国内ミステリー小説– category –
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白川尚史『ファラオの密室』- ミイラが探偵?謎を解いてエジプトを危機から救え
時は紀元前1300年代、古代エジプトで上級神官書記を務めていたセティはピラミッド内の事故で死亡した。 遺体はミイラに仕立て上げられたが、しかし心臓に欠けがあったため、冥界の審判を受けることができなかった。 死後の楽園に行くためには心臓が必要。 ... -
五十嵐律人『魔女の原罪』- 法律で縛る学校、血を抜かれた遺体、この街に潜む秘密とは?
宏哉の通う鏡沢高校には校則がなく、髪を染めるのも、ピアスをつけるのも、派手な服装で登校するのも個々の自由だった。 その代わり「法律」だけは絶対に守らなければならず、生徒は入学時に分厚い六法全書を渡されており、校内には監視カメラがあちこちに... -
『サイケデリック・マウンテン』仕掛けが盛りだくさん!間違いなく榎本憲男さんの最高傑作だ
国際的な投資家・鷹栖祐二を刺殺した容疑者は、新興宗教「一真行」の元信者だった。 マインドコントロールが疑われ、NCSC(国家総合安全保障委員会)兵器研究開発セクションの井澗紗理奈と、その友人でありテロ対策セクションの弓削啓史は、心理学者の山咲岳... -
【2024最新版】究極に面白い国内ミステリー小説おすすめ50選【最近の新刊】
正直、かなり悩んだ。なんせ年に300冊くらい読んでるもんだから、4年で1200冊以上。 その中から「これは!」と思える国内ミステリを50冊に絞るのって、なかなかの作業だった。 この記事は、【殿堂入り】最強に面白い国内ミステリー小説おすすめ50選【名作... -
神永学『ラザロの迷宮』- 1ページ先さえ予測不能のノンストップ・ミステリ
殺人事件の犯人を当てる脱出型の謎解きイベントが開催されると聞き、湖畔にある洋館を友人と一緒に訪れたミステリー作家の月島。 しかし男女8人の参加者たちが発見したのは、なんと本物の死体だった。 これをきっかけに参加者たちは連続殺人事件に巻き込ま... -
青本雪平『バールの正しい使い方』- 全国の書店員から絶賛の声が上がった青春ミステリー
小学生の礼恩は、父親の都合で何度も転校を余儀なくされている。 転校を繰り返す中で即座にクラスへ適応する術を身に付けた礼恩は、自らの事を自嘲気味に「カメレオン」と称していた。 そんな彼が行く先々の小学校で出会うのは、嘘つきばかり。 嘘と撤回を... -
倉知淳『世界の望む静謐』- 刑事コロンボの衣鉢を継ぐ、大人気倒叙ミステリシリーズ
あなたのことは最初から疑っていました──。 罪を犯した者の前に現れる、死神めいた風貌の刑事。 削ぎ取ったように痩せた頰、刃物で切り落としたようにシャープな顎、悪魔を思わせる鉤鼻、そして虚無の深淵を覗き込んだかのような陰気で表情の感じられない... -
川瀬七緒『四日間家族』- 誘拐犯に仕立て上げられた自殺志願者たちの運命は。
とある理由から自殺を決意した夏美は、ネットで繋がった同じ望みを持つ三人と車で山へ向かう。 彼らは年齢も性別もバラバラで、それぞれの理由から皆自殺という道を選択していた。 夜更けとなり車中で練炭に着火しようとしたその時、森の奥から赤ん坊の泣... -
阿津川辰海『午後のチャイムが鳴るまでは』- 本格ミステリ大賞受賞作家の最高到達点
九十九ヶ丘高校のある日の昼休み、2年の男子ふたりが体育館裏のフェンスに空いた穴から密かに学校を脱け出した。 タイムリミットは65分、ラーメンを食べるという彼らのミッションは達成できるのだろうか? 文化祭で販売する部誌の校了に追いつめられた文... -
呉勝浩『素敵な圧迫』- 胸を貫くカタルシス。文学性を併せ持つ珠玉のミステリ短編集
隙間を見つけると心が躍り、そこに体を滑り込ませてまるで抱擁されるような素敵な圧迫感を感じるのが何よりの楽しみである主人公・蝶野広美。 幼い頃からこのフェティシズムを楽しんでいたものの、身体の成長と共に“ちょうどよい”隙間は見つけづらくなって...