ホラー小説– category –
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『骨を喰む真珠』- 北沢陶の新たなる悪夢。『をんごく』を超えた戦慄の傑作
近年、日本のミステリ・ホラー界に鮮烈な光芒を放つ新星が登場しました。北沢陶氏です。氏はデビュー作『をんごく』において、第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の「大賞」「読者賞」「カクヨム賞」をトリプル受賞するという快挙を成し遂げ、その名を文... -
この短篇、容赦なし『冬の子 ジャック・ケッチャム短篇傑作選』- 静かなる狂気、日常の崩壊
モダン・ホラー界の巨星、ジャック・ケッチャム。スティーヴン・キングをはじめとする同時代の作家たちから絶賛され 、その作品は読者に強烈な印象を刻み込んできました。 『隣の家の少女』や『オフシーズン』といった代表作で知られる彼は、しばしばその... -
『コロラド・キッド 他二篇』- スティーヴン・キングの「幻の作品」が収録された日本オリジナル中篇集
スティーヴン・キング氏の作家デビュー50周年という、文学界にとっても記念すべき節目に、日本独自の編集による特別な中篇集『コロラド・キッド 他二篇』が文藝春秋より刊行されました。この一冊は、単なる新刊の枠を超え、半世紀にわたりエンターテインメ... -
鈴木光司『ユビキタス』- 『リング』の著者による、不可避の絶望を描いたホラー長編
日本ホラー界の巨匠、鈴木光司氏が約16年ぶりとなる待望の完全新作長編ホラー『ユビキタス』を発表されました。かつて『リング』シリーズで世界を席巻した著者が、再び私たちをどのような恐怖の世界へといざなうのでしょうか。 この長い沈黙の期間は、単に... -
『隣の家の少女』- 禁断の扉を開ける衝撃作:ジャック・ケッチャムの深淵
ホラー小説というジャンルには、読者の心臓を掴み、精神を深く揺さぶる力を持つ作品が存在します。その中でも、ジャック・ケッチャムによる『隣の家の少女』は、単なる恐怖を超えた、人間の暗黒面と社会の病理を抉り出す問題作として、発表以来、絶えず議... -
矢樹純『撮ってはいけない家』- いわくつきの旧家でホラーを撮影したら、取り返しのつかないことに…
映像制作会社のディレクター・杉田は、モキュメントホラーの撮影のため、山梨県のとある集落にある旧家へと向かった。 そこは上司の再婚相手・白土紘子の実家で、江戸時代から続いており、古い因習があり、庭には蔵があり…とホラードラマの撮影にはおあつ... -
寝舟はやせ『入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください』- 住み込み先で出会ったそいつは□□だった!
人生を悲観し、死のうと考えていた俺は、道端で求人看板を見つけた。 「今すぐ人生がどうにかなってもいい人募集中」とのことで、まさに今の俺にピッタリだった。 仕事内容は、とあるマンションの住み込み管理で、月給は十五万円~。 条件はただひとつ、七... -
貴志祐介『さかさ星』-こんな作品を待ってた!代々積み上げられた怨念が、一家を惨殺へと……
名家・福森家で、一晩で一家四人が惨殺される事件が起こった。 遺体の状態はあまりにも凄惨で、現実離れした惨たらしい手口で破壊されていた。 さらに屋敷には、何らかの怪しげな儀式を行ったような痕跡があり―。 福森家の分家筋にあたる亮太は、祖母から... -
真島文吉『右園死児報告』- その名のついた存在が現れると、事件や災害が引き起こされる
本書は、明治時代から続く「右園死児(うぞの しにこ)」にまつわる非公式の報告体系である。 「右園死児」とは、国内の随所で漠然と確認されている謎の存在だ。 ある時は人間として、ある時は動物として、またある時は無機物として発現し、その正体は判明し... -
背筋『穢れた聖地巡礼について』- ヤバすぎる心霊スポットと愚かな三人。次は誰の番…?
フリー編集者の小林は、ホラー系YouTuberチャンイケのファンブックを出版する企画を立てた。 チャンイケこと池田は、様々な心霊スポットへの潜入動画『オカルトヤンキーch』の配信で人気があり、ファンブックの需要がありそうだったのだ。 しかしこの企画...