【横溝正史】まず読むべき《金田一耕助シリーズ》おすすめ7選

  • URLをコピーしました!

横溝正史(よこみぞ せいし)さん必読のミステリー《金田一耕助シリーズ》のおすすめを厳選しました!

普段読書をあまりしない方でも、金田一耕助(きんだいちこうすけ)という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

「金田一耕助」は横溝正史さんのミステリー小説に登場する名探偵。横溝さんの作品は映画化やドラマ化など多数映像化されているので、数いる名探偵の中でもかなり知名度は高いかと思います。

しかし!!!

作品名や金田一耕助って名前は知っているけれど、原作は読んだことがない。って人が非常に多い!!(気がする)

それは非常に勿体無いことです。多数映像化されているってことは原作が当然めっちゃ面白いわけなのですから。

しかも映像化したものより、小説のほうがはるかに面白いんです!

また横溝さんの作品はミステリー小説として一級品なのはもちろん、とにかく不気味でおどろおどろしい雰囲気が作品全体に漂っています。この独特の世界観が最高なのですよ!

そんなわけで今回は、ミステリ好きなら是非とも読んでほしい「金田一耕助シリーズ」のおすすめを厳選しました。

「金田一耕助シリーズ」は基本全て面白いのですが、最低でもこれだけは読むべき!という絞りに絞った名作たちです。

参考にしていただければ幸いです(=゚ω゚)ノ

目次

1.『八つ墓村』

黄金を抱えた1人の若武者と7人の家来がとある村に逃げて来たものの、村人たちは黄金欲しさに8人全員を虐殺。

それ以来、若武者の言葉通り祟りとも思われる奇怪な出来事が村を襲い始めた。

最初の村に関する説明があまりにもミステリーの導入としては完璧すぎですね。

まさに読者を八つ墓村に連れて行くような語りで、そこからはミステリーの醍醐味がつまった不気味な雰囲気と大量殺人。完璧じゃあないですか。

ドラマや映画を見たことがある人も絶対に読むべきだと言える作品。正直映像化したものよりはるかに面白いです。

古い言葉も出てきますが、読者を飽きさせないワクワクドキドキさせる展開でページを捲らせます。

細かな人間描写、壮大な世界観、ドラマなどでは表現できなかった部分も多くあり、文章だけでもその不気味さが存分に伝わってきます。ああ怖い……。

戦国の頃、三千両の黄金を携えた若武者が、七人の近習を従えてこの村に落ちのびた。だが、欲に目の眩んだ村人たちは八人を襲撃、若武者は「七生までこの村を祟ってみせる」と叫び続けながら、七人とともに惨殺された。

2.『獄門島』

復員船の中で死んだ戦友に遺言を託された金田一耕助が獄門島に訪れる。そこで出会った不気味な三姉妹。そして怪奇な連続殺人。

時代背景と閉鎖的な村という空間が相まって、いい意味で不気味さが醸し出されています。「なぜ、殺人が行われてたのか」という部分が、壮大な物語を更に深いものにしていますね。

とにかく、ストーリー構成、トリック、犯人、結末、世界観の全てにおいて素晴らしい。もうミステリ小説としての完璧に近い作品だと思います。

小説だけれど、まるでテレビドラマを観てるようにグイグイ読ませる文章もさすがです。

また獄門島という外界から隔てた集落の気質や、俳句を取り入れた見立て殺人も本作の魅力でしょう。

質の高いトリックがいくつも詰め込まれており、それらを生かす見事な構成も最高。

ミステリも楽しめて、横溝正史ワールドも堪能できるかなり贅沢な一冊です。

獄門島――江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。『三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ……』

3.『犬神家の一族』

読書好きでなくても名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

映画化もドラマ化も多数されているだけあって、当然それだけめっちゃ面白いのです!

多額な遺産相続を巡った犬神家一族に降りかかる怪奇な連続殺人を描いておりますが、その面白さといったら言葉で説明できるほど単純なものではないのです。

約70年前の作品ですが古くささといったものは殆ど感じられず、スリリングな展開が続きページを捲る手も止まりません。

テンポの良い文章やトリックの斬新さには時代は関係ないのだと感じさせられますね。

「映像化されたもの見ちゃったし…」「有名すぎるから逆に読んでないんだよね…」ではないのです!読まないともったいないです!

もちろん映画も良いのですが、この世界観や精緻な伏線回収をフルに味わえる原作はやはり素晴らしい。

信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者犬神佐兵衛は、血で血を洗う葛藤を予期したかのような遺言状を残して永眠した。佐兵衛は生涯正室を持たず、女ばかり三人の子があったが、それぞれ生母を異にしていた。

4.『本陣殺人事件』

記念すべき金田一耕助の初登場作品。

田舎の本陣にて結婚初夜を迎えた新郎と新婦が刀で斬殺され、しかも現場は密室だったとい難事件に金田一耕助が挑む。

海外のミステリーへのオマージュをふんだんに感じさせる密室トリック本格派推理小説です。

名探偵の登場、密室殺人、数々の伏線、驚愕のトリック。これぞミステリ!と言わんばかりの教科書のような作品。

それに著者独特のおどろおどろしい雰囲気がプラスされているんだから面白くないわけがないんです。

本陣殺人事件のトリックは現実的じゃない、なんて言われたりしてますが、そこが良いんです!ロマンですよ、ロマン。こういうトリックは大好きです。

犯人の動機や密室にした理由も魅力的で、思わずニヤニヤ。

映像で見て犯人は分かっていようとも、小説には小説の良さがありこれがまた面白いんですわ〜。

江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音。離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていた。

5.『夜歩く』

知名度的には他の作品に比べて少し低いかもしれないです。しかし面白さはトップクラスなのです!

古神家の娘である八千代のもとに届いた奇妙な手紙。それから始まる首なし殺人。

首なし死体は誰の死体なのかをメインモチーフにグイグイ読ませる展開はさすが。 金田一の登場は中盤以降ですが、そこからは彼の論理的推理をじっくり堪能できます。

練りに練られたストーリー構成、安定の不気味な雰囲気はもちろんですが、やはり見所はそのトリックとどんでん返し。いやあ、まさかまさかの結末……。

アガサ・クリスティのとある名作が読者に対してフェアかアンフェアかの論争を引き起こすことになったのですが、この『夜歩く』もそれに近い作品と言えるでしょう。

犯人はわかった上で再読すると、わかってるからこそ犯人の偽装工作の巧妙さに気づかされます。

そして、あの金田一のセリフを読んだ時の驚きと快感といったら、もう最高です。ぜひ一読を。

我、近く汝のもとに赴きて結婚せん」という奇妙な手紙と佝僂の写真が、古神家の令嬢八千代のもとにまいこんだ。三日後に起きた、キャバレー『花』での佝僂画家狙撃事件。

6.『悪魔が来りて笛を吹く』

終戦直後の昭和時代を舞台とし、とある没落貴族に巻き起こる悲惨すぎる惨劇を描く。

ドロドロした人間関係が余計に作品の気持ち悪さを煽ります。読ませるストーリー、伏線の忍ばせ方、衝撃の結末。なんとも言えぬ読後感が体を包みます。

そして何より、「悪魔が来たりて笛を吹く」の楽譜に込められていたメッセージには脱帽。

古典ミステリーと侮るなかれ、イヤミスの原点とも言えるような内容で色褪せない横溝ミステリが存分に味わえる一冊です。

読後感の悪さはなかなかのものですが、それを含めても傑作と言って良いでしょう。

トリック以上にインパクトがあるあの結末をぜひその目に。

世の中を震撼させた青酸カリ毒殺の天銀堂事件。その事件の容疑者とされていた椿元子爵が姿を消した。「これ以上の屈辱、不名誉にたえられない」という遺書を娘美禰子に残して。

7.『悪魔の手毬唄』

古くから村に伝わる手毬唄の歌詞になぞらえて起こる殺人事件。個人的にこの設定だけでどストライクです。

しかもその見立て殺人が素晴らしい!というか作風にぴったり合いすぎていて、数ある見立て殺人ミステリの中でも群を抜いてハマっています。

古い手毬唄がうまくトリックに用いられているほか、顔のない死体の使い方も工夫されていて極上のミステリとなっています。

やはり横溝作品の色褪せない雰囲気と、手毬唄になぞらえた見立て殺人の魅力は他の追随を許さないものがありますね。

相変わらずトリックが上手く、謎を限界まで引っ張りため込む筆力、そして最後に鮮やかにパズルを解きほぐす鮮やかさに引き付けられます。

気味の悪さはもちろん、複雑に絡み合った伏線を最後にしっかり回収する気持ち良さ!たまらないですね!

岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村。たまたまここを訪れた金田一耕助は、村に昔から伝わる手毬唄の歌詞どおりに、死体が異様な構図をとらされた殺人事件に遭遇した。

最後に

というわけで、横溝正史さんによる《金田一耕助シリーズ》のまず読んでほしいオススメ作品をご紹介させていただきました。

横溝正史さん独特のおどろおどろしい雰囲気、好きな人にはたまらない作品ばかりです。ぜひこの世界観に酔いしれちゃってください!

参考にしていただければ幸いです。

それでは、良い読書ライフを!(=゚ω゚)ノ

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。
ミステリー小説が大好きです。

目次