読書日記– category –
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内田百閒『ツィゴイネルワイゼン:百閒怪異作品集』- 日常の裂け目から、百閒の怪異が覗いている【読書日記】
サラサーテ本人の演奏を収めた古いSP盤。その途中に、演奏とは別の人の声が混じっている。 雑音なのか、肉声なのか、そもそも誰の声なのか。針が盤面をなぞるたび、生きている者と死んだ者の境目が少しずつ曖昧になっていく。 内田百閒『ツィゴイネルワイ... -
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阿津川辰海『少女は殺人の夢を見る』- カー、クリスティー、クイーン、そして九角館へ【読書日記】
『少女は殺人の夢を見る』 著者:阿津川辰海 衝撃度 : (4.0) 技巧性 : (4.5) 論理性 : (4.5) 独創性 : (5.0) 面白さ : (5.0) この作品を一言でいうと 古典名作をモチーフにした夢の殺人事件へ、獏田格と夢見灯の個性的なバ... -
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『グデリアの死んだ家』- 死体が流れる夜、グデリアは家を離れない【読書日記】
濁流の中を、見知らぬ男女の死体が流れていく。 窓の向こうでそんな光景を目にしながら、81歳のグデリアは家を離れようとしない。 村には避難勧告が出ている。停電で周囲は闇に沈み、水は家のすぐ脇まで迫っている。 それでも彼女は動かない。なぜ、そこま... -
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『オカルト・クロニクル 暗黒録』- 怪異より怖い、いまだ埋まらない現実の空白【読書日記】
北海道の大雪山で、倒木を組んだ巨大な「SOS」が空から見つかる。 近くには人骨と日用品、さらにテープレコーダー。再生すると、男の声で「たーすーけーてーくーれー」という悲痛な叫びが流れてくる。 もう、現実の出来事とは思えない。 『オカルト・クロ... -
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湊かなえ『王国』- 珊瑚の女王と、秘密を抱えた九人の騎士について【読書日記】
「珊瑚の女王を殺したのは誰なんだ? 9人全員何かを隠している」 海面に浮かぶ遺体。幼い頃から信じてきた海底の城。珊瑚の女王と、城を守る九人の騎士。 湊かなえ『王国』は、この美しいおとぎ話を、ひとりの青年の死によって一気に現実へ引きずり出す。... -
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高森泉『ぼくたちの告白』- 誰が、何を、どこまで告白したのか?【読書日記】
『このミス』大賞シリーズは毎回欠かさず読んでいるけれど、その中でも高森泉『ぼくたちの告白』は、とくに面白かった! 新人のデビュー作ということを忘れるほど構成が大胆で、しかも仕掛けを重ねるたびに物語の熱まで上がっていく。これは隠し玉の中でも... -
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島田荘司『水上都市の冒険』- 水上の横浜で、御手洗潔はもう名探偵だった【読書日記】
御手洗潔シリーズの最新作が読める。それがとにかく嬉しい! 『占星術殺人事件』から長く続いてきた名探偵が、今度は中学生の姿で横浜の街を走り回る。 成人後の御手洗潔ももちろん好きだが、彼がどんな少年だったのか、その知性を誰のために使っていたの... -
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岡本好貴『帆船軍艦の殺人 (創元推理文庫)』- 船は揺れ、密室は動き、殺人者だけが見えない【読書日記】
『帆船軍艦の殺人』 著者:岡本好貴 衝撃度 : (4.0) 技巧性 : (5.0) 論理性 : (4.5) 独創性 : (4.5) この作品を一言でいうと 18世紀末の英国軍艦を舞台に、過酷な船旅と船の構造を活かした密室トリックが炸裂する海洋冒険本格ミス... -
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ジョン・アシュトン『奇怪動物百科〔新版〕』- こんな怪物たちが本当にいると思われていました【読書日記】
自分の巨大な片足を頭の上へ持ち上げ、その影で暑さをしのぐ人間がいる。 海には修道士や司教そっくりの魚が泳ぎ、森では満腹になるまで死肉を食べたクズリが、木の隙間に体を押し込んで無理やり排泄し、また食事へ戻っていく。 ジョン・アシュトンの『奇... -
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舞城王太郎『深夜百太郎』- 怪談が百篇あっても、ひとつとして同じ夜はない【読書日記】
調布のコインランドリーで変なものに出くわしたと思ったら、次の話では福井県西暁町の古い踏切跡へ連れていかれる。 そこで何が起きたのか理解する間もなく、今度は病院、台所、無人駅、黒電話へ。 舞城王太郎『深夜百太郎〈完本〉』には、そんな怪談が百...
