 ランドセルは重いからと使わせてもらえず、フリルのついたシャツを着せられ、スカートをはかせられ…。 この母親は、学校に対... -
中山七里『連続殺人鬼カエル男 完結編』- 心神喪失者は罰せられない?刑法第39条に問いかける社会派ミステリー
極めて残酷な殺害方法と稚拙な犯行声明文とで世間を騒がせた連続殺人犯・カエル男。 その正体は、ピアノ講師の有働さゆりだった。 さゆりは解離性同一性障害と診断されたため医療刑務所に収監されていたが、脱走して行方不明に。 ほどなくして、再び猟奇殺...