国内ミステリー小説– category –
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石持浅海『あなたには、殺せません』- 論議で犯罪発生を未然に防ぐ!?新感覚の倒叙ミステリ短編集
犯罪者には、実行前に迷いがあるものだ。この段階でもしも思い留まらせることができれば、犯罪の発生を防ぎ、世の中を良くしていくことができるのではないか。 この考えから、とあるNPO法人では、犯罪を迷う人々のための相談窓口が開かれていた。相方の裏... -
寺嶌曜『キツネ狩り』- 三年前を映す右目で未解決事件に挑む、特殊設定ミステリー
警察官の尾崎冴子は、バイクの事故で婚約者と右目の視力を失った。 現場検証から自損事故ということになったが、冴子にはどうしてもそうとは思えなかった。 あの日、バイクの目の前を黒い影が横切り、そのせいで事故が起こった気がするのだ。 あの影は一体... -
大山誠一郎『仮面幻双曲』- 双子トリックと整形トリックが交錯する正統派の探偵小説
昭和22年、東京で探偵事務所を営む川宮兄妹は、依頼を受けて滋賀県の双竜町にやってきた。 地域で名の知れた製糸会社の社長・占部文彦を、双子の弟・武彦から守ってほしいという依頼だ。 どうも武彦は文彦に恨みを抱いており、命を狙っているらしいのだ。 ... -
松城明『可制御の殺人』- 人間をシステムと捉え、殺人を実行させる理系ミステリー
大学院生の更科千冬は、「下」に見られたくないという思いから常にトップを独走してきた。 しかし友人の白河真凛は、千冬をあっさりと抜かした。 千冬の成績を超え、千冬の彼氏を奪い、さらには千冬が志望している就職先での推薦枠も得ようとしていた。 勝... -
島田荘司『ローズマリーのあまき香り』- 死してなお踊り続けたバレリーナの謎を御手洗潔が解き明かす
1977年、マンハッタンのバレエシアターでの公演中、主役のクレスパンが何者かに殺された。 調べによると、彼女の死亡推定時刻は二幕と三幕の間。 しかし奇妙なことに、彼女は三幕以降も舞台に上がり、最後まで踊りきったとのこと。 では死亡推定時刻が間違... -
北沢陶『をんごく』- なぜ妻は普通の霊になれず、この世をさまよっているのか
大正十三年、大阪。 関東大震災で結婚一年余りの妻・倭子を失った壮一郎は、四天王寺の巫女を訪ねた。 倭子の死をどうしても受け入れることができず、霊魂を降ろしてもらうためだった。 ところが巫女の降霊は、うまくいかなかった。 「なんや、普通の霊と... -
五十嵐貴久『誰でもよかった』- 無差別殺傷犯が籠城!人質解放の交渉は果たして成功するのか
6月8日、ネットの大型掲示板“ちゃんねるQ”に、犯行予告が書き込まれた。 「今、渋谷。これから人を殺します」 予告通り、数分後に渋谷のスクランブル交差点で事件が起こる。 一台のトラックが人々の群れに突っ込み、次々にはね飛ばしたのだ。 トラックは逃... -
志駕晃『そしてあなたも騙される』- 心神喪失状態のシングルマザーが陥った借金地獄
シングルマザーの貴代は、適応障害から退職して無職となり、その後3ヶ月アパートの家賃を滞納したため、退去を迫られていた。 まだ離婚が成立していないため母子手当をもらえず、実家も頼れない貴代は困り果て、ソフト闇金で20万円を借りる。 貸主の未奈美... -
真梨幸子『フシギ』- 事故物件で死んだ編集者から届き続ける謎のメール
作家の“私”は編集者の尾上から、「いわくつきのマンションMを小説化してはどうか」という仕事の打診を受けた。 マンションMは、かつて“私”が住んでいた場所で、“私”自身が奇妙な体験をしていた。 尾上も住んだことがあり、やはり金縛りなどの恐ろしい目... -
葉真中顕『鼓動』- 18年引きこもった男が犯したホームレス殺しと親殺しの真相は?
公園で、ホームレスの老女が殺され顔を焼かれる事件が起こった。 犯人は近くに住む48歳無職の男性・草鹿秀郎。 警察の取り調べによると、草鹿は18年自室に引きこもっており、老女以外に父親のこともメッタ刺しにして殺したとのこと。 なぜ草鹿はこれほど長...