平山夢明さんおすすめ小説7選-気持ち悪さがクセになる!

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今回おすすめさせていただくのは、まず読んでほしい平山夢明さんのグロくて面白い小説です。

定番の作品ばかりなので、平山さんが好きな人は全部読んでいるかも。

ですが、まだ平山さんの作品をあまり読んだことがないという方は、まずこれらの作品から読むことをおすすめします。

後味が悪いというか、読んでいる最中からかなり気持ちが悪くなるので注意です。でも面白い。ぐいぐい引き込まれちゃう不思議な作品ばかりです。

どうぞ参考にしていただければ幸いです。

目次

1.『ダイナー』

とある理由でプロの殺人鬼しか来ない「ダイナー」のウェイトレスをすることになってしまったオオバカナコの物語。

元殺し屋のシェフのボンベロの絶品料理を食べに現れる一癖も二癖もある殺し屋たちがダイナーで殺し殺され食事するノワールエンタメです。

世界観も面白ければストーリー展開も面白い。

気分が悪くなる暴力描写、破壊的な精神的ダメージ描写が特徴で、最初は顔が歪む程生理的不快すらあるのに、読み進めると、それを越えて魅力的な何かに引っ張られる。これぞ平山ワールド!

いつ殺されてもおかしくない緊張感のなか、殺人鬼相手に奮闘する主人公が頼もしいです。しかも生きる事についても考えさせられちゃう。

ダイナーの主人のボンベロもいいキャラしてるし、訪れる殺人鬼たちのなかにも憎めない奴がいたり、何よりボンベロが作る料理が旨そうでならない。腹が減る( ´∀`)

ほんの出来心から携帯闇サイトのバイトに手を出したオオバカナコは、凄惨な拷問に遭遇したあげく、会員制のダイナーに使い捨てのウェイトレスとして売られてしまう。

2.『メルキオールの惨劇』

人の不幸をコレクションする男から依頼を受け、三男の首を切り落とした母親の調査をすることになるのだが…。

クセのある平山作品の中でも変化球タイプ。

グロい描写があると思えばお下劣なナンセンスギャグがあったり、脳科学の話しがあったり、グロい人体解剖の話しがあれば美味しい料理の話しがあったりと、もうありとあらゆるジャンルのごった煮から誕生した平山ワールド全開の作品。

イカれた登場人物ばっかりだし、グロいシーンも多いのにどんどんこの世界に引き込まれていってしまう実に平山さんらしい物語です。

グロいのに洗練されていて、絶望的なのに終わり方に体温を感じる、そんな楽しい矛盾を与えてくれるんですよねえ。

ただグロいだけでなく、続きが気になる展開の連続で読むのをやめさせてくれない。

しかし、平山先生の小説はグロいのに作中に出てくる食べ物が美味しそうなのでお腹が空きますね。今回はピーナッツバター。

人の不幸をコレクションする男の依頼を受けた「俺」は、自分の子供の首を切断した女の調査に赴く。懲役を終えて、残された二人の息子と暮らすその女に近づいた「俺」は、その家族の異様さに目をみはる。

3.『独白するユニバーサル横メルカトル』

気持ち悪さ満点の8編からなる短編集。平山さん代表作の一つ。

この作品を読むとやっぱり平山さんは短編の方が面白い、と思わせてくれる。

グロテスクなんだけど気持ち悪さよりも文章の読みやすさと世界観の面白さが勝つのか、グイグイ読まされてしまいます。

これはひどい話だなぁ、気分悪いなあ、と思うんだけど短編ですぐ読み終わっちゃうので、次はどんな話かなとついつい読んでしまう。完全に平山中毒です。

よくこんな設定が思いつくなというものばかりで、平山さんの頭の中は一体どうなっているのか不思議で仕方ありません。

グロでありミステリーでありホラーであり、一冊で様々な世界観に酔いしれることができます。

狂気に満ち溢れつつも、なぜか読後感がそれほど悪くない。だからサクサク読めちゃう。毎度のことながら、なんでこんなに引き込まれちゃうのだろうか(-ω-。`)

タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日本推理作家協会賞を受賞した表題作。

4.『ミサイルマン』

様々な趣向の平山作品に触れられる短篇集。クレイジーなお話ばかりです。

SF的なものからハードボイルド、ノワール、恋愛的なものまで様々。

グロテスクなのは当然として、お話によってそれぞれ違ったジャンルの世界観があるので全く飽きることなく読み進めることができます。

『独白するユニバーサルメルカトル』よりも全体的にライト。それでいてしっかり平山作品のエッセンスが入りつつも割と緩やかなので、最初の1冊にも良いかもしれません。

しかし単にグロさエグさだけではなく、そのまた奥にそこはかとない愛を感じてしまう。それが一番出ていたのが『それでもおまえは俺のハニー』。これこそ究極の愛なのかもしれない。

表題作『ミサイルマン』も凄いですが、「枷」がヤバい。初見でぶっ飛びました。

凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器…。“顕現”と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。

5.『他人事』

人間の最もどす黒い、吐き気を催すような邪悪な側面。そこにテーマを置き、巧みに調理した14編の短編集。うーん贅沢!

なんの救いもない残酷な短編集なのに、何故か引き込まれて読み進めてしまう。文章が読みやすいのか、淡々とした狂気が癖になるのか、何故だかわからないけど結局一気読みしてしまう魅力があります。

日常の中に怖ろしい出来事や奇怪な出来事を描いて見せ、どれも平山さんの世界観がよく表現されていますね。

この気持ち悪さって、ただグロい描写があるだけとはまた違うんですよね。平山さんが描く人間の気持ち悪さというか世界観の気味の悪さというか。とにかくクセになるんです。

短編ながら一編一編濃厚すぎる後味を残していくので読み応えは抜群。ああ、最悪に気分が悪い。

中でも『仔猫と天然ガス』なんて余りに胸糞悪すぎて一旦読み進めるのを中断するレベル。でも結局最後まで読んじゃう。不思議。

交通事故に遭った男女を襲う“無関心”という恐怖を描く表題作、引きこもりの果てに家庭内暴力に走った息子の殺害を企てる夫婦の絶望(『倅解体』)。

6.『デブを捨てに』

「いんちき小僧」「マミーボコボコ」「顔が不自由で素敵な売女」「デブを捨てに」の4編が収録。

やはり表題作だけあって「デブを捨てに」が面白い。数ある平山作品の中でもトップクラスに好き。

「腕を折られるかデブか」どちらか選べと言われた主人公は、ワケも分からず「デブ」を選んだ。

その内容は、とあるデブな女性を車に乗せて「処分屋」のところまでいき、デブを引き渡すというものだった。

まさにタイトル通り「デブを捨てに」いくお話なんですが、下品で汚くで気持ちが悪いのに、なぜか読後感はスッキリする壮大なロードムービーとなるのです。

これぞ平山ワールド。

第二弾『ヤギより上、猿より下』とセットでどうぞ。

7.『暗くて静かでロックな娘』

不条理を極めた平山ワールドが10編。

笑えるものから切ないもの、救いがない気が滅入るようなものまで様々。全編通してゲスくて口の悪い人が多いです。

希望のない物語もあったり、それなのに時々グッとくる切なさも加えられていて、そのバランスが絶妙。

他作品に比べると比較的マイルドな話が多く、中でも『チョ松と散歩』は優しく少し切ない心温まる作品です。

罵詈雑言とグロと不条理のオンパレードで殴りつけてくるような破壊的な文章。そんなにぶっ飛んでいるのに、なぜか読み終わった後味は悪くない。

ただ『オバケの子』だけはダメだ。読んだら立ち直れなくなります。読んだことを後悔するくらい気分が悪くなります。これだけは二度と読みたくない( ;∀;)

罵倒しあう老夫婦が経営する名物ラーメン店が陥る絶望と希望(「反吐が出るよなお前だけれど…」)他、底辺を這う人々の、救いのない日常を映し出す全10編を収録。

今回はここまで!

というわけで、平山夢明さんのおすすめ小説をご紹介させていただきました。

グロいし気持ち悪いのに、どんどん引き込まれちゃう平山夢明さんの作品。

一度ハマってしまうとなかなかやめられないですよ〜。

どうぞ参考にしていただければ幸いです。それでは、良い読書ライフを!(=゚ω゚)ノ

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。
ミステリー小説が大好きです。

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