国内ミステリー小説– category –
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『卵の中の刺殺体 世界最小の密室』- 不完全が引き起こす本格派ミステリー
龍神の卵の中には、白骨死体。 そして、無惨にも解体され人間テーブルにされた若者。 宮村は、店舗設定を任せられているコルバカフェのオーナー神谷から龍神池近くの別荘に他のコルバカフェの社員たちと共に招待された。 しかし、帰り道である道路に繋がる... -
岡崎琢磨『鏡の国』- 亡き大作家の遺作には、削除された裏エピソードがあった
2年前に亡くなった有名ミステリー作家の室見響子が、デビュー前に執筆したという「鏡の国」。 原稿や著作権を相続した姪の桜庭怜は、この作品を響子の遺作として発表することにした。 出版準備が着々と進む中、怜は響子の担当編者をしていた勅使河原に呼び... -
森見登美彦『シャーロックホームズの凱旋』- 京都でダメ人間になった名探偵を救えるか?
「まったく困ったやつだよ、ホームズは」 名探偵シャーロック・ホームズが、かつてない大スランプに陥り、京都の下宿に引きこもってから早一年。 見る影もなくなったホームズを、相棒ワトソンは心配し、放っておけないでいた。 かつての冴えを取り戻しても... -
楠谷佑『案山子の村の殺人』- 山村の毒矢事件に合作推理作家が挑む
大学生の宇月理久と篠倉真舟は、いとこ同士。 楠谷 佑(くすたに・たすく)というペンネームを使い、二人一組のミステリー作家として活躍している。 次回の作品で、土着信仰のある村を舞台にしようと考えた二人は、イメージを掴むために、友人の伝手で秩父... -
『11文字の檻 青崎有吾短編集成』- 衝撃のデビューから10年、著者の集大成ともいえるノンシリーズ短編集
福知山線脱線事故に遭遇した報道カメラマンが感じた違和感を追っていく本格ミステリー『加速していく』。 奇特な探偵が密室殺人事件を解いていく、見取り図付きの密室本格ミステリー『噤ヶ森の硝子屋敷』。 人気コミック・『私がモテないのはどう考えても... -
青崎有吾『地雷グリコ』- 子供の遊びをアレンジした、非情で狡猾な頭脳バトルの傑作
真兎は、勝負ごとにやけに強い女子高生。 文化祭で、真兎のクラスは屋上にカレー店を出すことを希望していたが、屋上は激戦区であり、他のクラスやクラブも希望しているらしい。 そこで屋上の使用権を賭けて、各団体が「愚煙試合」と呼ばれる争奪戦をする... -
中村あき『好きです、死んでください』- 衝撃のラストが待ち受ける、孤島で起きた殺人事件
八丈島から30キロの場所に浮かぶ無人島に、6人の男女が集められた。 共同生活の中で育まれる恋心を撮影する恋愛リアリティーショー「クローズド・カップル」のためだ。 出演者としてやって来た小口栞は、一人いたたまれない気分でいた。 他のメンバーが人... -
白川尚史『ファラオの密室』- ミイラが探偵?謎を解いてエジプトを危機から救え
時は紀元前1300年代、古代エジプトで上級神官書記を務めていたセティはピラミッド内の事故で死亡した。 遺体はミイラに仕立て上げられたが、しかし心臓に欠けがあったため、冥界の審判を受けることができなかった。 死後の楽園に行くためには心臓が必要。 ... -
五十嵐律人『魔女の原罪』- 法律で縛る学校、血を抜かれた遺体、この街に潜む秘密とは?
宏哉の通う鏡沢高校には校則がなく、髪を染めるのも、ピアスをつけるのも、派手な服装で登校するのも個々の自由だった。 その代わり「法律」だけは絶対に守らなければならず、生徒は入学時に分厚い六法全書を渡されており、校内には監視カメラがあちこちに... -
『サイケデリック・マウンテン』仕掛けが盛りだくさん!間違いなく榎本憲男さんの最高傑作だ
国際的な投資家・鷹栖祐二を刺殺した容疑者は、新興宗教「一真行」の元信者だった。 マインドコントロールが疑われ、NCSC(国家総合安全保障委員会)兵器研究開発セクションの井澗紗理奈と、その友人でありテロ対策セクションの弓削啓史は、心理学者の山咲岳...