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夕木春央『方舟』- 誰を犠牲にして生き延びる?閉ざされた地下建築物からの脱出ミステリー
大学時代の仲間たちや従兄と、謎の地下建築物「方舟」に来た柊一。 ちょっとした冒険気分だったが、地震が発生して出入り口が岩で塞がれ、全員閉じ込められてしまった。 脱出するためには岩を動かさなければならないが、人の力ではどうにもならない。 しか... -
【自作ショートショート No.15】『悪魔のささやき』
「ようやくお前ともお別れだな」 「はい、お世話になりました。これからは真面目に働きます」 五、六メートルはあろうかという灰色の塀の下では、ワイシャツ姿の男が、紺色の制服を着た男に向かって頭を下げていた。 「そうだぞ。やっと刑期を終えたんだか... -
【自作ショートショート No.14】『誘拐』
犯罪に美学や切実な事情があるなどというのは、小説や映画の世界の話に過ぎない。 いや、それは過言かもしれないが、現実に起こる犯罪の九分九厘はどうしようもない所以によって引き起こされたものだ。 この場合の犯罪というのは、不注意やそれと知らずに... -
【自作ショートショート No.13】『死神の存在』
そのバーは、歓楽街の中心から、歩いて十五分ほどのところにあった。 ほどほどに薄暗く、心地いい音量のジャズをビージーエムに、二人の男が酒を酌み交わしている。 どうやら二人は旧知の仲らしく、久々に再開した、といった様子だった。 思い出話に花が咲... -
芦花公園『とらすの子』- 自分の手を汚さず人を殺せるなら?憎悪に満ちたカルトホラー小説
都内で発生した無差別連続殺人事件。 どの遺体もひどく傷つけられており、人間による所業とは思えないほどだった。 ある日ライターの坂本美羽は、この事件の真相を知る少女に会った。 少女が言うには、犯人は「とらすの会」という団体であり、ここでは「マ... -
芦花公園『漆黒の慕情』- 怪異も人間も恐ろしい、鳥肌必至のホラーミステリー
塾講師の片山敏彦は、絶世の美青年であることから生徒からモテモテで、ゆえにストーカー被害を受けることもあった。 しかし一ヶ月前に始まったストーカーは、今までとは明らかに異質なものだった。 ねばつくような視線、妄想に満ちた手紙、長身で長い黒髪... -
【自作ショートショート No.12】『コレクター』
人というものは、おうおうにして、何かを集めたくなる生き物のようだ。 小さい頃には、きれいな丸い石やいろいろな形の落ち葉を、誰に言われるでもなく集める子どもが多いし、大人になってからは、お気に入りのアーティストのグッズや、子どもの頃には少し... -
【殿堂入り】最強に面白い国内ミステリー小説おすすめ50選【名作選】
名探偵の推理に胸を躍らせ、密室の謎に頭を悩ませ、最後の一行で震える――そんな忘れがたい読書体験をくれるのが、ミステリー小説です。 特に日本のミステリー文学は、世界でも類を見ない多様性と完成度を誇り、数多くの名作が世代を超えて読み継がれてきま... -
北山猛邦『月灯館殺人事件』- 七つの大罪により処刑される作家たちを描く本格ミステリー
作家デビュー後、二作目をなかなか執筆できずにいた弧木。 編集者から勧められて、「月灯館」に住み込んで原稿を書くことになった。 そこは本格ミステリー作家の天神が所有する館で、天神自身を始め、多くの作家が執筆しながら共同生活をしていた。 早速向... -
片岡翔『その殺人、本格ミステリに仕立てます。』- 死者を出さない殺人計画VS孤島のクローズドサークル
亡くなったミステリー作家の一族が、孤島の館でマーダーミステリーを開催することになった。 しかし探偵志望のメイド・風゛(ぶう)は、これがゲームを装った殺人計画であることに気付いてしまった。 そこでミステリープランナーの豺(やまいぬ)と一計を...